甲状腺癌の治療方針 | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

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日経メディカルより


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201309/532381.html


JAMA Intern Med誌から
甲状腺結節で生検を受ける患者を絞り込むには?
後ろ向きケースコントロール研究の結果
大西 淳子=医学ジャーナリスト




関連ジャンル: 甲状腺 頭頸部癌
 超音波検査で無症候の甲状腺結節が見つかる患者は多いが、その後甲状腺癌と診断される患者はわずかだ。米California大学San Francisco校のRebecca Smith-Bindman氏らは、後ろ向きケースコントロール研究を行い、結節が(1)微小石灰化、(2)大きさ2cm超、(3)充実性結節――の3つの特徴のうち、2つ以上を満たす患者を生検の対象にすれば、癌の見落としを避けつつ生検を受ける患者を大きく減らせることを示した。論文はJAMA Internal Medicine誌電子版に2013年8月26日に掲載された。

 甲状腺結節が見つかった場合の対応を示したエビデンスに基づくガイドラインは、現在のところ存在しない。超音波検査の実施が広がるにつれ、不要な生検や生検による甲状腺癌の過剰診断が増加する状況になっている。そこで著者らは、超音波検査で見つかる甲状腺結節の特徴の中から甲状腺癌と関係するものを選出し、体系化してエコー画像の解釈に役立てようと考えた。


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この論文は


甲状腺にエコーで 結節がみつかったら


どのようなケースで 生検といって 針を刺して調べる方がいいのか を考察しています。



結論としては


結節が(1)微小石灰化、(2)大きさ2cm超、(3)充実性結節――の3つの特徴のうち、2つ以上を満たす患者を生検の対象にすればよい



って 事です。



しかし 私は ちょっと反対です。


ただし 今回は 私は医学会全体からみると少数意見になると思うので参考程度で。




私自身、甲状腺に腫瘍があったとしても、この程度の条件では 生検しません。


 

エコーで 数ヶ月置きに(私は自分でエコーあてることができるので毎月みるかもしれませんが) 経過みていき増大傾向が著しいときは 生検を考慮する程度です。

 


でも私の経験では、著しく増大するケースってあまりないです



未分化癌みたいな、超悪の癌だったら、すぐに大きくなって、もう命はないので どうせ諦めます。


 

その他の癌だったとしても、



患者よ癌と戦うなの 近藤先生に少し影響をうけているためか




たとえば 乳頭癌だったとしても、


どんどん 増大するタイプと おとなしいタイプがあるような気がします。



後者だと 割とずっと おとなしい気がします。

 

 


一般のお医者さんは、おとなしいタイプの癌がある日凶暴な癌になって増殖してくると考えているようです。だから手術勧めますが、どうも私にはそんな印象はないです。

 


おとなしいタイプは割とずっとおとなしくて、 増大するタイプは早期に手術しても、いづれ転移病変がでてくる感じがします。(ここは 個々の癌によって違うとは思いますが)

 


これは 臨床経験による(しかも悪性疾患の経験は少ない)想像だけで、エビデンスとかはありませんので、町医者の戯言程度で読んでください。




最近私を 頼りにしてくれている患者さんで 


甲状腺に 結節がある患者さんがいます。


 

 

九州で甲状腺が 有名な病院といえば 大分の 野口病院って とこなんですが。



そこも 含めて 甲状腺専門の病院に数件通院して、

 


一度生検して 甲状腺乳頭癌 の確定診断をもらっているようです。



いつか 大きくなって 全身に転移するから 手術を勧められています。



でもその患者さんは、手術が怖くて断っています。

 


それは いつの話かって?



なんと 5年前の話です。




つまり 5年前に 生検で甲状腺乳頭癌と病理診断されていますが いまだに増大傾向もないんです。






多分 今後も寿命がくるまで 大きくならないんじゃないかと 私は思っています。



当院では 一応 定期的にその患者さんの甲状腺エコーしています。



今では私は、その患者さんに、「手術なんかしなくていいよ。5年も大きくなってないんだから、もう大きくなる可能性は私は低いと思います」って 言っています。


患者さんは、それですごく 嬉しそうに 落ち着いた表情を見せてくれます。


 

 

 

   

  



甲状腺乳頭癌がみつかって 手術している患者さんは 多いです。

 


患者さんは みなさん、主治医に 癌をみつけてもらって 早期に手術して助かったと思っていますが

 

実は、放っておっても寿命がくるまでなんともなかったかもしれません。


 



一般の医者が考えているような、おとなしい癌がいつか凶暴になる可能性もあるかもしれないので、早期に手術するって 選択もあるとは思うのですが



結構 じっと おとなしいままの癌もあるってのは、知っておいてもいいと思います。


そうすると 若いうちにみつかると、安全を考えて手術してもいいですが、年を取ってみつかると経過観察っていう手もありとなります。



特に 甲状腺はね。


肺癌も、経過観察だけで、ずっと大きくならないタイプもみます。






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もりぞの内科 年中無休
(12/31 1/1 1/2除く)
糖尿病診療

院長 森園 茂明
福岡県北九州市八幡西区上上津役2-14-17

電話:O93-611-5335

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