当直勤務体制の見直しを | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

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医師を書類送検へ 高2女子死亡させた疑い


 薬を大量に服用した高校2年の女子生徒=当時(18)=の処置を怠り、死亡させたとして、福岡県警は11日までに、業務上過失致死容疑で産業医大病院(北九州市八幡西区)の神経・精神科に勤務していた男性医師を書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、主治医だった男性医師は同病院で生徒に適切な治療などをせず、死亡させた疑いが持たれている。

 両親は産業医大などに計約1億円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こし、係争中。

 訴状によると、2009年4月19日夜、うつ病などを患っていた生徒は薬を大量に服用したと両親に告げ、足元がふらつく状態となった。両親は車で同病院に運んだが、男性医師は車内で眠っている生徒を外から見ただけで病院内に運ぶなどの処置をせず、そのまま帰宅させたという。

 翌日も容体が回復せず、両親は数回、診察を希望したが、男性医師は電話で「必要ない」などと回答。生徒は21日朝に死亡し、死因は急性薬物中毒とされた。


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この記事をみると 一般の人は どう思うんでしょう?



「こんなに 悪い状態なのに診療拒否なんて、なんてひどい医者だ!」



って 思われる方が多いかな?


なかには

「自分で沢山薬を飲んだんだから ある程度自己責任」

なんて 考える人もいるかもしれません




でも私は やっぱり この医者の対応が悪かったと思います。


書類送検はしかたないでしょう。





ただし この舞台裏が私には見えます。




医師が悪いのですが その勤務体制が一番問題だと思います。


 


おそらく当直当日も 日勤でフルタイムで仕事しています。

 

そして 夜の11時30分に 沢山薬飲んだと言って 患者さんが来院されます。

 


飲んですぐなら胃洗浄します。 時間がたっていたら、点滴しながら入院経過観察、採血しないといけません。



 しかし これをすると 午前2時過ぎそうですね。 場合によっては 眠れないかもしれません。




記事にもある通り 翌日も男性医師が 電話対応で診療の必要ないと言ってる事から、翌日も通常勤務でしょう。

 


私も勤務医時代いつもそんな感じでした。

  


日勤にあと 一睡もせず仕事して 翌日も日勤となると かなりつらいです。

 

 


そんな 状況だから、 薬沢山のんで夜間に来られても、つい 必要とするべきことをしなかったんだと思います。


睡眠薬の大量内服は 多くはなにもしなくても回復することも多いので 様子見ても大丈夫だろうって思っちゃったんだと思います。 


 

もし この男性医師が 当直日の日勤 または 翌日の日勤勤務がなく 本日の当直専任だったら こんな対応しなかったような気がします。

 


 

日本で 起こっているこの現実を なんとかしないといけないと いけないと思っています。



ちなみに私は 勤務医時代でも現在でも 睡眠薬大量内服の患者さんに 治療を求められたら、診療拒否することありません。


採血 点滴は最低限します。




逆に患者さん側から  「もう帰ってもいいですか?」


って言われることが多いです。



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もりぞの内科 年中無休 (12/31 1/1 1/2除く)
糖尿病診療

院長 森園 茂明
福岡県北九州市八幡西区上上津役2-14-17

電話:O93-611-5335

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