第6話 為替ってなに??Vol.2の始まりです。
第5話では為替(かわせ)の本来の意味を説明しましたが、今回のVol.2ではニュース
や新聞等で一般的に使われている”為替”(為替レート)について説明していきます。

為替レートを説明する前に、どうしても説明しておかなければならない事が2つあり
ます。それは「”需要(じゅよう)”と”供給(きょうきゅう)”」と「"物価(ぶっか)"」
いうものです。
これは学校の社会科の授業でも出てきたんじゃないかなと記憶してますが、改めて
説明しますね。

”需要”というのは、皆さんが何かモノを買いたいと思ったり、必要なモノで買わな
ければならないといった”購入意欲(こうにゅういよく)”の事です。
ただ個人の購入意欲のことを指すのは希(まれ)で、多くは国やある地域などの
比較的広い範囲においての意欲を意味します。
例えば「”現在の日本では自動車の”需要”が低く(もしくは少なく)なってきている」
といった使い方をします。意味としては、「日本では自動車を買いたいと思う人が
少なくなっている」という意味になります。

”供給”はモノやサービスを提供する、もしくは提供しようとする活動のことで、
上記の自動車の例で言えば、自動車を買いたい人に提供する(売る)ことを指します。
使い方としては例えば、「自動車の”供給”量が増えている」といったもので、意味
しては、「自動車の生産(及び販売)が増えている」という意味合いになります。

もう一つの”物価”ですが、これは文字通り”モノの価値”で、”価格(値段)”です。
皆さんが何気なく購入しているお菓子や食品や服などの価格のことです。
ただ、これも需要と同じく大きな範囲での価格を指します。
物価が上がるとか下がるとか言った言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、
あんまり実感はないかもしれませんね。なぜ実感がないか、それは、皆さんが日頃
買ってるモノの価格はあまり大きな変化がないからですね。
せいぜいお菓子をコンビニで買うと100円(消費税は無視して下さいね)だけど、
あっちのスーパーで買うと89円だ。とかその程度でしょう。
しかしこの例での価格の差は物価とは違い、スーパーが努力して価格を下げている
のであって、物価が下がっているとは言いません。
なぜなら、基本的にお菓子の”仕入れ(しいれ)”価格は基本的に同じだからです。
コンビニもスーパーもお菓子を売るためにはお菓子のメーカー(製造している会社)
からお菓子を仕入れて(買って)、それを皆さんに販売していますが、販売価格には
コンビニやスーパーの”利益”(本当は”粗利(あらり)”と言いますが)を上乗せしている
のです。
従って、この利益を少なくすれば、販売価格に差をつけることができるのです。
 コンビニの場合 → 50円で仕入れて 50円の利益をつけて 100円で販売
 スーパーの場合 → 50円で仕入れて 39円の利益をつけて 89円で販売
まずは、物価とはものの値段ではありますが、上の例のようにお店により価格が
違うことを指すのではないことを覚えておいて下さい。

で、この”需要”と”供給”と”物価”は非常に密接に関係しているのです。
またまたイメージして頂きたいのですが、この世界に一つしかないモノがあると
します。でも多くの人がこれを買いたいと思っています(需要が多いということ
ですね)。この場合、世界に一つしかないモノの値段はどうでしょうか?
逆に世界に溢れているモノがあり、それを買いたいと思う人は少ない(需要が少ない
ということです。)場合はどうでしょうか?

これは簡単ですね。世界に一つしかないモノの値段は非常に高くなります。1つしか
ないのですから、簡単には手に入らないからです。
逆に溢れているモノの値段は下がります。たくさんあるので簡単に手に入るから
です。またたくさんあれば、それ程貴重なモノでもないため、買いたいと思う
人は減ります。
これをさっきの需要と供給という言葉を使って説明すれば、世界に一つしかない
ものは、需要が大きい割に供給が少なすぎると言えます。逆に溢れているモノは、
需要が少ない割に供給が大きすぎると言えます。
少し整理しますと、下記のようなことが言えるわけです。

 需要が大きい&供給が少ない → 物価は上がる
 需要が少ない&供給が多い  → 物価は下がる

ではもう一つの例を考えてみましょう。需要が多くて、かつ供給も多い場合はどう
でしょう?また、需要が少なくて、かつ供給も少ない場合はどうでしょう。
これらの場合は、基本的に物価にあまり変化はありません。たくさんの人が欲しい
けど、モノもたくさんあるのでバランスが保たれます。逆もしかりで、欲しい人は
殆どいないけど、モノ自体も少ないので、やはりバランスが保たれます。

