(6) 体外受精の採卵はとても痛い 矢印 straycats

 体外受精で卵巣から卵子を取り出すことを採卵と言います。卵巣は皆さんが思っているよりもずっと下の方にあって、膣の突き当たりの正面に子宮、その両脇に卵巣があります。つまり卵巣は膣と皮一枚隔てた場所にあるわけです。ここに針を刺して、水の入った風船のように膨らんだ卵胞から、卵子の入った卵胞液を吸い出すことで卵子を回収します。それはあたかも、皮膚という皮一枚隔てた場所にある血管に針を刺して血液を吸い出す行為、つまり採血と同じようなものです。採血は痛いですよね? ですから採卵も痛いです。採血と同じぐらいに。でも皆さん、採血するときに麻酔しますか? 麻酔しなければならないほど痛くないし麻酔の方が危険なので採血の時に麻酔をすることはありません。それと同じように、採卵の時は麻酔は必須ではありません。特に熟練した医師が短時間で細い針を使って採卵する場合は、あまり痛くないし、麻酔をするよりもよほど安全です。当院では20年以上も体外受精の第一線で仕事を続けてきた私が、とても細い針を使って、実質3分ほどの短時間で行いますし、さらに採卵前の診察の時に「スプレータイプの麻酔薬を膣の奥にふりかけておく」ので、それ以上の麻酔は必要ありません(そうでない病院ー医師が複数いるなどで熟練した医師だけではない、太い針を使う、時間がかかるーでは寝てしまうような麻酔をする場合があります。その場合は麻酔担当医師がもう一人必要ですし入院する場合もあります)。

これは本当 右 体外受精の採卵は、採血と同じ程度には痛い。