AMH(抗ミュラー管ホルモン)を測定する機会が増えています。

 ネット情報や他の病院で「卵巣年齢」が分かると聞いた、とおっしゃる患者さんもよくいらっしゃいます。

 しかしこれが間違いであることはこのブログの「不妊治療の嘘(1)」でも書きました。

 AMHはあくまでも「卵巣に残っている卵子の数」の目安であり、これは確かに体外受精などでの排卵誘発の方法を考える上で役に立つ情報です。

 ただし「卵子の質」や「卵巣年齢」の評価には使えないということを知っておかなければなりません。

 

 今回、平成27〜28年度「日本産科婦人科学会生殖内分泌委員会」が「AMHの測定に関する留意事項」を報告しました。

  1. AMHは卵子の質とは関連しない。
  2. 個人差が大きく「卵巣年齢」の推定はできない。
  3. 「妊娠できる可能性」は判定できない。
  4. 測定値が低い場合でも「閉経が早い」という断定はできない。
 これは日頃から私が患者さんに説明している通りの内容で、納得できる報告です。