 需要が大きい&供給が多い  → 物価はあまり変化しない
 需要が少ない&供給が少ない → 物価はあまり変化しない

となるわけですね。
ここまではイメージがつきますでしょうか。

ここで第3話 お金ってなに??Vol.2の話しを思い出してみて下さい。
第3話で”お金自体もモノと考えれば、自分のお金で他の国のお金というモノを買う
事もできる”と説明しました。このことと、上で説明した需要と供給、及び物価を
組み合わせて考えていきましょう。

何度も言いますが、必ず、買いたいお金を”モノ”として考えて下さい。買いたい
ものを”お金”として考えてしまうと混乱します。
お金はモノです、モノです、モノです、モノです、モノです・・(頭の中で何度も
何度も唱えて下さい。)

では日本円で米ドルというモノを買う、もしくは米ドルで日本円というモノを買う
というシチュエーションを考えてみましょうか。
世界には米ドルを使って日本円を買いたい人がたくさんいますし、逆に日本円を
使って米ドルを買いたい人もたくさんいます。

当然、日本円というお金は無限にあるわけではないのですが、今はは世界にある
日本円の量は一定と考えることにします。ではここでは仮の話しとして日本円の量
は100枚だとしましょう。

さてここでイメージしてみて下さい。
初めは日本円1枚は100ドルの値段でした。でも今日は米ドルを使って日本円を買い
たい人がものすごくたくさんいる(日本円というモノの需要が非常に高いということ
ですね)としましょう。
でも買える日本円の量は100枚しかありません。するとどうでしょう。
日本円というモノの需要が高い割に、供給が少ないということになりますよね。
これはさっき説明した
  需要が大きい&供給が少ない → 物価は上がる
と同じです。つまり、日本円という1枚の値段が高くなるということです。

100万円が120万円になるという意味ではありません!!しつこいようですが、今
日本円はモノです。お金ではありません。モノです、モノです、モノです・・
モノ1枚の価格が上がるというだけのことです。そしてこの1枚は1万円札ではあり
ません!決して1万円札が1万2千円札に変化するわけでもありません!!モノです
モノです、モノです・・モノなんです!!
つまり、日本円1枚の値段は初めは100ドルだったのに、みんなが欲しがるので、
つまり需要が大きく供給が小さいので、価格は上がり、今では日本円1枚が200ドル
になってしまったということです。

逆はどうでしょうか。
初めは日本円1枚は100ドルの値段でした。でも今日は米ドルを使って日本円を買い
たい人が少ない(日本円というモノの需要が低いということですね)です。
しかし日本円の量は100枚と変わりません。
みんな日本円をいうモノを買いたがらないので、つまり需要が低く、供給が多い
ので、価格は下がり、今では日本円1枚が70ドルになってしまいました。

くどいようですが、ここでいう日本円1枚は1万円札でもなければ5,000円札でも
1,000円札でもありません!!あくまで日本円1枚という"モノ"です!!!!!!!

これはとても重要な事ですので、もう一度例を変えて説明します。
今度は日本円(皆さんが日頃使ってる”お金”です。モノではありません)を使って
米ドルというモノ!!を買うことにしましょう。
初めは米ドル1枚は100円でした。でも今日は日本円を使って米ドルを買いたい人が
多いようです。でも買える米ドルの量は100枚しかありません(米ドルの需要が高い
割に供給は少ない状態ですね)。
さぁ米ドル1枚の値段はどうなります? ・・・そうです、値段は高くなりますね。
初めは1枚100円だったのに、今では1枚120円出さないと買えなくなりました・・
逆の場合は?
今日は米ドルを買いたい人は少ないようです・・(米ドルの需要が低い割に供給が
多い状態ですね) ・・ ・・ ・・ そうです、値段は安くなります。
初めは1枚100円だったのに、今では1枚80円で買えるようになりました。

ここまではイメージがつきましたか?
まだおぼろげだなぁという方は、76行目の「ここで第3話 お金って~」で始まる
部分からここまでを、具体的にイメージできるようになるまで何度も読み返して
ください。
何度も言うようですが、「お金でお金を買おうとしている」と考えてしまうと混乱
しますので、必ず「お金でモノを買う」と考えて下さい。

