
Antônio Carlos Brasileiro de Almeida Jobim (1927~94)
ボサノヴァの生みの親の一人である偉大なミュージシャンの名を与えられたこの空港に辿り着いたのは午前1時近く。大阪の関西国際空港を出発してから約2日と2時間ほどかかっての到着です。
ただ到着したのが真夜中だったので、空港自体は空いているのですが、市内へ向かうための交通手段が完全にストップしていました。ここリオの空港もご他聞に漏れず、市内中心部からかなり離れた位置にありまして、車でおよそ1時間ほどかかります

いちおう市内行きのタクシー乗り場もあるのですが、深夜ということもあってかタクシーは営業終了で1台も停まっておりませんでした。そのかわりに少々怪しげなオッチャンたちがマイカーとおぼしき車をタクシー乗り場のそこかしこに止めて談笑しておりました。

この後ろにオッチャンたちがずらっと停車…
いわゆる行政非公認の「白タク」というやつです。私が近くを通りかかると「乗っていかないか」とオッチャンどもが声をかけてくるのですが、仮にそんなタクシーに乗って市内に移動しようものなら、法外な料金を取られた上に治安の悪い夜のリオの街にポツンと降ろされてしまう事になるので、重い荷物を抱えた地理に不案内な旅行者である私は犯罪者の格好の獲物になってしまいます。
そのような高いリスクを抱えてまでわざわざ市内に出るのは得策ではありませんので、ここはひとまず空港内に留まって朝まで待つ事にしました。市内行きのバスが動き出す朝までの「籠城戦」の開始です。
…ちなみにその朝に撮影したリオの「マトモな」タクシーの画像です。

さて籠城の方法ですが、ご多分に漏れず欧米の主立った空港と同じく、リオの空港内にもトランジットを主としたホテルがあるにはあるので、最初そちらを利用してみようかと思いました。
空港内を案内表示に従って荷物を引いて歩いてゆくと、建物の隅っこの方でこじんまりとホテルが営業しておりました。4畳半ぐらいの小さなレセプションルームに受付の小さなカウンターがあって、そこにフロント係のお兄さんがヒマそうに勤務しておりました。どうにもホテルというよりは、空港内のはじっこの余ったスペースを「宿舎」みたいな感じで改装して営業しているようです。
フロントのお兄さんに一晩の宿泊代は幾らかと訪ねてみると、受付カウンターの後ろにある古びた掲示板を振り返って「この値段だ」と示しました。詳細な記録を残していないので正確な代金は忘れてしまいましたが、確か日本円に換算して1万5000円程度だったかと思います。
その時のブラジル滞在に利用するホテルの料金が1泊およそ7000~8000円程度だったと思うので、それよりもほぼ間違いなく住環境が劣るであろうホテルに、たかだか6~7時間泊まるだけにそんな大金を払いたくないな~と思ったので、チェックインは止めて空港内で一晩座って休めるような場所を探す事にしました。

まぁ人気の少ない深夜の空港の中という事で、待ち合いロビーなんかで空いたベンチを探すのにさほど苦労はしなかったです。季節も冬2月ではあったのですが、日本とは異なり赤道に近い常夏のリオデジャネイロなので、凍える心配も無く座ってゆっくり時間を潰すことができます。
だからといってうっかり眠ってしまうと、不審者に荷物を荒らされて金品貴重品を奪われてしまう恐れがあるので、眠るわけにはいかないでのす。オランダのホテルで多少睡眠を取ったとはいえ、疲労はすでにピークに達しています。おまけに口内炎まで発症しはじめて体調は最悪です。この状況下でダウンタウンの年末特番のような「絶対に眠ってはいけない空港・ブラジル篇」というのは非常にハードですが、止むを得ないです。

…果たして遠いブラジルの地で筆者である「私」は無事に朝を迎えることが出来るのか?! 長くなってしまったので、一旦切りあげて次回に続くです。