NHK ETV特集「この世の名残 夜も名残 ~杉本博司が挑む『曾根崎心中』オリジナル~」
昨年10月17日、大阪で送別会をしてもらうことになった
4月に異動したのだが、部としての送別会が双方の都合でできなかったのだ
その前夜、22時からこの放送があり録画した
心中物は最近見ていないが、宇崎竜童が徳兵衛を演じた「曽根崎心中」や、篠田正浩監督の「心中天の網島」をかつて見たことがあり、強烈な印象を受けた記憶がある
自分には全く縁がない世界と思いつつも、浄土へのあこがれと対照的に真っ暗な闇に圧倒されるのだ
いつもの文楽と全く違う演出
杉本博司はモノクローム写真で有名な現代美術家らしい
古美術商もしており、そこで美意識が…と解説があった
どこで文楽と出会ったのだろう
「観音廻り」を付加する、横の動きのみの文楽に縦の動きを入れる、手すりをつけない、下駄をはかない
文楽の形式的伝統にとらわれない
杉本の構想説明を聞き、人間国宝を含む出演者は緊張する
変更すれば新たな問題が発生する どうするか
偏見をもたずに解決策を見出そうとする双方の真剣さ
視聴者の自分も緊張してくるほどの迫力
この段階で完全に虜になってしまった
「新しい曽根崎のリアリティー」美意識 ミリ単位の積み重ね 日本人の通奏低音
8月14-16日に5公演
出演者が舞台を初めて見るのは13日
光をできるだけ少なく
この世の名残 夜も名残 徳兵衛お初道行
涙が止まらない
17日、お初天神に参った後、送別会に向かった