さてさて、イメージを固めてもらったと思いますので、次のステップに進みましょ
う。
米ドル1枚が100円から開始した取引ですが、米ドルが欲しい人が多くて(米ドルの
需要が高くて)米ドル1枚の金額がどんどん高くなってきました。今は米ドル1枚120
円です。これを違う視点から見てみると、米ドル1枚の価値が上がったけど、日本円
はその分価値が下がったと言えませんか。これは日本円も”モノ”として捉えて、
物々交換で考えてみると分かりやすいです。
初めは米ドル1枚が日本円1枚と交換できてたのに、今は米ドル1枚を交換するのに、
日本円2枚が必要になってしまったという状態です。
日本円1枚の価値が下がってしまったということですね。だって1枚交換するのに
2枚必要になってるんですよ。米ドル1枚が100円だったとすれば、最初は日本円1枚も
100円だったのに、今では2枚必要になってるのですから、日本円1枚の価値は50円
になってしまったのです。。。
どうです、米ドルの価値が上がれば、日本円の価値が下がるというイメージがつき
ました?逆も同じです。米ドルの価値が下がれば日本円の価値が上がるのです。
それで、価値というものは常にお金に換算されますね。すると、ニュースや新聞で
よく言われてる為替が分かってくると思います。

と、その前に、もう一つ説明が・・ 「え~まだあるのかよ~」と思われたそこの
あなた、お願い、最後まで読んでね。あと少しだから・・

世界では国や地域によって様々なお金(通貨)が使われていますが、”基軸通貨
(きじくつうか)”というものがあるのです。これは世界の為替で中心に取引される
通貨の事で、今は米ドルが基軸通貨となっています。
”世界の為替で中心に取引される”というのはどういう事かというと、貿易(輸出入)
の取引を行う場合に計算されるお金が米ドルであるということです。これは言い換え
れば、取引を行う際、米ドルの価値を基本に据えて、その他の通貨の価値を決める
ということなんです。
ちょっと思い出してみて下さい。ニュースで為替のことを話してる時、
 1ドル=79円98銭 で取引されています。
 1ドル=81円42銭 で取引されています。
といった内容ですよね。何かに気づきませんか?
そう、ドルの方はいつも”1ドル”で、円の方の金額がいつも変わっています。
なぜなら・・、そうです、ドルが基軸通貨で、基本になっているからです。

さて、為替レートに関してそろそろ締めに入ろうと思います。
上で、ドルは1$に固定している理由が理解してもらえたと思いますが、では
円の価値がドルに対して下がった場合はどうなりますか。逆に円の価値が上がった
場合はどうなるでしょう。
円の価値とドルの価値が全く一緒の場合、それは「1$=100円」です。
では今1$=100円で取引されているとします。ここで、円の価値が10円上がったら
どうなると思いますか?
1$=110円になるのでしょうか・・?
そう、違います。「1$=90円」となるのです。「どうして~~?」と思った人、
もう一度146行目の「米ドル1枚が100円から開始した・・」から読み直してみて
下さい。
円の価値が上がったということは、ドルの価値が下がったということです。
今、「1$の価値は幾らなのか??」と1$に固定して考えているので、ドルの価値が
下がったということは、日本円から見ればその分安くドルを買うことができるわけ
ですよね。10円安くドルを買うことができる訳ですから、1$=90円になるのです。
逆はどうでしょう。
今1$=100円で取引されているとして、円の価値が10円下がったら??
そう、1$=110円ですね。

このブログを書いている今現在、1$=80円84銭です。「1$=100円」からすると
現在は円の価値が約20円も高いのです!!
円の価値がドルと比べて高い状況のことを”円高ドル安(えんだかドルやす)”と
呼びます。逆の場合は”円安ドル高(えんやすドルだか)”と呼びます。

外国為替レートに関しては理解してもらえたでしょうか。
今回は日本円と米ドルの比較で話を進めてきましたが、勿論ユーロとか、ウォン(韓国)、
豪ドル(オーストラリアドル)など、他の国の通貨でも同様に為替取引は行われ
ています。
Vol.1、Vol.2と為替(特に外国為替)について話しをしてきましたが、実はまだまだ
説明しなければいけないことが山のようにあります。ですが、余りたくさんのこと
をいきなり話しても混乱するので、為替に関してはまずは今回を一区切りにします。
今後必要に応じて説明していく予定ですが、今回の内容は基本中の基本となります
ので、是非覚えておいてください。

