山の中、監禁、レイプ、逃げ出した女、川を渡り泥だらけになり…
山梨県警扇原署、県警捜査一課強行犯係一班 田中武次（中村俊介）、被害者の女性の事情聴取、被害者は丹羽奈保子（入来茉里）、犯人二人の特徴、何も語らない 捜査一課特殊班班長の屋敷（相島一之）、田中の手ぬるさにイラついている 田中は、一班から特殊班にレンタルされていた 屋敷は語る “三班の村瀬が田中を欲しがっているが、朽木（田中哲司）は何も言わなかった 特殊班もお前が欲しい”
捜査一課の強行犯係は三つの班に分かれしのぎを削っている 事件はローテーション制で順番に担当する
二班班長の楠見（光石研）は公安からの転身組、異端視されている
上司は田畑捜査一課長（矢島健一）、強烈なライバル意識が刑事たちを突き動かしている
取調官が適性と思っている田中、指揮官になりたいとは思わない
“取調官の適性とは何か”、と朽木、“絶え間なく人を憎み続けること”、と田中 “憎しみか”、と朽木
いつもどちらかが見張っていた お互い、相手をA君、B君と呼び合っていた 二人は、身代金を要求する、しないで揉めた 仲間割れし、私は目隠しされ車に乗せられた 木に縛り付けられ放置されたがほどいて歩いた
“取り調べってもっと嫌なものだと思っていた”、と奈保子、“取り調べは犯罪者に使う言葉だ”、と田中、“事情を聴いただけだ”
母親（栗田みどり）が迎えに来た 人目を気にしている 今後近づかないで欲しい、とも言う 裏口から出ようとする 娘の身より世間体が大事な両親、父親は銀行の役員、を奈保子は嫌っている
捜査会議、“丹羽奈保子はストックホルム症候群に該当するのではないか、と思う”、と田中 “何も引き出せなかった”、と屋敷が非難、“辻褄を合わせるための最低限度の供述を行った”、と田中
楠見が聞く、“AかBか、どっちのことを多く話したか”、田中は同程度だと答える “女にしてやられたな、どっちも同じならストックホルム症候群は成立しない、もしお前がストックホルム症候群と言うのなら、お前は何か見落としたと言うことだ”
■レイプ監禁事件の遺留物捜索、奥巳沼から車、中に白骨
会議室に一班の森（鈴之助）、朽木に報告する 出かけようとする朽木に楠見がクレーム、“こっちの番だ”、刑事部長の尾関（伊武雅刀）は、田畑一課長に調整させる
一班臨場、朽木、田中、森、殿村（川口力哉）ら
白骨は成人女性、歯に治療痕、車の所有者は赤坂唯（田代さやか）、スナックホステス、ハンドルを切り損ねて転落したようにも見えるが、窓が少し開いていた 失踪時期は12月、早く沈めようとしたようだ 他殺だ “いじましいホシだな”、と朽木
“班長は楠見と何か取引したんですかね”、と森が田中に聞く 楠見は何故あっさりと引いたのか
山梨県警中央署、赤坂唯の家出人捜索願は2004年12月28日、10年前に出されている Nシステムの検索も行われていた
自宅から奥巳沼まで、途中3か所Nシステム設置されているが、1か所のみヒット 担当者は事件性はなかった、という それなのにNシステムの検索まで行ったわけ、新聞記者にせっつかれた、という
赤坂唯が働いていたスナックは有名なブンヤのたまり場だった
記者会見では事故死と発表した 東西新聞の荒井（鯨井康介）は、殺人ではないのか、と質問した
朽木は嘘の発表をさせた 尾関と田畑は本意ではない 何故嘘の発表をしたのか “犯人は新聞記者だと考えている”、と朽木
スナックのママ（洞口依子）の事情聴取、口が重い なだめたりすかしたり ぽつりぽつり話す
12月3日はママの誕生日、この日、唯は、近く店を辞めようと考えていることをほのめかした 唯の失踪後、店に来なくなった記者がいる アトウという記者
該当者は現社会部の阿東久司（鈴木一真）36歳、三ケ日ダム建設に関心があるようだ 阿東は、唯失踪の2か月後に結婚していた
森は、田中にホシを落とすコツを聞く “落とさないことだ”、と禅問答
田中は、落とす瞬間を誰にも見せない 小窓も閉めてしまう
まるで都留の恩返し
田中の母（岡本麗）は入院している 心に闇を抱えている
丹羽奈保子が大道芸人を見つめている
10年前、赤坂唯、12月27日21:27通話記録あり 23時、母親が電話したが電源切られていた 23:26、Nシステムヒット
Nシステム検索を求めたのは阿東だった 当日のアリバイは新聞社の情報が必要だった 朽木と田中は東西新聞社、山梨総局へ 責任者の安土（菅田俊）に取引を持ち掛ける
断る安土、朽木はすかさず部下に電話し、強制捜査の準備を指示する
驚く安土、それならなぜ取引をもちかけた 二人の駆け引き
“おい田中、阿東記者の休暇は何日必要だ”、“無期限の長期休暇”
楠見が丹羽奈保子を連行した 朽木が取引した
“彼女は被害者ですよ”、と田中、血も涙もない楠見に何故、“だから何だ、被害者はヤマの一部だ”、と朽木
田中の記憶、母から金を奪い暴力を振るう男、それが父親だった
田中は父親を追いかけ、架線橋の上で罵った “お前なんか父親じゃない、死んでしまえ”、父親は飛び降りた 母親は詫び続けている
唯失踪当日の阿東の記録、Nシステムヒットは23:26、0時に総局に戻っている 殺しと遺体処理は別々にやったのだろう、と田中
阿東の取り調べ、一日目、田中は阿東の瞬きの数を数えている 二日目、阿東は、唯と肉体関係があったこと、別れ話を持ち出したことも認めた Nシステム検索を求めたことも、しかし、殺害だけは認めなかった
阿東のメモが気になった 29 41 51
2004年12月2日公示、2005年1月1日施行、時効は15年から25年になる その時26歳の阿東は41歳までびくびくして生きて行かねばならないが、あと29日後には、51歳までびくびくして生きて行かねばならないようになる
2010年の2度目の改正では、公訴事項の対象から外される 即ち∞となる 未解決事件も対象となる
楠見は、レイプ監禁事件にはもう一人関わっていたことを聞き出した C君の存在
身代金を要求しようとしたA、それを辞めさせようとして殺したB、さらに奈保子を口封じのために殺そうとしたBを殺して奈保子を逃がしたC
大道芸の男がC君だった Bは奥巳沼に沈められていた
朽木は、村瀬の申し出を断ったと言う “お前はまだ甘い、他所に出せるタマじゃない”