すーさんカラオケ育成プログラム3rd | 森の滑り台

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20XX年、人間とロボットが共に生きる時代。人工知能を兼ね備えたロボットは、見た目は人間と見分けがつかなくなり、感情すら有していた。彼らのプログラムにはプロテクトがかかっていて、それによって彼らは犯罪ができないようになっていた。ロボット犯罪専門の刑事である俺は、プログラムによって自らの身を充分に守れないロボットをいいように利用する醜悪な人間をたくさん見てきた。だが、近頃妙な噂を聞いた。詳細は不明だが、あるプログラムに感染したロボットによって人が殺されたらしい。そのプログラムの名は



「すーさんカラオケ育成プログラム」



前回の続き。



ほんとのところ全くすーさんとカラオケに行く気が無い我々は、もはや慣例としてすーさんをカラオケに誘っていた。彼はその誘いを無下にする。まるで水と油だ。我々と彼は決して相容れないのだろうか?我々はカラオケに対してではなく、単にすーさんへの知的好奇心としてカラオケに行かせる方法を探っていた。そんな我々を、人の嫌がることをして最低だと批判する声もあった。だが我々はただ知りたいだけなのだ。友達の遊びの誘いをそうまでして頑なに拒絶する理由、その正体を。

我々は必死に考えた。そしてある推論に至る。

ヒントは彼の好きなもの、魔法使いと黒猫のウィズだ。魔法使いと黒猫のウィズは、クイズに答えてダンジョンを攻略し、キャラクター、もといかわいい女の子を育成し、進化させるゲームだ。この解釈に異論はあるかもしれないが、とりあえずここではそういうことにしておいて欲しい。やぶきは彼に聞いた。「すーさんは女の子を育てたくてクイズに答えてるの?」すーさんは戸惑っていたが、彼なりの返答をしてくれた。「そうかもしれない。バズドラをすぐにやめたのはかわいい子がいなかったからかも」つまり、すーさんはかわいい女の子のためなら一肌脱ぐ男なのだ。

このとき得たキーワードは「女の子を育てること」だ。つまり、すーさんをカラオケに行かせるには、「カラオケに行くことによって女の子が育つこと」が求められる。そして我々が得た結論は「カラオケをコンプレックスに感じてるかわいい女の子と一緒に行かせる」ことだった。これならすーさんでも楽しくカラオケができるだろう。女の子を育て終えた頃にはきっとカラオケにも慣れて、俺たちとも行ってくれるはずだ。でも、肝心の女の子はいない。だから俺たちは探すのだ。すーさんをカラオケに導く聖母を。一緒に合コンに行って。



俺たちの合コンはこれからだ!