それでは次回は、今回も出てきた円高や円安による経済への影響を説明する
”第7話 円高/円安ってなに??”です。
さて今回は為替(かわせ)について説明する”第5話 為替ってなに??Vol.1"です。
為替についてはちょっと長くなりますが、最後までお付き合いください。
また、為替以外にも経済において非常に重要な言葉や意味もたくさん出てきます
から、是非この機会に理解を深めて下さい。これがわかり出すと、今後のこの
ブログで紹介していく経済や経営のことがものすごく楽しくなる筈です。
逆をいえば、今回の為替の内容を理解して頂かないと、今後の内容はちょっと
難しくなってしまうかもしれません。
でも大丈夫!!分かりやすく説明するよう努力しますし、なにも難しくはないので
自信を持って読み進めて下さいね。

前回の第4話の最後で貿易をおこなったときのお金の支払い方について質問を
投げかけてみました。忘れてしまった方は第4話 貿易ってなに??を読み返して
頂ければ嬉しいです。
外国との貿易(輸出と輸入)は結局モノの売買ですから、輸入ではお金を支払い、
輸出ではお金を受け取らなければなりません。
しかしどうやってやりとりするのでしょうか・・??

ここで”為替”の登場です。為替というと恐らく大抵の読者の皆さんは”外国為替”を
イメージされるでしょう。ですが外国為替では、自分のお金を他国のお金に
交換することと理解されている方が非常に多いと思われます。間違いではないです
が、それは2次的な意味合いで本来の意味とは違います。
では為替の本来の意味は何でしょうか??

為替の本来の意味は”取引を行う時のお金のやりとりをする方法の1つ”です。
ですから外国為替という言葉から連想される外国とのやりとりだけでなく、
日本国内でも盛んに為替は行われているのです。
(恐らく金額ベースで、日本国内の取引の実に90%以上は為替による取引です!)
お店でお菓子を買う場合をイメージして下さい。100円のお菓子を買う時、レジ
に商品を持って行って、実際に100円というお金を支払っていますよね。
つまり現金で支払っています。このように何かを現金で買う、もしくは何かを
現金で売る場合の取引を”現金取引”といいます。

買いたいモノが100円とか1,000円とか10,000円とかある程度安い金額(10,000円は
安くはないですけどね・・)の場合は、皆さんの財布の中にそれくらいのお金は
入ってるでしょうから現金取引でも問題ありませんよね。
しかし金額が大きくなってきたらどうでしょう。100万円を払うのに1万円を100枚
持ち歩きますか?まぁ100万円ならまだ何とかなるかもしれませんね。
では1,000万円なら?5,000万円なら??1億円なら???
こんな大きな金額になるとさすがに持ち歩くのは無理ですし、仮に持ち歩けば
ひったくりとか落としてしまう、忘れてしまうといったリスクが出てきます。
余談ですが、よく映画とかでマフィアが多額の現金をケースに入れて持ち運んで
いるシーンがありますよね。実はあれはあれで意味があります。ですがなぜ彼らが
現金を持ち運ぶかを説明するには”信用取引”という取引の方法を説明しなければ
ならず、今回の為替とは方向がちょっと違うのでまた別の機会で説明しますね。

話を元に戻します。取引する相手が遠くにいるほど、また金額が大きくなればなる
ほど現金取引は難しくなります。そこで”為替”という方法を使うのです。
為替の本来の意味は、銀行振込や”手形”という方法で実際の現金を用いることなく
支払ったり、受け取ったりする方法のことです。
”手形”という新しい言葉が出てきましたが、今は余り深く追求しなくても構いま
せん。今回の話しではここでしか出しませんので。
ちなみに、お金を支払ったり受け取ったりすることを、経済・経営の世界では
”決済(けっさい)”といいます。似た言葉に”決裁(けっさい)”がありますが、意味は
異なりますのでご注意を。

中高生の方の読者の皆さん、ちょっと想像してみて下さい。例えば皆さんが大学生
になって、しかも大学は実家とは離れた場所の場合(実家は関西だけど大学は東京の
ような場合)、きっと皆さんはご両親からアパートの家賃や生活費を仕送りしてもら
うことになるでしょう。で、きっと仕送りは銀行の皆さんの個人口座に振り込まれ
ると思います。実はこのやりかたを”為替”と言うんです。
為替は文字通り”替(か)えて為(な)す”んですよ。
今の銀行はオンラインで日本中に繋がっていますから、あらゆるところにあるATM
ですぐに現金をおろせますし(勿論口座にお金が入っていないといけませんけどね)
実際にご両親がお金を持ってきたり、皆さんが実家に取りに行ったりする必要は
ありません。

