シリーズ「不妊治療の嘘」（５）

(5) 性交の後に精液が出てくるので妊娠しにくい　　嘘

「セックスの後に精液が出てきちゃうんですが…」という質問を受けることがあります。よく勘違いされていることですが、実は、射精された精液は一滴たりとも子宮の中に入ることはありません。

　もし精液が子宮の中に入ってしまうのなら、お風呂に入るたびにお湯が子宮の中に入ってしまうことになります。子宮は頸管という狭い管と、そこにある粘液で蓋がされています。子宮の中に入るのは「精液」ではなく「精子」です。膣の奥に射精された精液から、精子という目に見えない細胞だけが、頸管粘液の中を泳ぎ上がっていくのです。

　ですから精液自体は膣に残ります。膣は消化吸収する器官ではないですから、精液はすべて外に出てきます。すぐに出てくるか、後から出てくるかの違いはありますけれど。もしも精液が出てこないなら、射精していないか、射精された量が少なすぎて分からなかったか、帯下と混ざって精液と思わなかったかのどれかでしょう。ただしペニスがほとんど挿入できずに、膣の奥の方ではなく入り口で射精された場合は、精子が子宮に泳ぎ上がって行く間もなく、射精直後に精液がすべて出てしまうことはあると思います。

これは本当　　性交の後しばらくしてから精液が出てくるのはあたりまえ。それで妊娠しないということはない。