夜道、池永耕一（ガッツ石松）の前に男が倒れている 池永は小林美津子（原田美枝子）の経営するバーへ 沈黙の後、警察へ電話する
被害者は広岡和夫（市原清彦）、工場経営、池永はボクシングジム経営、独立して15年、以前はボクサーだった 最高で東洋ライト級三位までいった
【池永の供述】すれ違った時肩がぶつかり、相手が謝りもせず去っていったのに腹が立ち一回殴った 死刑にしてください
《六年後》
弁護士の河原勇男（大滝秀治）が検事の高津明彦（渡瀬恒彦）の元へ 二人の出会いは池永の裁判だった 用件は定年を間近に控えた高津を弁護士として事務所に迎えようとするものであった しかし公証人になる予定があったため諦めることにした
高津の家に無言電話が繰り返しかかってくる 娘の沙織（今村理恵）は司法試験受験生であるが気味悪がっている
《刑務所内の描写》製材所、キャッチボール、見物している池永にムショ仲間の磯村（掛田誠）が話しかける
《池永の回想》美津子が面会に来て、“子供を堕胎した もう来ないから”と言って、そそくさと帰る 池永は仕切り板を拳でたたき続ける
池永の仮出所が決まり、弁護士は、被害者の娘 広岡由美（富田靖子）に連絡する “刑務所内で得た賃金を墓前に供えたい” 由美は手紙を破る
浦和のスーパーで強盗殺人事件発生、ムンナ（アベディーン・モハメッド）が逮捕される ムンナは不法滞在だった 池永の写真を持っていた
由美は武田良介（金山一彦）と結婚していたが、父の死後、武田は女を作り家を出た しかし、息子 大樹（塩顕治）の誕生日、久しぶりに三人で祝った 武田は女に逃げられていた よりを戻したい武田を由美は拒絶する
無言電話の犯人は由美だった
【由美の言い分】父を殺され、息子は父親に逃げられた 検事は被害者の味方だと言っていたのに、懲役七年に対して高津は控訴しなかった 誰かを恨まなければ生きてこれなかった
この事件を契機として、高津は公証人への道を捨て、弁護士となることを決意する
ムンナは広岡の工場で働いていた
【広岡の工場の元従業員の証言】広岡は、外国人労働者が逃げ出さないように、パスポートを預かっていた そうしないと、教えるだけ教えて逃げられてしまう
《まとめ》池永のジムに通っていた外国人の中に、素質をもった選手がいた しかしパスポートを返してもらえず、才能が埋もれてしまう 池永は広岡にパスポートを返すよう頭を下げるが、広岡は逆上して池永に襲い掛かった 池永は思わずパンチを出してしまった
全てが終わった後、高津の推察を池永は否定しなかった 美津子は池永との子 由香（黒岩伶奈）を小林誠（モト冬樹）の実子として育てることにした 池永は遠くから見守るだけだった
《感想》刑事事件を担当する検事、弁護士の大変さ、立場によって全く見方が変わる犯罪・事件、見ごたえのあるドラマだった 河原の事務所の事務員役の鷹城佳世さん、古びたビルの一室、掃き溜めに鶴か
2021.03.30 配役名で書き換えた
印象的な作品だった