これは、別の言い方をすると銀行がご両親のお金を皆さんの手元に移動させたと
いう事になりますよね。銀行や郵便局はこういう為替のサービスを提供している
とも言えます。
このように国内で行われる為替を”内国為替(ないこくかわせ)”と言います。また、
今回説明したような銀行の為替システムを”内国為替制度(ないこくかわせせいど)”
と呼ぶ時もあります。

と、言うことは、貿易で海外の会社に支払うもしくは海外の会社からお金を受け
取る場合も同じ事が言えませんか?輸入の場合、お金を海外の会社に払わないと
いけませんが、その支払い自体を銀行に依頼するのです。すると銀行はこの為替
制度に則って(のっとって)、海外の会社に替わりに支払ってくれます。輸出の
場合も同じです。海外の企業は銀行に頼んで日本の会社にお金を支払います。
このように、海外の会社や個人とお金のやりとり(決済ですね)を行う際に使用する
為替を”外国為替(がいこくかわせ)”といいます。
どうですか?為替の本来の意味を理解して貰えましたでしょうか。

するとここで「じゃぁニュースで”では為替です。12時現在1ドル82円39銭で推移
してます”とか言ってるのは何だ?」と疑問になるかと思います・・
これは”為替レート”と言うものです。ニュースや新聞などで頻繁に使われている
”為替”という言葉は、実は海外の貨幣(お金)を買う場合に幾らなのかを言っている
んです。「え~、本来の意味と違うじゃん!!」と思われるかもしれませんね。
これは本来の意味合いの部分を”暗黙の了解”として省略していると理解して下さい。
次回第6話 為替ってなに??Vol.2でこの為替レートについて詳しく説明していき
ますから・・
第4話 貿易(ぼうえき)ってなに??です。

前回の終わりに第4話は”為替(かわせ)”について説明しますと述べましたが、
”為替”を説明するにはもっと前提を話しておかないといけない事に気づき、急遽
変更です。ごめんなさい。また、更新が遅くなりこちらも申し訳ないです・・

さて、今日は”貿易”に関してです。この貿易は、上記の”為替”とも非常に密接に
関わりがありますし、先渡取引(さきわたしとりひき)や先物取引(さきものとりひき)と
言った取引形態にも関与している重要なことです。
そして、一番重要なのは、この貿易によって我が国”日本”は成り立っていると
言ってもいいほどです。
それでは貿易とは何なのかを見ていくこととしましょう。

中学の社会科の授業で多分勉強したと思いますが、辞書などを引くと「ある国と
別の国とで、”輸出”・”輸入”によって財を売買すること」と書かれています。
ここでいう”財”とは製品や商品、サービスのことで、経済の世界ではこれらの
ことを”財”といいます。ただ分かりにくい場合は単に「”輸入”と”輸出”」
だと思ってくれれば構いません。
さて次に思うことは輸入と輸出とはなんぞやとなりますが、輸入とはある国が別の
国から商品(サービスも含みます)を買う事をいい、輸出とはある国が別の国へ
商品を売る事を指します。(当たり前のことだ!!とお叱りをうけそうですが・・)
実際に貿易とはこれだけのことなのです。
しかしさにあらず!貿易は非常に奥が深いのです!!

学校で日本の貿易の形態は”加工貿易”だと勉強したと思います。原材料を輸入
して、日本国内で加工して製品として輸出する形態ですね。この加工する段階で、
日本は誰も真似できない独自のすばらしい技術を組み込み、世界をリードしている
のです。

皆さんもニュースその他で中国や韓国の企業が日本企業を追い抜こうとしている、
もしくは追い抜いたといった事を聞いたことがあるかもしれませんが、韓国製や
中国製の製品には、日本企業が作った部品がたくさん使われていて、日本から部品
が輸出されないと困るといった会社がたくさんあるのです。
テレビや自動車などを組み立てるのはそれ程難しくありません。言ってしまえば
どの国でもできます。ですが、その組み立てる部品は日本企業でしか作れないと
いうものがたくさんあるのです。どうです?こうして考えると日本ってスゴイ国
でしょう??
これを読んでもらっている中高生の諸君には是非ともこのスゴイ日本を今後も盛り
立てていってほしいものです。

