京都、五十嵐／江夏冬子邸
朝、江夏冬子（かたせ梨乃）を起こす従姉妹の五十嵐千秋（山村紅葉）
中川真由美（朝加真由美）が子供が描いた絵を見ている “やっと本当のことがわかるわ”、仏壇に手を合わせる 遺影、夫か
チャイム、誰か来たようだ
千秋が作る朝ご飯を食べる冬子、電話、臨場、現場は伏見
捜査一課 小川亮介（黄川田将也）警部補が冬子を迎える 子供の絵が目に入る
岩淵（升毅）警部補、東伏見署 元木（有山尚宏）刑事
岩淵は冬子に含むところがあるようだ
■被害者は中川真由美、東伏見病院看護師
浴室で仰向けに倒れている 着衣は乱れなし 顎の硬直弱、チアノーゼなし 血だまりに水滴、“これは殺人事件です”、と冬子
京都府警殺本部、「東伏見女性看護師殺人事件特別捜査本部」
捜査一課長の杉原警部（高橋英樹）が指揮を執る
被害者は中川真由美48歳、死亡推定時刻は本日7-8時、死因は右側頭部殴打による頭蓋骨骨折及び脳挫傷 家は密室状態だった 別の場所で殺し、浴室に運んで事故死に偽装した 生活反応のない傷が複数あった 学習机の角にルミノール反応が出た、と鑑識
被害者は滋賀県出身、12年前から東伏見病院勤務 本来なら昨夜から本日正午までの勤務だったが、朝5時に早上がりしている 第一発見者は隣の住人
夫は12年前に事故死、高校生の息子 耕太（小林優斗）と二人暮らし 同僚や隣人の話では恨みを買うような人物ではない
息子のことでは時々悩みを口にしていた 高校は名門校、今日は学校を休んでいる
検視官が会議に出席していない 遺体と向き合っているようだ
“東大出のキャリアだからと言ってスタンドプレーもそこそこにしていただきたいもんですな”、と岩渕
科捜研へ、研究員の二戸部麗子（高岡早紀）、血痕中の水滴は体液だった 涙か唾液かまではわからない DNA鑑定は細胞物質が含まれておらずできなかった 麗子も冬子に対して含むところがあるようだ
麗子の父 二戸部章二（神山繁）は元検視官、今は特別養護老人ホームにいる
第一発見者の松山清美（元木ちはや）、中川家の隣人、の証言
最近よく親子で言い争うのが聞こえてくる 女の子に入れ込んだのが気に入らない 急に大学に行かないって言いだした 前は京大受けるんやっ、て自慢の息子だった
遺留品の手帳、“5月2日(重)13時清野総合病院 清野院長”と予定が記されている
小川刑事が清野総合病院へ、看護師の上木加代子（三浦理恵子）を訪ねる 今朝、午前8時過ぎ、中川真由美を訪ねているのが隣人に目撃されていた
“どのような用事で行ったのか”、と小川 “ちょっと気になることがあった、1週間前突然訪ねて来た、その時の様子が気になっていた”
中川宅、若い女性が佇んでいる 冬子が声をかけると去って行った
真由美、耕太と3人で写真に納まっていた女性だった
浅倉宅、物思いにふける女、“おい、聞こえんのか”、と男 “明日ゴルフだからな、用意しといてくれ” 夫婦のようだが冷え切っている
インターネットカフェへ岩淵と元木、耕太の行方を探している “耕太はよく来る”、と店員、中学の同級生だと言う “最近は女と二人で来る”、名前は浅倉春菜、会員登録していると言う “あの子しゃべれない”、と女の店員 “さっき違う刑事さんにも話した”
浅倉宅の前で、岩淵・元木と冬子・小川がバッティング 冬子が上位者としての権力を行使し中へ
春菜の父 浅倉正行（史朗）と母 陽子（いしのようこ）に真由美のことを聞く 正之は知らないと言い、陽子は春菜のお友達のお母さん、と答える “春菜は最近家に寄り付かない”、と陽子 行く先がわからないと言う
正之は浅倉医療器具の社長、京都でも指折りの企業だった
春菜は小学校の頃から不登校を繰り返している そして5歳の頃から言葉を発しなくなった
春菜と真由美はまるで親子のようだったが、一か月前、突然関係が変化した 真由美は耕太と春菜を別れさせようとした 急に態度が変わった
耕太が母親のカードでお金を下ろした、伏見桃山駅のキャッシュディスペンサーで 最寄駅だった 杉原課長は、京都駅と近鉄の連絡通路を中心に耕太を捜索するよう命じる
京都駅近くで耕太が確保された 母親に二人の仲を反対され、駆け落ちしようとしていた
《耕太の話》春菜とは半年前に知り合った インターネットカフェで知り合い一緒に勉強していた きっかけは、しゃべれないのでいじめられていたところを助けたこと 始めは母も素直ないい子だと言っていた しばらくは上手く行っていた、本当の親子みたいに でも1か月前、急に母さんの態度が変わった
“春菜ちゃんとはもう会わないで、あの子のことは忘れて受験に専念して” それで駆け落ちしようと思った カードを盗んで家を出ようとしたら母が帰ってきて言い合いになったが、殺してなどいない それから待ち合わせ場所の京町の喫茶店へ行ったが彼女は来なかった
冬子が絵を持ってきた 真由美が大事にしまっていた絵だった “君が描いたの” 首を振る 耕太が描いた絵ではないようだ
