夜、倉庫、張り込んでいる臨海署強行犯係安積班メンバー
安積剛志（寺脇康文）係長、村雨秋彦（武田真治）、水野真帆（真飛聖）、須田三郎（松尾諭）、黒木和也（水田航生）、桜井太一郎（堀井新太）
水野が班長に聞く “これって生活安全課の仕事ですよね、何故私たちが駆り出されるんですか” “向こうも手一杯なんだ、助け合えばいい”
四人が密輸品を移し替えている 突入し全員逮捕、生活安全課に引き渡す
ライブハウス「ETUDE」、テーブル席で一人ワインを飲む女性、
腕時計を見て立ち上がる
■喉を押さえて苦しがり倒れる
安積に連絡、“管内のクラブで死者が出た
”もうひと頑張り“、と安積
被害者は藤井幸子（山田桃子）、クラブホステス、青酸カリによる中毒死のようだ
ワインに毒物か、被害者は21時頃一人で来店、テーブル席に一人でいた 初めて見る顔だった、と従業員
グラスからも青酸カリが検出された
捜査会議、指揮をとるのは警視庁捜査一課の荻野照雄（加藤雅也）係長
同じような事件が連続して発生している
六本木 9月03日 町屋優実 29歳 カクテル
池袋 9月20日 相田加奈子 24歳 ビール
品川 10月03日 藤井幸子 35歳 ワイン
同一犯による無差別殺人の可能性が高い
昨夜ほとんど寝ていない桜井が欠伸をするのを咎める荻野
荻野は、ライブハウスにいた人物の身元を洗うことを指示するが、安積は、被害者の身元を洗うことも必要だ、と発言する
荻野は反発する 間に立つ臨海署刑事課長の町田（村松利史）がおろおろする
村雨と桜井が被害者 藤井幸子の勤務先 クラブ「ラビリンス」で事情聴取
《店長及び同僚ホステスの話》 藤井幸子は10年前からこの店で働き出した 昨日はいつもと違い、突然、昼になって休む連絡をしてきた “騒がしい場所は苦手だ”、と言っていた 付き合っている人がいる、と言っていたが、どんな人かは教えてくれなかった
藤井幸子のマンションの家宅捜索、男の影は無かった 管理人の話では、差出人不明の花束が届けられたり、ストーカーに追いかけられたりしていた 近所の交番にも相談していた
安積に電話、娘の涼子（須藤茉麻）からだった もうすぐ涼子の誕生日、食事の確認だった 安積は離婚しているようだ
須田は、同じ日同時刻に起こった殺人事件が気になっている 安積は、須田の感性を買っている
荻窪中央署管内で発生した殺人事件、被害者は池波昌三（弓削智久）45歳、ニシダ総合建設社員、“ニシダ総合建設”、ライブハウスにも同社社員がいた 久保田泉美（三津谷葉子）
荻窪中央署を訪ねる安積と水野、担当の峯岸誠（長谷川初範）係長に話を聞く
事件は一昨日の22時半頃発生、犯行現場は自宅マンション、金目のものが盗まれていた
遺体は玄関の傍、争った跡はなかった 妻とは離婚話で揉めていたようだ
安積と水野はニシダ総合建設へ、久保田泉美に会う 泉美は新規事業部の室長だった
ライブハウスには常連ではないがたまに行く、と言う 学生時代の友人と一緒だった 特に気になることはなかった
村雨と桜井は、「ラビリンス」に花を納入している花屋を訪ねる 店員の福田達也（市原洋）の様子がおかしい 刑事と聞いて突然逃げ出す 連行して話を聞く
花を送っていた男だった ストーカーだった あの日も、幸子が休んでいると聞いてマンションから後をつけ、ライブハウスまで行った 彼女は時計ばかり気にしていた
一週間前、彼女が待ち合わせしていて車に乗り込むところを目撃していた
須田と黒木は、藤井幸子が会社員時代の友人から話を聞く
付き合っている相手が誰かは教えてもらえなかったが、子供を見て、“産むならそろそろかな”、と呟いていた
福田達也が、藤井幸子が車に乗り込むところを見た場所、防犯カメラがあった 男の身元が分かった、と村雨
菅野由雄（東根作寿英）、財務省の中堅官僚、今はIR推進室に出向中 一度ラビリンスを利用したことはある 菅野は独身だった
荻野は、当日ライブハウスにいた人物の中から、藤井幸子に声をかけた、元暴走族の木梨健次（松本岳）を連行し締め上げている しかし木梨は黙秘している 隣室から取り調べを見た安積は、木梨が働いている長澤板金を訪ねる
何故任意同行なのに解放されないのか、長澤美香（宮下かな子）が抗議する 木梨には前科があり、強引に連れていかれたと言う
声をかけたのは友人に頼まれたから、今は真面目に働いている
IR候補地を視察する衆議院議員の小田泰明（袴田吉彦）、菅野が随行している
そこに村雨と桜井、藤井幸子と菅野が車に乗っている写真を見せる 菅野は、口止めして何が悪い、と開き直る