とまぁ日本をヨイショするのはこの辺でやめておいて、貿易に話を戻します。
貿易には大きく2つの形態があり、代表的な形態は下記です。

●直接貿易(ちょくせつぼうえき)
  商品を販売する輸出者と購入する輸入者が直接売買する形態
●間接貿易(かんせつぼうえき)
  輸出者と輸入者の間に”商社”などの"仲介者”を入れて売買する形態

上記2つの形態は具体的に何が違うのでしょうか・・
直接貿易は売る方と買う方が直接取引する”普通”のやり方ですね。これだけで事が
足りそうに見えますが、なぜ間接貿易という形態があるのでしょうか?どうして
”商社”が必要なのでしょうか??不思議に思いませんか?

直接売買(貿易)を行うためには、買う方と売る方がお互い知り合っていなければ
なりません。中国に○○という会社があるから、そこと取引しようと言った具合に
です。でもどうやって中国に○○という会社があることを知ればいいのでしょうか
・・?
中国に行ってその会社のことを調べてくる?→それもいいかもしれませんね。
でも買おうとしている商品を売っている会社が1社だけということはないですよね。
100社も1,000社もあります。その中からどの会社の商品が安くて品質もよいかまで
調べないといけません。しかしそれをすると、買うまでに膨大な時間がかかって
しまいますよね。しかも、中国だけを考えるわけにもいきません。もしかしたら
マレーシアやインドネシアといった国から買う方がいいかもしれません。
こうなると、もはや自分だけでベストな会社を探すのは非常に難しくなります。

ここで”商社”の登場です。商社は目的の商品に対しての情報や知識をたくさん
持っています。その商品について中国から買うと品質は普通だけどちょっと高い
とか、マレーシアは安いけど品質は悪いとか、はたまたウクライナ産が一番適して
いるといった情報を常に持っています。こうなると、自分で会社を探すよりも
”商社”にお願いして商社から買った方がいいということがあるのです。
勿論商社も会社ですから、利益を出さなければなりませんので、直接売買するより
も商社を仲介する方が価格は高くなります。しかし考えてみてください。
先にも話したように何から何まで全部自分でやるとなると、それに対してかなり
お金がかかってしまいます。それと比べれば、商社を仲介する方が全体的には
安くなる。と言うこともよくあることなのです。

商社には”専門商社”と”総合商社”の2つがあります。専門商社とはある「特定」の
商品やサービスを提供する商社で、総合商社とはお客さんの要求するものであれば
ほぼ全ての商品を扱っている商社です。
”三井物産”とか’’三菱商事”、”伊藤忠商事”とか”丸紅”、”双日”とか
聞いたことはありませんか?
これらは日本を代表する総合商社で、世界中に事務所を持っています。
そこでは情報収集から買い付けまで様々な事をしています。
世界のどこから輸入し、どこに輸出すれば一番儲かるかということを世界レベルで
見て考えて活動しているのですね。これはまさに”貿易”の仕事です。

さて、ここからは次回のテーマにも繋がる話しをしていきましょう。
日本が例えば鉄やアルミといった原材料を他の国から買いますね。ではその支払
はどうすべきでしょうか?具体的な例で考えていきましょう。
例えば中国の会社から1トン24万円のアルミを100トン買う事としましょう。
すると代金は2,400万円になりますね。
相手は中国の会社です。中国と日本では使っているお金が違います・・
中国は”人民元”というお金を、日本では”日本円”というお金を使っています。
どう支払をすればよいのでしょうか・・
日本の会社は日本円で支払います。が、受け取る会社は中国の会社ですから、
中国では日本円は使えません。

逆に売る(日本から輸出する)方も考えてみましょう。
日本の会社が1台300万円の車を100台、アメリカの会社に売る(輸出する)とします。
総額では300万円×100台で3億円ですね。
相手はアメリカの会社ですから当然支払いはドル(米ドル)で支払ってきます。
でもドル(米ドル)は日本では使えません。さて、どうすればよいのでしょうか・・
しかも2,400万円とか、3億円とかいう大きなお金を、日本から持って行ったり、
日本に持ち運んだりしないといけないのでしょうか。

これらの回答を次回”為替ってなに??”で説明していきます。
なお、貿易はまだまだ話し足りない事がたくさんあります。貿易は世界の経済活動
の大部分を占めますし、国と国との国際関係を知る上でも非常に重要なことです
ので、機会を改めてもっと深くお話しをしていきます。