モンゴル南部に暮らすその遊牧民一家は、四世代が一緒に生活する大家族。厳しい冬が過ぎ、ようやく暖かな春となり、らくだの群れは出産の時期を迎える。家族も一段と忙しくなる。そんな中、今回が初産となる一頭の若い母らくだが大変な難産の末、白い子らくだを産み落とす。しかし、この母らくだは生まれたばかりの子らくだが乳を欲しがっても決してあげようとはしない。難産のショックから育児拒否をしてしまったのだ。このままでは子らくだの命はもたない。心配した一家は、伝説の音楽療法を行なうため、遠い町から馬頭琴の演奏家を連れてくるのだった。
- 前ページ
- 次ページ
モンゴル南部に暮らすその遊牧民一家は、四世代が一緒に生活する大家族。厳しい冬が過ぎ、ようやく暖かな春となり、らくだの群れは出産の時期を迎える。家族も一段と忙しくなる。そんな中、今回が初産となる一頭の若い母らくだが大変な難産の末、白い子らくだを産み落とす。しかし、この母らくだは生まれたばかりの子らくだが乳を欲しがっても決してあげようとはしない。難産のショックから育児拒否をしてしまったのだ。このままでは子らくだの命はもたない。心配した一家は、伝説の音楽療法を行なうため、遠い町から馬頭琴の演奏家を連れてくるのだった。
全米で予想を超える大ヒットを記録し、その過激な内容で数々の訴訟問題を引き起こし、果ては国際問題にも発展するなど一大センセーションを巻き起こした話題のコメディ・ドキュメンタリー。イギリスの人気コメディアン、サシャ・バロン・コーエン扮する主人公ボラットは、彼のTVショー「Da Ali G Show」の中の人気キャラクターで、カザフスタン国営テレビの看板レポーターという設定。本作ではそのボラットが、“祖国”カザフスタンの発展のためにアメリカの文化を学び、カザフスタン国民へ向けてレポートすると称して、事情を知らない善良なアメリカ市民に突撃取材を敢行、各地で大騒動を巻き起こしていく一部始終がゲリラスタイルの撮影でフィルムに収められていく。バロン・コーエン自身がユダヤ系であることを逆手に取った過激な人種差別ネタからバカバカしい下ネタまで、笑いのためには危険も顧みないコメディアン魂を発揮しつつ、取材される人々の偽善の裏に潜む本音を暴き出して巧妙な文明批評も展開していく。
目を疑うような奇妙な現実を突きつけられしどろもどろするうち、とてもポジティヴな気持ちで、この映画のフィクション部分を受け止めていた。WRことウィルヘルム・ライヒはオーストリアの性科学者でナチに追われ、アメリカに亡命。“個人の肉体的解放のない所に社会の真の解放はない”と唱え、そこでも白眼視された。折しも赤狩りの時代。かつて共産党に関係し、ソ連に招かれたことを理由に、この破天荒な宇宙エネルギーと性革命の理論は曲解され、著書は発禁、彼自身も入獄、そのまま還らぬ人となった。60年代後半になり、ようやくヒッピーや新左翼層を中心に親しまれ、彼の思想は一般に流布するようになる。そうした現代のリポートに先述のドラマ(と言っても彼 の理論を実践しようとする女性のえせドキュメント風なのだが)を投げ込んで、マカヴェイエフ一流のエロチックなイメージで綴じあわせていく。ライヒとマカヴェイエフ、この二大奇才を世界に認知させた強力な精力剤のような映画。