横浜、本牧埠頭、傷を負って倒れている鷺沼(高橋克典)、リンチに遭ったようだ
呼びかける男、“警視庁特捜係の鷺沼さんでしょ” 神奈川県警山手北署の宮野(戸次重幸)だった 酔いどれ医者に連れて行き手当てを受けさせる
“埠頭にいたのはたまたま”、と宮野、“奴らは県警の刑事です”
県警のトイレに入っていた時、再捜査を始めた警視庁の鷺沼のことを話題にし、焼きを入れますか、と話していた
その場所は、コールドケースとなっている巨額詐欺事件で、犯人の森脇康則(寺井文孝)の死体が引き上げられた場所だった 投資コンサルタントを名乗り、12億円集め姿を消した森脇、12億の現金は発見されていない
事件発生は東京、死体が上がったのが横浜、警視庁と神奈川県警の合同捜査となったが、縄張り争いが激しく、迷宮入りとなっていた
鷺沼友哉、警視庁特別捜査一係・警部補は、捜査一課から左遷されたようなものだった 上司の三好係長(石丸謙二郎)に勧められ、この事件を担当することにした
鷺沼は、県警が再捜査を望んでいないことを三好に報告した 三好は、“韮沢さんに相談したらどうか”、とアドバイスする 韮沢克文(永島敏行)は、鷺沼が尊敬する警察官で、仲人でもあった 現在、神奈川県警警務部監察室長となっている
顔を腫らした鷺沼を、係員の井上玲美(結城モエ)がからかう
韮沢が花屋で妻の誕生祝の蘭の鉢植えを買っている そこに鷺沼、韮沢に再捜査に着手したことを告げる 韮沢は14年前、この事件の捜査を担当していた
何故この事件を再捜査しようとしているのかを問われ、経緯を説明するが、邪魔が入ったおかげでやる気になった、と鷺沼
宮野は、取り立て屋に追われていた 5000万円の借金は、美人局に始まり膨れ上がった 今日は車をとられた
約束の時間を大幅に遅れて鷺沼宅にやってきた宮野はピン札の紙幣を見せる 県警幹部から渡された1万円札の記番号が、14年前に消えた新札の記番号と一致した 県警の裏金になっているようだ
宮野は森脇を殺した、という男がいることを取り立て屋から聞いていた
しかし、金を奪う前に警察に踏み込まれたため金は手にしていない、と言っていたと言う 踏み込んだ刑事が誰かは聞いていない
韮沢が、鷺沼を料亭に呼び出し、5000万円を渡そうとする “再捜査を止めてくれ” 鷺沼は、“残念です”、と言って場を去ろうとする
韮沢は鷺沼を引き留め、“君をテストさせてもらった”、という
札束は、表面だけが本物だった
“警察庁長官から命があった 12億は個人が秘匿できる額ではない 警察の組織的犯罪なら影響が大きすぎる 極秘に真相を究明せよ”
試されたことを知った鷺沼は、韮沢の言葉をそのまま信じることはできなかった
森脇をやった男の名は福富利晴(平山祐介)、何度も刑務所を出入りしている 宮野は取り立て屋の内村(鶴町憲)から聞いた
ジムでトレーニングしている福富を宮野が訪ね、真偽を聞く
福富の話、森脇は東池袋の賃貸マンションに隠れていた 待ち伏せて脅したらナイフを振り回してきた ナイフを奪ったら急に苦しみ出して倒れた そこに刑事がやってきたので逃げた 3日後、森脇は本牧埠頭に引き上げられた
現れた刑事は田浦(伊藤正之)、今、宮前東署の副署長をやっている
森脇を匿っていたのは中山順子(内山理名)だったことが不動産屋の事情聴取でわかった 森脇と思われる男とは少しの間同棲していたようだ 順子は森脇を高校の先輩と呼んでいた その高校は調布市の若葉台高校だった
鷺沼は、順子の担任だった元教師から話を聞く
順子の父親は、23年前贈収賄事件で逮捕され、半年後獄死している
母親も後を追うように死に、順子は親戚を転々とした
4年前、順子から葉書が来た 結婚して伊藤順子となっている
そこは、先日韮沢が通っていた花屋だった これは偶然か
宮野から鷺沼に電話、韮沢室長が狙撃された 搬送先は教えてもらえない 世田谷で背後から撃たれた 凶器はトカレフだった
搬送先は池尻の中央病院であることがわかったがガードが固く近づけない 警視庁警備部警備企画課長の片山忠嗣(大西武志)が仕切っている 家族以外シャットアウト
鷺沼は順子に会い、森脇との馴れ初めを聞く
偶然出会ったが、心臓に持病がある森脇と父が犯罪者の二人は惹かれ合った 二人で外国に逃げようと言われて心が動いた お金はトランクルームに隠した、と言っていた
三好係長は、鷺沼に事件から手を引くよう言ってきた
韮沢に頼まれて鷺沼を向かわせたが、警察内部の派閥抗争が絡んでいるようだ
韮沢は警察庁長官派、警視総監派は参議院銀の香川(中丸新将)とつながっていて勢いがある
田浦から真相を聞き出そうとして福富と宮野が待ち伏せる 帰宅した田浦が銃撃される 田浦の口封じか、田浦は怯え、口を割る
当時、田浦は県警生活安全部薬物対策課の主任だった 当時の警務部長が香川だった 香川は、県警の裏金を使い込み、穴埋めが必要があった 香川の指示で、田浦は森脇と取引した 森脇は心筋梗塞を起こして倒れたが、ニトロを飲んで回復した 3億寄越せば目をつむる 森脇は応じた 2億を香川に渡し、1億は田浦がポケットに入れた
残りの9億は消えた
順子から鷺沼に、全て話すと連絡
14年前、2人で逃げようと言った森脇、しかし一人で逃げようとしていることを知った 順子は無理心中を図り、睡眠薬を盛った しかし誰かに助けられ病院で目が覚めた 部屋に戻ると、森脇の荷物は消えていた そして死んで発見された
その後、韮沢から手紙が来た 23年前、父親が逮捕され獄死した事件の捜査を指揮したのが当時捜査二課長だった香川だった 実は、贈賄側の責任者は、警察出身者の高見巌だった
香川は、全ての責任を経理部長だった順子の父に負わせた 韮沢は順子に詫びた
14年前、無理心中しようとした順子、そして森脇が眠っているマンションに香川がやってきた 朦朧とした森脇はナイフを持ち、香川ともみ合いになった 香川は森脇を刺し、逃げ出した その後に韮沢がやってきて後始末をした 順子を病院に運び、森脇の死体を海に投げ込んだ トランクの鍵も処分した
森脇の遺体が海で発見され、香川らはトランクルームを調べたがもぬけの殻だった 森脇が場所を変えたのだろうと思った
韮沢が死に、鷺沼に書置きが残されていた 死んだら開けろ
庭に、9億円が埋められていた
《参考》テレ朝版 柴田恭兵 寺島進