傷には、赤チン塗った後に絆創膏 | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

専門は糖尿病ですが、内科一般診察しています。時に子供も。糖尿病で病院を迷われている方、介護施設を探している方、ご相談下さい。

今日は、午後休診なので、黒崎に医学書を買いにいきました。

いつも ブラブラっと行って、気になる本があったら買います。今日は実は、一番買いたかったのはボトックス注射の本だったのですが、「傷の正しい治し方」という本を衝動買いしました。(その他、結局、ボトックス注射、頸部エコー検査、食品交換表の合計4冊買いました。)

4冊で2万円です。医学書高いですね。学生時代には、高くて買えないので、人の本のコピーばかりしていました。医者のお父様をお持ちの同級生が惜しげもなく医学書を買う様をみて羨ましく思っていました。などと余談はさておき。

みなさん、自宅でケガしたらどうしますか? そうですね。傷には、洗った後に赤チンかマキロンで消毒して絆創膏を貼る。翌日も絆創膏を剥がしてマキロン塗って絆創膏をはる。そんなことをしているうちにいつの間にか治っていますね。

実は、比較的最近まで、いや現在でも大多数の病院や医院が、これと同じような事をしています。実は当院でもそうしています。

具体的にいうと、創部はバイキンが沢山ついているのでイソジンで消毒してガーゼをあてる。翌日も同様の処置をする。「つけかえ」、「ガーゼ交換」などと呼ばれている方法です。

 私もつい2年前までは福岡で一流病院を色々勤務していましたが、当時の外科医や整形外科医は同様の処置をしていました。(形成外科医は新しい治療をしていましたが)

これは駄目なの? いやいや、人間の自然治癒能力はすばらいものがあり、ほとんどの人は、この治療で治ります。

ただし、現在、この治療に異論を唱える医者が増えてきています。従来の治療は間違いで、自然治癒を遅らす結果になっていたり、寝たきりの人たちは、治るものも悪化させているというのです。

それで専門の形成外科などは、新しい治療を開始して、それがスタンダードと今後はなっていくでしょう。

~~~~~~

その基本は?

自宅では

①消毒しないで、水道水で洗うだけ。

②そしてガーゼじゃなくて サランラップ又はフィルムドレッシング材でカバーする。

以上。

そうです。みなさんケガしたら、赤チンを塗って絆創膏を貼るのではなく、洗ってラップするだけなんです。

病院でも清潔操作必要なく、水道水でジャブジャブ洗って、ティッシュで拭いて(時に被服材をつけて、)フィルムドレッシングするという方法が基本のようです。

感染を認める症例のみ、切開排膿して抗菌薬を投与する。

当院も入院患者を含め重症患者が増えてきたので、従来のアカチン療法では、治らない症例も現れてきているので今回この本を熟読して、明日からの診療に活かしたいと思います。 内科医なのに・・・・

==================
もりぞの内科
院長 森園 茂明

URL:http://www.geocities.jp/morizononaika/
TEL:093-611-5335  FAX:093-611-5885
====================