春の魁(さきがけ)、伊那に咲く。

皆様、本日もお疲れ様でございます。

 私、本日は公務の移動中、あまりの衝撃に足を止め、思わず居住まいを正してしまいました。

 

見てください、この写真を。 

 

信州・伊那市、まだ空気は肌を刺すような冷たさを孕(はら)んでおります。

 それなのに、、、咲いているではありませんか。

厳冬に耐え、一番に咲く矜持(きょうじ)

                            ※自分の能力を信じていだく誇り。プライド。

                        

この寒空の下、誰に頼まれたわけでもなく、ただ己の天命を全うしようと蕾を解くその姿。 

 

 周囲の木々がまだ冬の眠りの中にあるというのに、この一本だけが、まるで「春は私が連れてくるのだ」と言わんばかりの気概を見せております。

 

「浅ましき 冬の居残(いのこ)り 撥ね退けて 独り誠を 咲かす桜かな」

まだ冬の衣を脱ぎ捨てぬ浅ましい寒風の中、周囲に流されることなく、ただ独り誠(まこと)を貫いて咲くその姿。

周囲の木々が日和見(ひよりみ)を決め込む中、この一木(いちぼく)だけが筋を通し、春の先陣を切る。

 

曲がったことは嫌いですが、この桜の枝ぶりの如き「真っ直ぐな志」には、心からの敬意を表する次第です。

 

「桜(さくら)が咲くのを、首を長くして待っていたら

私の首が『桜島(さくらじま)』の火山のように熱くなってしまいましたよ。」

 

季節の移ろいと人情

 三月の凍てつく風に揺れる薄桃色の花びらは、まるで寒さに震えながらも、道行く人々を励ましているようです。

 

 季節の変わり目は、どうしてこうも人の心を揺さぶるのでしょうか。

 

未だ見ぬ春

 去りゆく冬への哀愁と、期待。その狭間で、この一番桜は孤独に、しかし力強く立っています。

 伊那の春は、この小さな蕾から、確実に出発しております。

 

我々も

基礎を固め、地を均し、誰にも見えぬ場所で「筋」を通す。 そのひたむきな姿は、この寒空に独り咲く桜。

 

土木の仕事とは、人知れず地面を掘り、石を据え、万人が安心して通れる道を盤石に築くこと。 

いわば、世の礎(いしずえ)を創る孤独な闘いでございます。

 

この一番桜も同じ。 凍てついた硬い土を根で抱え、誰よりも早く春の兆しを「着工」し、我々に希望の道を示してくれている。 周囲がまだ「設計段階」で足踏みしている中、独り「竣工」を急ぐその潔さ。

土木に生きる者として、この桜に感化され、明日も頑張りましょうではありませんか。

皆様も、ふと足を止めてみてください。 そこには、真実(まこと)の春が宿っているはずです。