森の家より。
冬鳥のアオジがやってきました。
あーん、とってもかわいい感じなのにピンボケじゃないの、クロジもやってきました。
アオジもクロジもそう長々とこの森にいる様子はありません。
毎年この時期に姿は見るけれど、クロジなどはほんの一週間ほどでどこかへ行ってしまいます。
この森はただの通過点らしいです。
明日はもっとちゃんと撮るぞー-。
なんだかおいしそう。
ちびからの奥さんは「焼き芋」、山姥は「ドラゴンフルーツ」を連想。
残念ながら松の実みたいなカサカサの芯に赤い種が詰まったものです。
初期の被子植物、まだ裸子植物の面影がある、いかにもそんな感じのホウノキの実。
このところよく見かけます。
ヒメヤママユ。
晩秋に繁殖行動をとりますが、あまりにも急激に寒くなったので繁殖できずに動けなくなっているのではないかと心配。
地味~に紅葉は進んでいます。
ナラ枯れの木もあるし、紅葉前に雪にあたって変色した木もあります。
ノブドウも霜にあたって葉は枯れてしまいました。
トルコ石色の実だけがグッと目を引きます。
さて、時間はさかのぼってこれから夏、と言う頃、隣の水工場の社長からお話がありました。
水工場と我が家の間の空き地を買うことになったと。
そして我が家のすぐ隣にももう一棟工場を建てると。
あまりのショックに実はこの夏は半分死んでいるような状態でした。
泣いたり怒ったり絶望したり・・・・。
ブログの更新がぐっと減ったのはそのせいです。
二年前、ドグヒロさんが死んで、ナラ枯れで大好きな大木が死んで、隣に水工場が建った時にすでにぐったりまいっていましたが、今回はとどめを刺された気分でした。
それでも悲しき日本人気質、何事もないようにニコニコしながらお付き合いしていたら、社長から「せっかく生えてきた木なんだから、欲しい木にしるしをつけてください。工事の時に重機で掘りだしてあげるから。」と言われました。
「WINーWINだね。」と夫は言うけれど、私にとってはあちらのWINが10で、こちらのWINは0,01。
それでもとっても喜んでお礼を言いました。
そうするしか他にありません。
引っ越してきた時にはここはカラマツ林で下にはフジザクラが咲いていました。
十数年前、いきなりカラマツがすべて伐採されショックを受けましたが、すすき野になってキジが営巣し、冬鳥の集まる場所になりました。
そして今は鹿の食べないメギやミヤマイボタやゴマギなどが育ち茂みを作り始めています。
自然の治癒力ってすごい。
ここで人間がこの土地をコンクリートで固めることになりましたが。
でももっと先のことを考えましょう。
きっと何十年も未来に工場が廃業したら、さっさとコンクリートを破って植物が生えてくるに違いありません。
そのころには私はもういないでしょうけれど、そのころにはきっと増えすぎた鹿も自滅して数を減らしているはずです。
温暖化効果で思いもよらない植物が茂るでしょう。
思いもよらない虫がやって来るでしょう。
人間の力は一瞬ですが、自然の力はもっともっと長い時間をかけてこの世界を支配しているのです。
そう考えなおして最近気持ちが落ち着きました。
で、ちびからの奥さんと来月末には更地にされる隣の土地の植物にしるしのテープを巻きました。
自分で掘れる程度の実生はその場で掘り。
メギの実生がなん十本も。
動物が種をウンチとして運んだらしく、一か所から何本も生えているので数か所掘っただけで大きな収穫。
鹿が食べないのでちびからでメギの生垣にします。
ウチは自力で掘れないような大株を重機で掘ってもらいます。
おお、メギにくっついていた秋色毛虫♡
束で毛が生えているのでドクガの仲間だと思いますが、同定できませんでした。
のどかな昼下がり、何かが歩いていきます。
白昼堂々のアナグマでした。
冬支度で大忙しなのかな。
どんどん荒れていく森ですが、まだまだ、生きている子たちがたくさんいます。
私ももうちょっと粘るしかないかな。