(12) 子宮内膜が薄いと着床しない 矢印 straycats

 受精卵は子宮の内側を覆う膜(子宮内膜)に着床して妊娠します。子宮内膜は排卵日に向けて女性ホルモン(主にエストロゲン)の作用で厚くなり、排卵後は女性ホルモン(主にプロゲステロン)の作用で着床しやすい状態に変わり、着床しなかった場合はエストロゲンとプロゲステロンが減ることによって月経として剥がれ落ちて薄くなります。

 内膜の厚さは測る時期によって異なります。個人差がありますが、平均的には月経時は3mm以下、排卵の頃は10mmぐらいで、妊娠確認できる頃からは更に厚くなります。

 では子宮内膜が薄いと着床しないのでしょうか? 必ずしもそうではありません。当院では子宮内膜の厚さが3mmでも妊娠された方がいらっしゃいます。しかし統計的には確かに7mm以下では妊娠率が低くなります。その人の普段の状態と比べて明らかに薄いような場合は着床しにくいと言えるでしょう。

 しかしここで一つ驚くべき事実が存在します。それは子宮外妊娠の存在です。子宮外妊娠では子宮内膜が無い場所に着床しています。つまり子宮内膜は着床の必須条件ではないということです。

 一方、子宮内膜が厚い方が着床しやすいのでしょうか? そうとも言えません。卵巣刺激ホルモンの注射などをしていないにも関わらず厚くなりすぎている場合は逆に着床しにくいです。そのような時は、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど子宮に何らかの異常がある可能性も考えなくてはいけません。

これは本当 右 子宮内膜が薄くても着床する場合があるが、一般的には薄すぎたり厚すぎる場合は着床しにくい。