■夜、公園、強請る女が刺殺される
朝、捜査一課 高村管理官（佐戸井けん太）臨場、生田刑事（猪狩賢二）が迎える
被害者は足立苑子（中村綾）40歳、鋭利な刃物で胸を一突き
コインロッカーの鍵を持っていた コインロッカーにカバン、札束と頭蓋骨が入っていた
城徳大学で講義している岬久美子（大塚寧々）、聴講する学生の中に徳田楓（仲村瑠璃亜）と江成文香（寺島咲）がいる
現場資料班の守屋直樹（渋江譲二）が久美子を訪ねて来た
助手の遠藤亜由美（朝倉えりか）と葉山梨香（和季明日香）、先生は部活 柔道部顧問として、烏口下脱臼を起こした部員を手当てする
守屋が久美子を呼びに来た 渋谷のコインロッカーに入っていたカバンに5000万円とともに入っていた頭蓋骨、預け主の女性は殺害されていた
鑑定を始める 頭蓋骨の左側面緑色着色、最大頭外幅138mm、左眼窩孔31mm、死後10年前後経過している 死因は不明 頭部や顔面に怪我を負った形跡なし
男性、縫合や歯の状態から30代半ば（矢状縫合、冠状縫合は年齢とともに消えていき、歯の表面のエナメル質は加齢とともにすり減ってきて象牙質が露出してくる）
鎌倉、足立苑子が2年前からピアノを弾いていたバーに高村と生田、店長の話を聞く 借金に追われていて、ここにも取り立て屋が来ていた
高村が大学にやってきて、徳田楓に足立苑子の写真を見せる 楓は反応し倒れ込む
結婚サービス業の宮内正美（山下容莉枝）とエターナルブーケ作家の徳田恵津子（床嶋佳子） 恵津子に作品のギャラを払う正美
恵津子に電話、“えっ”、驚く恵津子
二人が病院へ、久美子と文香が迎える 楓が過呼吸を起こして倒れた
そこに文香の母 江成由紀乃、気まずい雰囲気が漂う 病室へ向かう恵津子と正美
由紀乃は文香に楓と付き合うのを止めろ、と言っていた “あなたが傍にいると向こうの家にご迷惑がかかるのよ”
“どういうことですか”、と久美子
“楓は10年前に誘拐されたんです”、と文香
江成宅に身代金を要求する電話、楓は文香と間違えられて誘拐された 由紀乃は犯人に指示された通り刑事を撒いて指定された場所にお金を置いた 楓は無事発見されたが心に深い傷を負った
コインロッカーで発見された5000万は、10年前の身代金と番号が一致した
由紀乃は帝都ホテルチェーン創業者一族の娘、夫の勇（冨家規政）を婿養子に迎えた 足立苑子はかつて帝都ホテルのバーでピアノを弾いていたが、勇が断行するリストラで解雇されていた
高村が久美子の所に、10年前、誘拐犯がかけて来た電話の録音を持ってきた これが頭蓋骨の人物の声であるか否かわかるか、という質問 録音された声はかすれ声だった
頭蓋骨だけではわからないと言う久美子の返答に、“役に立たない”、と呟く高村
江成勇によるリストラが事件の背後にあるようだ、との見立てに対し、入手した解雇者リストに足立苑子の名前がなかった 原因は、正社員のみのリストだったこと 契約従業員12名について再調査することになった
高村に役に立たないと言われた久美子は傷ついた 復顔作業しかない ３D画像プログラムに頼らず、手作業での復顔に没頭する久美子
文香は事件の後、危険を避けるためにカナダに行っていた 文香は後悔している 由紀乃、正美、恵津子は親友だったが、誘拐事件の後、恵津子は由紀乃を避けるようになった
《恵津子の話》3人は高校生の時仲良くなった しかし、自分が、そして由紀乃が結婚してから、由紀乃は社長令嬢でありお金持ちであることを感じるようになり劣等感を抱くようになった 楓が小学校に入るとき、公立ではなく無理して文香と同じ私立のお嬢様学校に入れた しかし2年になった時、夫の勤務先が倒産し収入も不安定になったが、転校させなかった その所為で身代わり誘拐される羽目になった
頭蓋骨が緑色になった原因は“ホンモンジゴケ”、雨水が銅の成分を含む場所で生育する
大学に正美がやってきた 復顔像を見せて欲しい 事件を解決し、楓や文香の苦しみを取り除いてやりたい、と言う しかし見覚えはなかった
■新たな白骨遺体が見つかった 解雇者リストを当たっていた捜査員が発見した
平山泰正（本田博太郎）、江成家の先代社長のお抱え運転手だった 75歳、死後1年は経過している 事件性を示す痕跡なし、不整脈の持病があった 孤独死のようだ 中原中也の詩集が枕元にあった 栞が挟んであった “骨”：ホラホラ、これが僕の骨だ 生きていた時の苦労にみちた あのけがらわしい肉を破って、しらじらと雨に洗われ ヌックと出た、骨の尖・・・
カバンから採取された指紋の一つが平山と一致した
10年前の誘拐は頭蓋骨の男、苑子、平山によるグループの犯行か
