タクシードライバーの先輩 島田誠吉(長門裕之)が夜明日出夫(渡瀬恒彦)に声をかける
島田は、夜明がタクシードライバーになった時の指導員だった 今は個人タクシーをやっている 島田は68歳、そろそろタクシー稼業を辞めようと考えている 島田は娘の結婚の話を嬉しそうにしている
■タクシー強盗発生、被害者は島田、刃物で左わき腹を一突きされている
ニュースを見て驚く夜明、警視庁の東山(風見しんご)に電話、“どうなってる”
係長の神谷(平田満)は、東山に夜明の協力を得るよう指示する
現場、夜明の観察、バックミラーが右に向いている=乗客二人、吸殻ゼロ、窓が開いている、ラジオから雑音
現場へ島田の娘 貴美子(荻野目慶子)がやってきた 呆然としている
葬儀、弔問する夜明に貴美子が話しかける “父は強盗に遭って殺されたんですか”
島田は娘の結婚に最後まで反対していたと言う 昔から、父と娘の関係は穏やかなものではなかった
葬儀に、執拗に貴美子を見つめる若い男がやってきた 貴美子の元同僚らしい
貴美子はレコード会社に勤務、婚約者の高見沢恵一(升毅)はピアニストだった
警察が入手した情報、島田は21年前にタクシードライバーになった それまでは横浜で貿易商をやっていたが事業に失敗、その時妻も死んだ 親子の関係は良くなかった 島田は10年前にもタクシー強盗に遭っている
探偵が、島田に依頼された高見沢の素行調査報告書を持ってきた しかし貴美子はそんなもの見たくない、と言う
夜明に迎車依頼、貴美子だった 葉山のマンションまで送る
コーヒーの誘い、結婚は延期、父への恨み言を語る
■高見沢が殺された 7時半、迎えに来た貴美子が発見した
背中を刃物で刺され失血死、死亡推定時刻は22-24時、高見沢は21時頃スタジオを出ている 貴美子のアリバイは夜明が証明する
高見沢は鎌倉の実家に住んでいた ピアノの傍らで倒れていた
高見沢は、かつてライブハウスで演奏していた そこに客として来ていた貴美子が才能に目を付けレコードデビューさせた
高見沢は半年前まで女出入りが激しかったが、貴美子と出会ってからは落ち着いたと言う
シャンソン歌手の掛川秀美(牛尾田恭代)は、貴美子に高見沢を奪われ恨んでいたようだ 今は銀座のクラブでホステスをやっている 貴美子の方も男出入りは激しかった
元同僚の尾崎治雄(中村繫之)はストーカー化し、その話が父親の島田に伝わり、会社に押しかけた島田、尾崎は会社を辞めている
事情聴取に向かう東山と国代(小林健)、尾崎は逃げようとし逮捕される 犯行を否認する尾崎、アリバイはあいまいだった
夜明は心配になり葉山の貴美子を訪ねる 貴美子は昼間から酒を飲んでいた 魔性の女、夜明はとまどう
その後も、男とホテルから出てくる貴美子を目撃した夜明は、
“自分を粗末にするな”、と叱る
夜明は原点に戻って事件を考えた
島田殺害現場、防犯灯がついていなかった=知 り合いだった 窓が開いていた=乗客は車酔いし易かった=貴美子
バックミラーが右に向けられていたことは二人乗っていたことを示している 東京でラジオから雑音が聞こえたことは視聴エリアが変わったことを示している 神奈川にあわせてあった
《まとめ》島田は10年前もタクシー強盗にあっていた 犯人は逮捕されていない 島田が初めて高見沢を見た時、どこかで見た顔だと思ったが思い出せなかった あの日、貴美子と島田をタクシーに乗せた バックミラーで高見沢を見た島田はそれが10年前の強盗犯であることに気付いた 貴美子を下ろした後、高見沢を鎌倉まで送った 途中で、島田が気付いたことを知った高見沢は島田を殺し、東京まで運転した 貴美子は、探偵の報告書を呼んでいた 高見沢の不実を知った 高見沢を、父の住まいに呼び、事実関係を確認した 高見沢は自分が殺したことを認めた 貴美子は許せなかった 高見沢を刺した
《感想》島田の住まいは東京だと思うが、そこで貴美子が高見沢を殺した後、どうやって鎌倉まで死体を運んだのか、出血量など警察は不審に思わなかったのか、などもう一つピンとこなかった
《参考》シリーズのリスト