閑話休題、冬子が結婚するまで、母は着拒していると言う話、二戸部麗子は、冬子の所為で父親が警察を辞めざるを得なくなった、と考えていると言う話
冬子は特養に二戸部章二（神山繁）に会いに行く 認知症のようだが、冬子が、“二戸部検視官殿”、に、5歳の子供が突然言葉を発しなくなる原因の教えを乞うと、PTSDによる事例があることを語りだす
現場100回、中川宅、冬子、そこに小川 上木加代子は真由美が1週間前に突然訪ねて来た、と言ったが、手帳には院長と会う予定が書いてあった 加代子は何か隠している
二人は清野病院を訪ね院長の清野功太郎（井上肇）に会う
《院長の話》真由美の夫 中川裕典（岡田幸樹）は当病院の小児科の医師だった 真由美は看護師、仲の良い夫婦だった ちょっとした事故があった 小児科は閉鎖した 儲からない “中川医師の死がいいきっかけになった”、と冬子 複雑な表情の院長
上木加代子に再確認する 本当は真由美は何をしに来たのか 加代子は観念する “夫が死んだときの小児科の患者リストを見せて欲しい”、と言われたが断った 外部の人間に個人情報を流せない
何故嘘をついたのかを聞かれて、“面倒なことに巻き込まれたら病院を辞めさせられると思って”、と加代子
院長を監視する岩淵と元木、院長が、喫茶店で加代子と密談しているのを目撃する
朝、中川宅へ冬子と小川、冬子は家の壁に開いている穴を探させる
時間はかかったがクーラー配管用の穴を見つける中川
冬子は満足する やはり事前に知っていないと、それをトリックに使うことは難しい パイプの穴を滑らせて鍵を家の中に戻すトリック
清野院長は、12年前から上木加代子に毎年100万円振り込んでいる
口止め料のようだ 二人をひっぱり、それぞれ事情聴取を行うがなかなか口を割らない
口を割らせるテクニック、小川が加代子に対して、“院長が自分に都合がいい話をする前に話した方がいいですよ”
《加代子の証言》12年前、命より金の病院経営によるマネジメントミスで小児患者を死なせてしまった 中川医師は、病院のミスを公表し謝罪すべきだ、と言い張った 院長は病院継続のために中川の口封じが必要になった 屋上で言い合いになった時、中川を突き落とした
真由美は院長との面会を求めて来た 院長は、まゆみの要件が何かを加代子に確認させた それが患者リストだった 加代子は、真由美がどのくらい真相に迫っているのかを探るよう院長に指示され、家を訪ねたが会うことができなかった 既に死んでいた
春菜が中川宅に来ていた 冬子が声をかけ、春菜が密室トリックを作ったことを指摘する
春菜は、岩淵の取り調べで、殺害も認める
二戸部麗子が報告、子供が描いた絵のクレヨンは10年前製造停止になっている 12-13年前に描かれた絵だった
浅倉宅、浅倉が陽子に離縁を言い渡している
“全くなんてことをしてくれたんだ、何もかもお前の責任だからな”、と浅倉 春菜は陽子の連れ子だった
そこに冬子と小川、二人を前に説明する
春菜さんは泣きながら真由美さんの亡骸を整えた その後、密室に見えるようにした 何故事故に見せかけようとしたのか 春菜さんは指紋を残し、洗濯もののかけ方も不自然にした もし殺人だと見抜かれた場合でも自分がやったことがわかるようにした 真犯人を庇おうとした
陽子に同行を求める
《陽子の証言》浅倉と再婚したのはあの子が三つの時、12年前、春菜は風邪をこじらせ清野総合病院に入院していた 夫も病院に詰めていた時、診察のため、ナースステーションに春菜を連れて行ってもらった
その時二人は決定的な場面、院長が中川医師を突き落とす場面、を目撃したのだと思う 夫は春菜に口止めしたのだろう
それ以来春菜は言葉を失くしていった
浅倉は口止め料として、医療器具の購入を求め、それがきっかけで業績は急上昇した
1か月前、真由美が訪ねてきて12年前の入院のことを聞いてきた 事故の後、病院と浅倉医療器具の大口取引が始まったことを調べ上げていた “あなた何か知っているでしょ”、と言われた 私には確証がなかった 浅倉に聞くのも怖かった
あの日、真由美の所へ行った 二人の結婚を認めて欲しかった しかし、真由美にとって、夫が不名誉な死を遂げたことになっていることに責任を負うべき家の娘との結婚は認められない
二人は揉み合いになり、転倒した真由美は頭を打って死んでしまった
逃げ帰る陽子を春菜は目撃していた
警察で、親子がすれ違う 謝る陽子 “お母さん”、か細いが声が出た “お母さん” 陽子に笑みが浮かぶ
あの絵は春菜が描いた 院長が小川を突き落とした場面
家族になろうとする春菜は真由美にあの絵を見せた 真由美は夫が殺されたことを確信した
耕太と春菜は、五十嵐夫妻が保証人となり、婚姻届けを提出する
独身の冬子は保証人になることができない
子供が生まれる 覚悟はできている、と耕太
2024.03.22 何回も観てしまう しかし、何故、母親が娘を守ろうとしなかったのだろうか