夜、川沿いをはしゃぎながら歩くカップル、橋の上、男がキスしようとする
男が磔のように縛られている彫刻に気付く二人 額に四つ葉のクローバーが描かれている
監察医の矢島健一は死後5時間と診断するが、死斑が出ていない 汗をかいているように見える 鼻の下に鏡を置くと、曇った 生きている 仮死状態だった
被害者は五十嵐明31歳、公立中学校の教師だった
神奈川県警捜査一課:榎木孝明、小田茜、浜田晃(課長)、宮下直紀、岡本光太郎、渡辺大輔
五十嵐は×1で母親と暮らしていた 17時半に帰宅し食事後に電話があり20時頃外出した 電話は伊勢崎の公衆電話からかかっていた ゾピクロン(睡眠薬)を飲んでいた
眠らせ磔にしたが、殺すつもりはなかった、ということなのか
□大鶴義丹が、新聞を読んでショックを受ける 妻の床嶋佳子が異変に気付く そこに電話、義丹は外出する
ラブホテルの前でガッツ石松を見かける榎木、ラブホテルの前で車を停める “勘違いするな”と榎木が茜に
元刑事の石松は、定年退職後探偵をしている
車内で話す二人、難航している捜査について石松は経験を語る “青木ヶ原で同じような体験をした 低体温で仮死状態になっていた”
本牧署での捜査会議、額に描かれた四つ葉のクローバー、10年前の口紅によって描かれていた そこに連絡 “なに、磔”
5人の刑事が駆け付ける ヨットハーバー、義丹がヨットのマストに縛り付けられていた やはり仮死状態で、額には四つ葉のクローバー ゾピクロンも飲んでいた
妻の佳子が駆け付ける やはり電話で呼び出されていた 川崎市内の公衆電話からだった
五十嵐と義丹はともに31歳、大学は異なるが、硬式テニス部に属していた
大学のテニス部部室に榎木と茜、10年前の資料の中に、五十嵐と義丹を含む5人が写った写真があった
義丹と同じ大学で同期の井上晴美、10年前のことなのでほとんど覚えていない、と言う 怪しい 茜が監視することに
■義丹が死んだ 佳子は遺品の中に四つ葉のクローバーのペンダントを見つけ、榎木のところに届ける
義丹は、居酒屋に男と二人でいたことが確認された そこで睡眠薬を飲まされたようだ
晴美と義丹は恋人同士だったこと、五十嵐も晴美が好きだったことなどの証言が、クラブのOBから得られた
□晴美が動き出した 追跡する榎木と茜 中央本線で松本へ ホテルのロビー、そこに男が現れる あの写真の5人の一人だった
二人は車に乗る その後喧嘩別れする 晴美を茜が、男を榎木が追う
男は池田政典、運送業の会社を経営していた 資金繰りに追われているようだ
榎木は晴美のことを聞くが知らない、会っていない、と言う
しかし5人の写真の最後の一人が三原伊織奈、元池田の婚約者で、合宿後自殺したことを明かす 伊織奈は池田の子供を身ごもっていた さらに、義丹が持っていたペンダントは伊織奈のものだったこともわかる
榎木は、伊織奈が死んでいた場所を訪ねる 群馬県警の内田健介が同行する 軽井沢、浅間大滝、遺体がまるで磔のように木に引っ掛かっていた 死因は低体温による心不全だった
□伊織奈には兄がいた 医者だったが現在は多摩川でホームレスになっていた “過去は捨てた”
□晴美が呼び出され、車に撥ねられ瀕死の重体となって入院する
そこで“冷却ブランケット”を知る榎木 脳を守るため血液の温度を下げる装置だった
佳子が現世に絶望し、娘と心中しようとする 石松が止める
榎木が石松に依頼し監視させていた
佳子は榎木を訪ね、夫の不可思議な行動を語る “夫は毎年、11月4日、有給休暇をとった 佳子はある年、夫を尾行した 北軽井沢の滝へ行き、花を手向けていた”
伊織奈の兄のテント小屋には印旛延照寺のお札があった 千葉県印旛沼
《まとめ》入院中の晴美が殺される 医学的な知識を身につけた者の犯行だった
伊織奈の兄の名を名乗っていたのは、これも元医師の横堀悦夫で、印旛沼の出身だった
伊織奈の兄は横堀と戸籍交換していた矢島健一、監察医だった
矢島は、五十嵐、義丹、晴美と殺したが、この中で矢島は、池田が伊織奈と別れようとして五十嵐に伊織奈を犯させようとしたことを知る
残るは池田、浅間大滝で眠らせた池田を水につけ低体温にしようとしている矢島と対決する 憎しみの連鎖を断ち切る 矢島は観念する
11月4日は伊織奈の命日だった 義丹は池田と五十嵐の犯行隠蔽に協力したことを悔いていたのだろう