黙秘している木梨をいたぶる荻野、安積が止め、解放させる
何故そこまでするのか聞く
荻野は、ワインを運んだウエイターの中島浩幸（石垣佑磨）を疑っていた 中島と木梨は顔見知りなので、木梨を痛めつければ中島について何か話すのではないかと思ってやっていた、と言う
中島は警察に監視されていることを知り慌てだす
何者かに連絡し、金を受け取る “一生面倒見てもらう”、と言う
久保田泉美の調査結果を水野が報告する 若くして重職に抜擢され、上からの信頼も厚い 一方、仕事には厳しい 特に女性に対しては、妊娠すると容赦なく異動させる 浮いた話はない
菅野は先月、上司の娘と見合いしその後付き合っている
■中島が死んでいる 青酸カリによる中毒死 おそらく自殺だ、と荻野 店長あてのメールに、池袋と今回の事件は自分がやった、と書かれていた アパートからは青酸カリが見つかっている 被疑者死亡、荻野が言い放つ 安積は納得できない
須田が、漫画を、歴史小説のカバーで偽装しているのを水野が見て、はやし立てる
村雨が閃く 菅野は誰かのダミーだったのではないか 正体を知られたくない人物
水野は、再度、藤井幸子のPCを調べる 豪華な料理の写真を多数記録している マカオ土産の写真もある
押収したビデオレコーダー、ニュースが残されていた
中に、小田泰明のマカオ視察、父親が元副総理の二世議員だった この相手なら、頑なに隠していたことも納得できる
載っている料理を提供したレストラン、予約者リスト、明かすことを渋るレストランのギャルソン、強引に見る 菅野の名前はあるが小田の名前はない 小田の名前を出すと困惑して黙る
一件、菅野の名がない事例 料理と合致するのは赤井智（増田修一朗）、経営コンサルタント、三名で予約している 小田、赤井、もう一人は藤井幸子
安積は、村雨と桜井に事件当夜の小田のアリバイを、須田と黒木には赤井を当たらせる
木梨が安積に連絡をとってきた 長澤美香に伴われて安積と会う
木梨は目撃していた あの日、店内で中島が女から何かを渡されているところを 暗くて顔は分からなかったが、服装から30歳前後
中島は木梨の連れの友達だった 前に会ったことがある 新宿の闇カジノ「レッドエンペラー」で客に酒を運んでいた
安積は久保田泉美に直撃する 店で中島に青酸カリを渡したのはあなたではないか 動揺もせず、馬鹿らしいとばかりに席を立つ泉美
さらに、先日、泉美に妊娠を知られ部署を移された松永葉月（島村みやこ）に話を聞く
妊娠した女性を問答無用で異動させる泉美をどう思っているのか…
赤井を監視していた須田、赤井が泉美と接触するのを確認する
安積の謎の行動、一人で闇カジノに乗り込む
オーナーの中国人 赤シャツ（森里一大）とは旧知の仲のようだ
中島と泉美の写真を見せる 知らぬふりをする赤シャツ
しかし、好物の土産のケーキを食べ、口を開く
泉美が中島を引き抜いた、と言う
泉美と中島はマカオのカジノで知り合ったと言っていた 泉美は中島の紹介でここを利用するようになった 連れてきたのは、小田泰明、赤井智、そしてもう一人、中国最大手のゲームソフトメーカーの役員
赤井はIR誘致の情報を中国に流し利益を得ていた 一部は小田に還流しているのだろう
おそらく、藤井幸子は、小田の不正を知り脅迫したために殺されたのではないか
しかし、殺害動機のある小田はライブハウスに行っていない
おそらく泉美が中島を使って殺した しかし、人殺しまでする動機が理解できない
荻窪中央署の峯岸が情報を持ってきた 殺された池波は、クラウド上に妙なものを残していた 巨額の接待の多くの領収書、経理部長だった池波、領収書の提出者は同一人物だった
事件には大きな裏があることを認めようとしない荻野
しかし、池袋の事件の犯人が捕まった 中島ではなかった
安積は荻野に協力を求める
そして、小田と藤井幸子の関係、小田が利用したハイヤーのドライブレコーダーに二人の姿が残っていた
小田の逮捕状が執行された “私は彼女を殺していない”
久保田泉美にも逮捕状、“私には藤井幸子を殺す動機がない”
《まとめ》きっかけは小田が幸子に脅迫され結婚を迫られたこと 一方、泉美は、経理部長の池波に不正の証拠を突きつけられ、築き上げた地位を追われそうになっていた
交換殺人は泉美が提案した
何が泉美に、殺人という一線を越えさせたのか
池波と泉美はかつて不倫の関係にあった 結婚を約束していた池波、しかし泉美が妊娠すると堕胎を迫った 手術の所為で子供が産めない体になってしまった泉美は必死に働き、今の地位を得た にもかかわらず、池波は、その地位まで奪おうとした 許せなかった