先日…といっても数ヶ月前になりますが、2012年の京都市内のとある「音楽にあらずんば生物に非ず」な黄色いレコード店に行った時の事。

no music "の" life
店内をウロウロ歩いてCDやDVDを物色していて、レジ前の試聴コーナーを通りかかった時、ふと以前に見た事があるようなデザインのCDが。

"愛なき世界~Loveless"
「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」というイギリスのバンドの1991年リリースのCDアルバム"Loveless (邦題:愛なき世界)"でした。ちなみに私はリリースされたその年に購入しています。1980年代末から流行しはじめた、ノイジーでメロウな音作りが印象的な傑作アルバムです。

My Bloody Valentine (1984~ )
…ところで、何で20年以上も活動していないマニアックなオルタナ系イギリスバンドのCDが今さら試聴コーナーにあるのでしょうか?こちらのレコードチェーンでおなじみの、1000円ぐらいの激安輸入盤CDの在庫処分のためのキャンペーンか何かと思ったのですが実はそうではなく、デジタルリマスター盤として21年振りに本作が再リリースされたのだそうです。
何でも一部のオルタナ系ロック (「シューゲイザー」というジャンルなのだそうですが… ) の原点として今なお根強い人気があるのだそうで。私のようにその頃あたりから日本の「渋谷系」やブラジルの「MPB」に宗旨替えしてしまった洋楽ロック不信心者とは異なり、20年以上も新作リリースを待ち続けている熱心な古株ファンがいるかと思えば、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン ( 長いので以降「MBV」) の影響を受けたバンドのファンが、その音楽的ルーツを辿っていく内に彼らの存在に辿り着いて、新たにファンになっていくという現象もあるのだそうです。
そういった現象を受けてか、当時のリリース元である日本コロムビアではなく、なぜかソニーミュージックからリマスター盤が2012年に発売されるという運びになったようです。価格は通常版が税込2,405円で、マスター音源の異なる同内容異音質のCD2枚組というマニアックな構成となっております。私がリリース当時購入した価格が税込2,500円だったので、1枚あたり1202.5円という価格は一見オトクなように感じます。
ちなみに21年前に購入した、自宅にある ( たぶん ) 初回盤の "Loveless" です。

リリース元が異なるのでケースのデザインも多少異なるでしょう。ケース裏表の写真は同じだと思うので、あるとすれば全然違うであろうスリーブの21年前盤の拡大です。

しかしながら、録音するにしろ聴くにしろ一音一音のクオリティに徹底してこだわるクラシック音楽とは異なり、録音される時点ですでにノイジーな音作りがされているMBVの作品について、そこまで音のクオリティーにこだわる意味があるんだろうか?という率直な疑問もあるにはあるのです。オリジナル盤発売当時のようにアナログ盤レコードでも再販されるのならば、まだまだ意味もあるとは思うのですが。
それにお察しの通り、評価が高いとはいえしょせんはイギリスのマニアなインディーズバンドなので、当時としてもCD ( と当時はアナログ盤… ) がそれほど激売れするはずも無く、本来なら「過去の名盤シリーズ」とかで1枚組1,500円ぐらいで再販されるはずのCDだったと思うと、こたびの再販はオトクどころかマニア心理を巧みに突いたアコギな商法のような気がするのは私だけでしょうか?!

アコギじゃないアコギ☆YAMAHA LJ36ARE
という訳で。今回このネタを書くにあたってインターネットで色々検索してみると、何と長い沈黙を破って今年2013年2月に22年振りに新作がリリースされ、おまけに2月に来日ツアーまで行われるんだそうで☆ ( この記事がアップされた時点ではツアー終了していますが… )。マニアックなバンドの思わぬ (?) プチ特需に沸く不振の日本のレコード業界のネタでした。
補足:
本文中でMBVを「イギリスのバンド」と記述していますが、今回ネットで検索した結果、実は「アイルランドのバンド」であった事が判明いたしました★何と22年間も勘違いしていました(^_^;) 。ただブログ著述中にその事実が判明してしまったので、面白いので敢えてそのままにしておきます☆なにぶんネット普及以前に主に活動していたバンドなので、現在とは情報入手の質と量が圧倒的に違いますのでこんな勘違いも起こりうる訳です。
…それにしてもこの22年間、彼らはどうやって生活の糧を得ていたのでしょうか?「10年振りの新作リリース」とかがザラにある欧米ロックアーティストの謎ではあります。