毎日新聞万能川柳、100点招待席にて。

「咲き誇るソメイヨシノは実を付けず」智鈴

ソメイヨシノは全て一本の木から広がったそうです。だから全部自分のコピー。自家受粉になってしまうので実を付けません。

言うなれば、生産性はありません。


それでも!日本中の人々が、桜に心を寄せ、桜を愛し、酔いしれ、お花見をしたりしています。そのことに、意味がないと言えるでしょうか?


「LUCY」という映画で、生物学者がこんなことを言っていました。種が繁栄する時に、個々の事情は関係ない。全体としてその種が繁栄していけば良い。それがDNAを残して行く生物としての戦略だ、と。


「子孫を残すこと」のみに命の意味を求めるならば、繁殖しない、できないものは全て無意味になります。子供も、適齢期を過ぎた人も、何らかの事情で子供を持てない人も、老人も、みんな要らないことになってしまいます。


だけど!違います!


繁殖しない誰かの作った歌が、繁殖組(笑)の誰かを力付けるかもしれません。繁殖しない誰かの作った小説や漫画や映画が、繁殖組のパワーになるかもしれません。直接子育てに関わる人もいれば、そうやって間接的に関わる人もいるのです。それでも良いと思っています。それが、社会貢献ではないでしょうか?


桜は今年も咲くでしょう。そしてただ、散っていきます。桜は毎年、人間に、生きるということの意味を問いかけているのかもしれませんね。


毎日新聞万能川柳入選作品

「安倍夫妻だって子供は居ませんが」智鈴