毎日新聞輝け川都入選作品

魔法解け王子はただのガマガエル

(笑)
恋の魔法が解けてしまったら、あら、何でこんな人をあんなに恋い焦がれていたんだろうってこと、有るかも!

付き合った当時は、お互いに思い遣りいたわり合っています。それが年月が経つにつれ、日常に胡座をかき、日々を当然と思い、大切に思い合えなくなってしまいます。なんて哀しいことでしょう。

魔法を解いてしまったのは、むしろ、相手をガマガエルに変えてしまったのは、自分自身だったかもしれません。

おごりや、傲慢さに気付き、自分があんなに好きだった人をもう一度大切に思うべきだと思います。綺麗事かもしれません。でも、綺麗事も本気で達成すれば、それは現実になるのです。
黒は純粋にただ相手を愛そうとしても、どうしても相手を黒く染めてしまう。傷付けずには愛せない。

純白な白に憧れ、愛したくて、思わず触れてしまえば、その黒に相手が染まってしまう。

黒の哀しみと孤独。白のひたむきさと孤独。

そういう事を思って作りました。


第23回 杉野土佐一賞 入選作品
ただ黒は白を愛したかっただけ

こんな話を聞いたことがあります。

カエルとサソリの話。

川を渡りたくてサソリがカエルに、その背中にサソリを乗せて川を渡らせて欲しいとお願いします。
カエルは刺されるのが嫌なので断ります。
でも、サソリは、大丈夫、僕たちは友達だから刺さないと約束し、カエルの背中に乗せてもらいます。
川の半ばにたどり着いた頃、サソリはやっぱり刺したい衝動を抑えきれずにカエルを刺してしまいます。
カエルは毒が回ってサソリと一緒に沈んでいきます。
「どうして君は刺したんだ?」
「だって、僕はサソリだから」


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逆らえない哀しいサガのお話。ドラキュラと人間。狼男と人間。そんな報われない哀しみ

そんな事を思って作った句でした。

毎日新聞万能川柳、100点招待席にて。

「咲き誇るソメイヨシノは実を付けず」智鈴

ソメイヨシノは全て一本の木から広がったそうです。だから全部自分のコピー。自家受粉になってしまうので実を付けません。

言うなれば、生産性はありません。


それでも!日本中の人々が、桜に心を寄せ、桜を愛し、酔いしれ、お花見をしたりしています。そのことに、意味がないと言えるでしょうか?


「LUCY」という映画で、生物学者がこんなことを言っていました。種が繁栄する時に、個々の事情は関係ない。全体としてその種が繁栄していけば良い。それがDNAを残して行く生物としての戦略だ、と。


「子孫を残すこと」のみに命の意味を求めるならば、繁殖しない、できないものは全て無意味になります。子供も、適齢期を過ぎた人も、何らかの事情で子供を持てない人も、老人も、みんな要らないことになってしまいます。


だけど!違います!


繁殖しない誰かの作った歌が、繁殖組(笑)の誰かを力付けるかもしれません。繁殖しない誰かの作った小説や漫画や映画が、繁殖組のパワーになるかもしれません。直接子育てに関わる人もいれば、そうやって間接的に関わる人もいるのです。それでも良いと思っています。それが、社会貢献ではないでしょうか?


桜は今年も咲くでしょう。そしてただ、散っていきます。桜は毎年、人間に、生きるということの意味を問いかけているのかもしれませんね。


毎日新聞万能川柳入選作品

「安倍夫妻だって子供は居ませんが」智鈴