(9) 排卵したかどうかは検査すれば分かる 矢印 straycats

 基礎体温が高温期になっているから排卵したと言ってよいでしょうか? そうとは限りません。基礎体温が高温期になれば「排卵していることが多い」のですが、基礎体温が低温期のままで排卵していることもありますし、高温期でも排卵していないこともあります。

 血液検査でホルモンを調べれば分かるでしょうか? たしかに排卵すると黄体ホルモン(プロゲステロン)というホルモンが作られます。プロゲステロンが高くなれば排卵している可能性が高いです。しかしこれもまた排卵せずに高くなることもあります。たとえば黄体化未破裂卵胞というものは、排卵しないまま卵胞が残ってしまい、その卵胞の中で排卵後のようにプロゲステロンが作られている状態です。

 超音波検査をすれば分かるでしょうか? 超音波検査をすれば卵胞が見えますし、大きくなった卵胞が小さくなったら排卵しただろうということが分かります。しかし見えるのはあくまでも卵子の入れ物であるところの「卵胞」であって「卵子」自体ではありません。

 排卵とは本来、卵胞が破れることではなく、卵子が卵胞から飛び出すことです。体外受精でよくあることですが、卵胞を穿刺して中身を取り出したら空っぽだったということがあります。空胞とよばれるものです。空胞でもプロゲステロンは作られますし基礎体温が高温期になります。もし超音波で観察していた卵胞が空胞だったら、それが排卵したとしても中身がないので正確には排卵とは言えません。

 排卵したことが確実になるのは、妊娠した時ということになります。逆に、妊娠しなかった時には排卵したけど妊娠しなかったのか、それとも排卵してなかったのかは正確には分からないということになります。しかし超音波検査をしたり、採血をしたりすれば、かなり高い確率で「排卵しただろう」と言うことはできます。ただしそれでも、空胞のような例外があるのだということを知っておいてもいいでしょう。

これは本当 右 排卵したのかどうかを100%判断できる検査は存在しない。