■夜、タクシーで帰宅した男、待ち伏せていた何者かに刺される
犯人は庭木を1本、引き抜く
被害者、田口剛司（荒谷清水）は家具メーカー社長、一人暮らし、凶器は見つかっていないが傷から鋭利な刃物と考えられる、と榎本（南果歩）が本田（不破万作）に報告している 目薬の木が引き抜かれている
田口の隣人の評判は良くなかった すぐ怒鳴る トラブルが目撃されていた
印章店主の佐久間拓也（石井正則）は、電話でさんざんクレームをつけられ作り直しさせられた 運送会社アルバイトの高杉陽一（藤井貴規）は、庭木を踏んで怒鳴られ、代金を踏み倒されそうになった
警視庁捜査一課第二特殊班捜査第四係のメンバー、片岡悠介（寺島進）、西青梅署署長の手塚（杉本哲太）から派遣要請があった 片岡と手塚は高校の同級生、同じ剣道部だった
着任して1週間の手塚、未解決事件の再捜査を指示する
《事件の概要》1994年11月26日、小池健太郎（鶴田忍）が殺害された 小池は12店舗を持つ洋菓子店の社長、死因は脳挫傷、鈍器で殴られた 庭に25㎝の靴跡、美術品のコレクターでもあった被害者、物取りではないようだ 時効まで10日
西青梅署の浅野（金子貴俊）と二人で再捜査に当たる
“最初の一手を間違ったために未解決となった 新しい切り口がが必要だ”、と片岡 片岡悠介は将棋好き、詰将棋に準えて浅野に語る
殺害現場、小池宅、“現場は当時のままにしています”、と妻の優子（沢田亜矢子）、“あの日はバレーの発表会があった”、と娘のめぐみ（高畠華澄） ヘンゼルとグレーテルの主役だったが、見に来ていた父の言葉に傷ついためぐみが、父を帰らせてしまったことを今でも悔いているようだ “頑固で口の悪い人だったが見る目はあった”、と妻
帰宅した悠介、母の美知恵（吉行和子）が榎本とビールを飲んでいる
榎本は美知恵の教え子だった 悠介は酒を飲まない
11月17日、時効まで残り9日、有志館大学、当時の小学生の話を聞く 家から出て来た人物とぶつかって飴をのどに詰まらせた 顔を見ておらず服装の記憶もない 悠介が確認する、学校の帰り道、何故飴を持っていたのか、集金のおばさんに貰った 皆、キャンデーおばさんと呼んでいた
調書には、女性の集金人の記録がなかった 都市ガスが引かれていない地域、プロパンガスかも、と浅野
新しい事実、あの地区を回っていた女性は15年前に殺されていた
11月18日、時効まで残り8日、多摩東署へ
1994年11月28日朝、遺体発見、杉山中央公園の繁みの中
被害者は永田美佐代（山下容莉枝）42歳、死因は首を絞められたことによる窒息死 死亡推定時刻は27日の13-16時、所持品無し 本人のものではない毛髪を数本握っていた
夫（つまみ枝豆）の話を聞くが、当時、犯人扱いをされ、犯人もあがっていないため警察を恨んでいる 妻は前日、狛江市の地図を見ていたことは覚えていた
11月19日、時効まで残り7日、再度小池宅へ
犯人は美術品の部屋に入った しかし、何も盗まれていない 目録と照らし合わせて調べた、と妻 見せてもらう 悠介が反応した 将棋好きが役立った
立派な将棋盤があった しかし、駒は安物だった 違和感を持っていた 目録には、天童の職人が作った本黄楊盛上げ駒、とあった 現物の材質はカエデ、すり替えられている
田口剛司殺しに進展があった 近隣の民家の防犯ビデオに、運送会社アルバイトの高杉陽一が、犯行時刻に記録されていた 凶器も会社で配布されているカッターナイフであることがわかった 高杉は、家具メーカーでリストラに遭い、アルバイト先でも田口に嫌がらせを受けた 高杉は、取調室で怒りを爆発させる
11月20日、時効まで残り6日、天童市へ
竹田幸造（小野武彦）を訪ねる カエデの駒を見せると、知らないと言うが、小池の名を出すと、自分が作った、と発言を変えた
一度退去し、浅野に、永田美佐代の夫にもう一度、狛江の地図のことで何か思い出してもらえ、と指示する 悠介は再度竹田を訪ねる 目録を見せる 何故あんな嘘をついたのか
“価値の分からない者のところへ置いておきたくなかった”
悠介は、すり替えられていたカエデの駒、“歩”を数枚持ってきていた バラバラの書体 それを見て、“遊びで作った”、
そんなものを世に出すはずがない 竹田は何者かを庇っている
11月21日、時効まで残り5日、
榎本が、田口宅に花を供えた 娘の歩美（幸田恵里）がいた 嫌われ者の父、娘にはやさしかったと言う 目薬の木は歩美がプレゼントしたものだった 判子は、田口が娘に持たせようとして作らせたものだった
居酒屋まで永田に付き纏う浅野、永田は妻が免許証を拾ったことを思い出した
榎本が陣中見舞いに来た そこで、犯人が逮捕されたので、印章店へ謝りに行った話をする 田口の娘の判子、歩美、“歩”の書体 佐久間は山形出身 竹田作の駒を欲しがった人物、竹田が庇っている人物
当時、狛江に住んでいた人物
《まとめ》佐久間は竹田の弟子だった 竹田は佐久間に目をかけていたが、伝統にこだわる竹田に反発した佐久間はとび出してしまう あの駒は、竹田が佐久間のために用意した駒だった しかし反発して辞めて行った 目利きの小池はその駒を欲しがった 自分のものになるはずだった駒が他人に奪われる 佐久間は取り戻しに行った そこで出くわした小池を殺し、逃げる途中で免許証を落としてしまった 当時狛江に住んでいた佐久間、永田美佐代が届けてくれた 悪いことをして逃げ出したようだった、と冗談を言われ、殺してしまった
竹田の言葉、小池に罵られた言葉、正しかった、と佐久間は、今、思っている
竹田は、弟子を見離していなかったことも明らかになる
エンディングは再び母と榎本の飲み会、榎本は悠介にマリネを作らせ、酒を飲ませようとする
《参考》シリーズのリスト