第170回 芥川賞・直木賞

 

12月14日に発表された今年の芥川賞・直木賞候補。

大変面白そうな作品が上がってきました。

 

……というのも、実は今回の候補作、1作品も読んでいないでこんな記事を書いています。

ですので、ネットで漁った解説と、題名と、雰囲気から受賞作を当てていきたいと思います。

 

今回、170回という節目を迎える芥川賞・直木賞。

伝統ある賞は誰の手元に届くのか、見物です。

 

ということで、

1月17日の発表を目前にして2日連続でド素人が徹底予想します!

今日は芥川賞、明日は直木賞の候補作を紹介していきます。

 

芥川賞・直木賞とは?

 

・芥川賞とは?

正式には「芥川龍之介賞」と言い、

『羅生門』や『蜘蛛の糸』で有名な文豪・芥川龍之介の名前を冠した賞です。

芥川賞は純文学の新人作家に贈られる賞で短編から中編が主な対象となります。

近年では「推し燃ゆ」で宇佐見りん先生や「この世界の喜びよ」で井戸川射子先生などが受賞しています。

 

ちなみに純文学とは主に「芸術性」などに重きを置いていて小難しい感じがします。

 

・直木賞とは?

正式には「直木三十五賞」と言い、

大衆文学の中堅作家やベテランに贈られる賞で主に中編から長編が対象となります。

最近話題となった日本大学理事長の林真理子先生や池井戸潤先生、辻村深月先生など有名な小説家が受賞しています。

 

ちなみに大衆文学とは芸術性よりも娯楽性に重きを置いていて読みやすい印象があります。

 

 

 芥川賞候補作

 

 

「迷彩色の男」――安藤ホセ 

 

 

ブラックボックス化した小さな事件がトリガーとなり、混沌を増す日常、醸成される屈折した怒り。

快楽、恐怖、差別、暴力。折り重なる感情と衝動が色鮮やかに疾走する圧巻のクライム・スリラー。

文藝賞受賞第一作。

(出版:河出書房新社より引用)

 

現代社会に対する闇を抱えてそうな雰囲気だなと思いましたが、合ってますか?

殺人が関係してくるようで読み進めるのが面白そうです。

 

 

「Blue」――川野芽生

 

 

高校の演劇部の主役を巡るメンバーたちとトランスジェンダーの物語。

『自分で選んだはずの生き方、しかし選択肢なんてなかった生き方。
社会規範によって揺さぶられる若きたましいを痛切に映しだす』

(出版:集英社より引用)

 

社会のあり方が問われる現代、いま最も読みたい作品だと思います。

おそらく本人の心境、そして周りの反応。

現代の課題を色濃く描いている作品なのではないでしょうか。

 

流行に便乗して多様性を訴える作品は多くあります。

その中でも評価されて候補に挙がってくるということは描写から読み取れることが多くあったり、

思いが強く伝わるような作品だと思います。

 

受賞してもおかしくはないでしょう。

 

 

「東京都同情塔」――九段理江

 

 

ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、

新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。

犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。

ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。

(出版:新潮社より引用)

 

んー、よく分かんない。

 

そもそも題名が…………こういう作品好きです。

絶対面白いやん!

 

たぶんSNSとか生成AIとか現代注目されているものに皮肉を効かせて書かれているような感じがするのですが、

現実離れした設定が面白そうです。

 

もしかしたらあり得たかもしれないザハ設計の新国立競技場と新宿御苑に犯罪者収容施設とか……

エグい

 

雰囲気的には大衆に近いのかもしれません。

 

 

「猿の戴冠式」――小砂川チト

 

 

いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。

ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。

言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。
――”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”

(出版:講談社より一部抜粋)

 

こちらも注目の「猿の戴冠式」

一度見ただけで題名を覚えてしまうインパクトです。

 

普通の人とは違う発想を持ってそう……当たってます?

 

よくこんな設定が思いつくなと思いますよね。

『猿の戴冠式』ですよ。

 

中身も濃そうで、買ってみようかなと思います。

 

自分の好み的には本命と言ってもいいかもしれない。

 

 

「アイスネルワイゼン」――三木三奈

 

 

32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。

そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へ転がっていくーー。

静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。

(出版:文藝春秋より引用)

 

カタカナの題名って苦手なんですよね。

というよりもカタカナ自体が少し苦手。

 

候補作のなかでは一番見えてこない作品かなと思います。

日常的って感じなんですかね。

 

「アイスネルワイゼン」

スペインのヴァイオリニスト・サラサーテが作曲した独奏曲、らしいです。

 

音楽というのは文面では表現しにくいですが、

心の葛藤と合わせながら書かれているのかなと思います。

 

 総評

 

様々な候補が挙がってきましたが、

私の個人的な好みは「東京都同情塔」か「猿の戴冠式」です。

 

それで大事な予想ですが……

僕は川野芽生さんの「blue」に賭けます。

 

純文学でこの考えだと可笑しいけれど、一番読みたいし、誰かに読んで欲しいと思う作品です。

いや、それだと芥川賞より本屋大賞よりな気がする。

 

……やっぱ、本命は「猿の戴冠式」

 

まあ、どれが受賞しても納得がいくと思います。

 

――といったように、ホントにド素人なので当てにしないでください。

少しでも文学の世界に興味を持ってもらえれば幸いです。

 

そして、明日は直木賞候補作について素人徹底解説!

お楽しみに!

 

2024/01/14 10年後に芥川賞を獲る森乃宮の話