なぜ大企業は消費増税に賛成するのか?日本版「トランプ減税」を考える | 幸福実現党 森よしひろのブログ

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なぜ大企業は消費増税に賛成するのか?日本版「トランプ減税」を考える

幸福実現党 外務局長 及川幸久


※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆今の日本に必要な「ティーパーティ―運動」

10月1日から消費税が10%に増税されました。

消費税増税で思い出されるのが、2009年、オバマ大統領の就任式の翌日からアメリカで起きた「ティーパーティー運動」です。

「ティーパーティ―運動」とは、オバマ政権が増税してやろうとした「オバマケア」という医療保険制度の改革、いわば社会保障の充実に反対して、減税を訴えるものでした。

結果的にオバマ政権が行った経済政策は、いわゆる「大きな政府」を目指すもので、今の安倍政権の経済政策と本質的によく似ています。

別の言い方でいえば、社会主義の経済政策といえます。

今の日本に必要なのは「日本版ティーパーティー運動」なのではないでしょうか。
◆大企業が消費増税に賛成する理由

経団連をはじめとした財界からは、「消費税はもっと上げなければいけない」という声が早くも上がっています。

その理由として、出てくるのが日本の社会保険制度です。

その社会保険料を誰が払っているかというと、「労使折半」なので、労働者個人のみならず、会社側、いわば経営者も払っているということになります。

だから、利益がなかなか出ない不況で、大企業の経営者としては、人件費の中で最も大きな部分の一つである社会保険料を上げられるのは、絶対に避けたいわけです。

そのため、財界は財務省と手を握り合って、「社会保障を安定化させるため」に消費税の増税には大賛成しているのです。
◆消費税はもともと社会保障のための税金ではなかった

もともと消費税というのは、他の所得税、法人税や相続税等と全く同じように、一般財源でした。

一般財源として、この社会保障のために使うということは「目的税」になるので、発想としては邪道なはずですし、本来は保険料であるのに強制的に取られるということは事実上の税金のはずです。

本来は保険料のみでまかなうべきなのに、なぜ税金まで投入するようになってしまったのでしょうか。

それは、今の日本でこの社会保険料をきちんと払うべき人から徴収できていないことが理由です。

保険料だけでなく、税金も同様で、所得税を払うべき人の中で、真面目に払っているのは、約半分だと言われています。

この問題点は、税や保険料を徴収するシステムが日本に出来ていないことにあり、真面目に払っている人と払ってない人の間で不公平感が存在しているのが現状です。

徴収できていないことが、この社会保障に税金を投入しなければならなくなった大きな原因の一つです。
◆永遠に増税し続ける「税と社会保障の一体改革」

社会保障と消費税を考えるにあたり、思い出して頂きたいのは民主党政権の時の「税と社会保障の一体改革」です。

要するに、「社会保障の安定化のために消費税を10%に増税して、2倍にする」というものでしたが、どう見ても幻想でした。

本来、社会保障というのは保険料のみで賄うべきで、日本以外の国では保険料で成り立たせていますが、堂々と消費税を投入することを決めてしまったわけです。

この時から消費税は社会保障のために使うのだから、年金を安定させるために使うのだから、「増税しても仕方ない」という路線が引かれてしまいました。

しかし、これを許したら無限にこの消費税は上がり続けます。

戦争時のような緊急かつ特別な状況とは異なり、社会保障は1回始めると永遠に終わりはきません。

それを支えるための増税も永遠に続くことになります。

そういう意味で、「税と社会保障の一体改革」によって、増え続ける社会保障のために税金を投入し続ける。それが持つはずがありません。
◆オバマ政権がやろうとした「アメリカの日本化」

社会保障の負担の割合を考えても、社会保険料でまかなっているのは約6割、残りの4割がなんと税金です。

これは日本の大きな政府の特徴です。

これを真似して「アメリカの日本化」をやろうとしたのが、オバマ政権だったわけです。

それに反対したのが、最初にお話したティーパーティー運動でした

ティーパーティー運動で多くの人たちが反対した理由が、自分たちが働いて稼いだお金が政府によって強制的に召し上げられ、働かない人たちの生活保護に使われ、自分たちの自由が奪われるということです。

