「ユーロ」の行く末――ギリシャからイタリアへ[HRPニュースファイル1917]
http://hrp-newsfile.jp/2018/34
HS政経塾 第7期生 安原 宏史(やすはら ひろし)
◆イタリア発の経済混乱
2018年3月4日。イタリアの総選挙で与党民主党が惨敗、コメ
両政党ともEU懐疑派です。新首相のコンテ氏は、内閣発足時の所
結果、急激なイタリア国債売りが進み、金利が急上昇、市場が混乱
◆欧州危機のからくり
イタリアの経済危機はどう発生し、どう波及するのでしょうか。そ
イタリアはギリシャの約10倍のGDP(約210兆円、2017
金融危機対応のための欧州システムであるESM(欧州安定メカニ
国債の金利が7%近くなると、いわゆるジャンク債(紙切れ)扱い
国債は売られる一方で資金調達の術なく、破産状態に陥ります。こ
◆ユーロ圏の抱える「構造的な問題」―為替変動と各国経済の乖
ギリシャ、イタリア、スペイン、フランスなどの南欧では、財政赤
この財政規律達成のためにも、国内産業育成による経済成長が必要
しかし問題なのが共通通貨ユーロというシステムです。共通通貨ユ
通常、各国の経済の強さに応じて為替は変動しますが、ユーロ圏各
ドイツのような経済強国では、本来の為替より低く推移し、ギリシ
ドイツは輸出に有利、ギリシャは輸出に不利だと言えます。発展途
◆ユーロ圏の抱える「構造的な問題」―
また、金融政策は統一にも関わらず、財政政策が各国独自である点
ただバラバラといってもルールはあり、ユーロ圏は財政面でも厳し
しかし結果として、減税や公共投資なども絞られ、有効需要の創出
◆ヨーロッパ合衆国構想とユーロ圏の行く末
ただ、もしユーロ圏が金融・財政政策とも均一であれば、この危機
つまり、ユーロ圏の各国が日本の都道府県やアメリカの州のような
ただ、そのためには財政政策の決定権等を中央に移譲せねばならず
思うに、EUの前身であるECができた時に英国首相サッチャーが
結局ユーロ圏がユーロ圏である限り、改革不能な問題をはらみ続け
それは、(1)危機は構造上の問題 (2)EU合衆国実現の見通しも限りなく厳しい、ということから
【参考文献】
白井さゆり2011「ユーロ・リスク」
藤原章生2010「ギリシャ危機の真実 ルポ『破綻』国家を行く」
※1日本経済新聞2018年6月5日「イタリア新首相『我々はポ
https://www.nikkei.com/article
※2世界銀行データバンク
https://data.worldbank.org/ind
※3IMFデータバンク
http://www.imf.org/external/pu
※4大川隆法著「サッチャーのスピリチュアル・メッセージ」9「
https://www.irhpress.co.jp/pro
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