しかし平山は苑子を殺せない もう一人関わっている
10年前誘拐された場所に楓がいる そこに久美子と娘の真琴（鍋本凪々美） 事件のことを思い出し、事件を解決し終わらせたいが思い出せない
久美子は楓を寿司屋に誘う そこで楓は、犯人が菓子パンを与えたこと、楓のアレルギーのことを知っていたことを思い出す 楓のアレルギーのことを知っている人物は限られる 文香、由紀乃、正美
平山は几帳面な性格だったようだ 領収書などを整理して残していた
例えば平成14年、3か月おきに鎌倉清庵寺駐車場を利用していた
思いつめた様子でお参りしていた、と住職
久美子、守屋、そして加治川（渡辺いっけい）が来ている
その後、坂を上って行き、30分くらいして戻ってくるのが決まりだった
3人も同じ道を歩いて見る 斜面にホンモンジゴケ、人骨があった
高村らにも連絡する 背骨と骨盤から見て30代の男性、頭蓋骨の人物のようだ
レントゲンを撮って調べた 骨粗鬆症だった 若い男性が骨粗鬆症になる原因の一つは副甲状腺機能亢進症、ホルモンが過剰に分泌されることによって骨の中のカルシウムが減少する 副甲状腺を摘出すれば治るが、人によっては、浮腫によって声帯が圧迫され声がかすれることがある 脅迫電話の声の男のようだ
凡そ10年前に副甲状腺の手術を受けていた30代の男性を探した
菅原昭博（KONTA）、昭和42年6月10日生、入院保証人：宮内正美
■宮内正美が亡くなった 転落死、何者かに突き飛ばされた可能性がある
死体検案書を加治川が持ってきて久美子に見せる
外傷による脳挫傷及び後頭部頭蓋骨骨折、左肩鎖関節靭帯断裂
正美が持っていたアルバムにミュージシャンの菅原の写真
スーパーインポーズで一致した
楓が任意同行で警察へ、119番通報者であり、現場でよく似た人物が目撃されていた、と高村
久美子は左肩鎖関節靭帯断裂について考えている 人は倒れる時、利き腕を地面に付こうとする 結果、右利きなら右肩を脱臼し右手に怪我をする 右利きの正美、二人が重なって落ち、相手の重みで脱臼したと考えれば説明がつく その相手も一定のダメージを受ける しかし楓はそのようなダメージを受けていなかった 楓ではない
中原中也の詩集に挟んであった栞、押し花、恵津子と平山に関わりはあるのか
ブックカフェに通っていた平山、店員は平山を覚えていた 返却した本に栞を挟んだまま返却し、探しに来たことがあると言う 大切なものだったようだ 女の子にお詫びとしてもらった、と嬉しそうに話していた
《まとめ》鎌倉清庵寺に、捜査一課の高村、生田、江成夫妻、徳田夫妻を集め、久美子が解題する 人間の骨は生きている限り変化してゆくが、後頭部や額は不可変領域、変化しない
文香の後頭部を触った時、似た感触を思い出した 復顔した菅原と一緒、文香は菅原の子供、久美子は由紀乃に認めさせる
《由紀乃の話》親が決めた結婚、その前に羽目を外したくなった 正美の紹介でアルバイトした時菅原と知り合い恋に落ちた 妊娠し、菅原に駆け落ちを持ち掛けたが断られた
勇と結婚し文香を産んだ 10年前、菅原が現れ脅迫してきた しかし自由になるお金はない 誘拐して身代金を奪うことを提案した しかも楓を身代わりにすることも提案した
恵津子の家庭が羨ましかった 夫にはいつも女がおり、家を留守にすることが多かった 気付かない振りをしていた
誘拐が成功し、身代金を奪ったのにもかかわらず、菅原は再度家に押しかけ、外国への逃走資金を要求した 暴れて、恵津子から貰った押し花の額が割れた 思わずガラス片で胸を刺してしまった そこに来客、平山だった 事態を知った平山は、子供たちが不幸にならないよう、遺体を隠すのを手伝ってくれた
カナダから帰って、菅原の遺体がどうなっているかを確認しに鎌倉にやってきた時、夫の愛人の足立苑子に後をつけられた 数日後、苑子が現れ脅迫してきた 殺してしまった
一方、正美は復顔を見てそれが菅原であることを知った 子供たちが悩んでいる 事実を公表して事件解決を図るよう求めて来た その言い合いを、後をつけていた楓が目撃した
由紀乃は正美を殺そうとしたのではなく、転げ落ちそうになった正美を助けようとして一緒に転落したのだった
1982年7月25日、志賀高原、淨泉女子学園の夏期林間学校、3人は約束していた 30年後、家族ぐるみでまた来よう 正美はその旅行を計画していた
《疑問点》菅原も足立苑子も5000万円を手に入れることができたのに、何故欲をかいて由紀乃を強請ってきたのだろう
文香が、父は裏切った、と言ったが、何を指しているのだろう
《参考》シリーズのリスト
2024.05.16 菅原が隠していた5,000万円、何故見つかったのだろう