社会保障を税金でまかなうと過去にやった国がイギリスです。

「ゆりかごから墓場まで」と、一生を政府が税金で面倒を見るとやった結果どうなったか。

イギリス病っていう病気にかかりました。

国家が完全に衰退し、この病気から回復するまでにものすごい時間がかかりました。

このように、社会保障を税でまかなって発展した国は過去に一つもなく、この構図によって、今の日本は発展が止まっているわけです。

◆大企業が知り尽くしている「税の抜け穴」
消費税について、れいわ新選組の山本太郎氏は「消費税は廃止すべき」といっており、それについては正しいですが、「その分を金持ちと大企業から取れ」と言っています。

法人税を所得税と同じような累進課税にして、大企業からはたくさん取ると主張されていますが、基本的に大企業は税率通りに払いません。

なぜかというと「税の抜け穴」があるからです。

どの国でも大企業はそれをよく知っており、「税の抜け穴」を使って、合法的に税金を払わないようにしています。

例えば、アメリカで利益を上げている日本の輸出企業が、北米市場で上げた利益を日本で払っているかと言うとそうではありません。

アメリカの現地法人がその収入を得て、配当金として日本の本社に利益を返しますが、配当金は非課税です。

こうしたルールを大企業のために作っているのが今の日本政府です

法人税率は関係なく、日本で税金を払わなくて済むような構図をいっぱい作っています。
◆れいわ新選組の主張は中国共産党と同じ


私自身、ウォール街の金融業界で勤めていましたが、大企業が真面目に法人税率を払うのを見たことはありません。

ですから、お金持ちや大企業から取ればいいというのは、現実的ではないのですが、実際にこれをやっている国が中国です。

中国で成功した起業家やお金持ちが増え、彼らからどんどん税金を取ろうとしているのが、今の中国政府であり、
それを嫌がって、彼らは国外にどんどん逃げています。

つまりれいわ新選組が主張する「消費税は廃止すべきで、その分をお金持ちと大企業から取るべき」という発想は、中国共産党と全く一緒というわけです。

皆さんに知って頂きたいのは、日本は本物の社会主義国家だということです。

社会主義とは、一生懸命働こうが、全然働かなかろうが、「政府が国民みんなの面倒を一生みるよ」「そのためにはその税金ですべてのお金を賄うよ」というものです。

ここに日本の経済が発展しなくなった根本的な問題があります。
◆「日本版トランプ減税」の中身

社会主義的な経済政策をやめて、「日本版トランプ減税」を行うことです。

オバマ政権がやった社会主義的な政策によって、アメリカ経済が疲弊する中、トランプ大統領は徹底した「大減税」によって、アメリカ国民のポケットに現金(キャッシュ)を増やしました。

まずは「所得税の大減税」によって、個人の使えるお金を大幅に増やしました。

その結果、アメリカの消費景気が盛り上がり、株価は史上最高値を更新し、経済成長率は驚異の3%を超えました。

ただ日本とアメリカの事情は若干異なり、日本人が払っている広義の税金としては、消費税や所得税よりも社会保険料がはるかに多い点です。

この社会保険の構造自体を変革する必要があり、これが日本版トランプ減税の中身にあたります。
◆根本的に改めるべき税金と保険料に関する考え方

もちろん、所得税や法人税の税率も下げるべきで、その際に、大事なのは前述した「税の抜け穴」を防ぐことです。

そして、「税の抜け穴」をなくす代わりに、税率は下げるのです。

払うべき税金は払い、海外で稼いできたら、その分は日本で払うのが、日本の企業としての貢献であり、使命であると思います。

ただ税率を下げる減税をするだけではなく、企業も日本人も根本的な考え方を変えるべきで、社会保障に消費税を使うことはやめるべきなのです。

年金を「積立式」で運用して増やすものにすれば、税金をつぎ込む必要もなく、今取られている社会保障を半分くらいにだって減らせるはずです。