雨の夕方、チョコレートケーキを買って店を出る男、運転手が待っている 車に乗り込み、運転手が話しかける “背中が” 男が倒れる
救急車、有機リン系毒物が針で差し込まれていた
運送会社社長 宅麻伸を〇対とした、と捜査一課長の北村総一朗
【警視庁刑事部捜査一課特殊犯捜査係（身辺警護班）】
勝野洋、涼風真世、尾美としのり、阿藤快、山下徹大
凶器が特定されていない 動機も不明だが犯人の怨念が感じられる
《宅麻伸のプロフィール》10年前、松本から上京しバイク便から始めて運送会社に育て上げた 妻の山下容莉枝と娘の笹田かりんがいる
□高校時代の同級生が会社を訪ねてくる 宅麻は松本時代の関係者と連絡を絶っていた 福祉関係への寄付で新聞に載り、宅麻の現在を知ったようだ 恩師の野村昇史の送別会への誘い、参加を約束する
□切り抜き文字による脅迫状が宅麻に送られてくるが誰にも言わない
□妻の代わりに幼稚園に娘を迎えに来た宅麻、娘は足の悪い清掃員の女性と遊んでいた
□バイクが宅麻に突っ込んできた 車のガラス窓をバールで割って逃げる 毒針とバイク、手口が全く異なる
□横断報道で信号待ち、対面に足の悪い女性、宅間の様子がおかしい、飛び出そうとして警護班に止められる 会社に着くと不審な女が立っている 運転手が追い返す 一か月前に会社を辞めた男の妻だった
□男は春海四方、一か月前に馘になっていた 経理を担当していたが、使い込みがばれたためだった
春海の妻を訪ね、何故、会社に来ていたのか事情を聞く “夫は社長を恨んでいた 一週間前から家に帰って来ない 何かやらかさないか心配で見に行っていた”
宅麻は一年半前から福祉関係に寄付を始めた
“かりんがいなくなった”と妻の容莉枝、警護班が捜索を始める 女の子の唄声が聞こえて来た 曰くありげな足の悪い女に連れられてきた 宅麻の態度が一変する
【容莉枝の話】娘には、先天性の心臓疾患があり、一年半前に手術を受けた それ以降、寄付を始めるなど夫の態度が変わった
□女は、金久美子、幼稚園の清掃員だった
三日後、銀座での会合に出席した宅麻、警護の隙をつき裏口から出て駐車場へ、封筒に入っているのは札束か、そこに春海が現れる “なんだ、お前か”と宅麻、お金を渡そうとしない宅麻を見てナイフを出し襲い掛かる春海、そこに警護班
□春海は、バイクで襲ったこと、脅迫状を出したことは認めたが毒針のことは否定する アリバイも成立した
□雨の日、地下街への入り口、人込み、傘を閉じたり開いたり、宅麻の大腿部にまたも有機リン系毒物 傘が当たったのかもしれない、と涼風真世、阿藤快が“マルコフの傘”と叫ぶ 傘が凶器である可能性が高まった
□宅麻は34歳まで松本に居た
高3の時担任だった野村の話を聞きに行く “父親が借金を残して逃げ、母親と息子で苦労していた” 松本時代はお金がなく苦労していた それが東京に出て事業を起こし豊かな生活を送っている 上京前後に何があった
□11年前に松本で起こった事件に着目し、立川三貴から話を聞く “平成四年5月5日、スーパーに二人組が侵入し、二千万円を奪った 一人が金久美子、スーパーの店員だった 逃げる時足を骨折して捕まった 久美子は共犯の男については黙秘した 懲役10年、模範囚として8年で出所した”
□久美子の保護司でホテルオーナーの中原丈雄の話、“久美子は、小さな酒屋を経営していた金田明夫と離婚し、娘は金田が引き取った その金田が久美子を訪ね、娘が先天性の心臓疾患で手術が必要なこと、一千万円かかることを告げられた”
元夫 金田の話、“一度服役中の久美子に会いに行った 久美子は、お金が届くと言っていた しかしお金は届かなかった 娘は死んでしまった 一年半前、出所していた久美子に会った その時初めて、久美子は娘が死んだことを知った”
□松本の同窓会に出席した宅麻、料亭で、宅麻が幼稚園の運転手だったことを知る女性に声をかけられる 無視する宅麻
□宅麻と久美子の接点が明らかになる 幼稚園の運転手と園児の母の関係だった
《まとめ》逃げることをあきらめた久美子は全てを宅麻に託す お守りも預けた ほとぼりが冷めた頃お金を送ろうと思っていたが、事業の資金繰りに困り、預かっていたお金に手を付けてしまった 約束を守ることができなかった 一年半前、自分の娘が同じ心臓病で手術が必要になって初めて、久美子の悲しみと怒り、恨みを知った 会うことができなかった エンディング、久美子はお遊戯会のかりんを誘拐し、恨み言を語る 土下座する宅麻、お守りが落ちる 久美子から預かっていたお守りだった 久美子はお守りを見て宅麻を許す