小ネタブログ「身近な自由貿易の嵐」 | 旅ログ~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆

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とあるフミンの「おでかけ」にまつわる四方山噺☆

前回の続きですよ☆


某国副大統領の陰謀にハマッて高いラーメンを買わされた次の日、今度はワインを買いにいったのです。


京都の街角


仕事の帰り。京都市内の北部をバイクで走っていると、たまたま一軒のワイン専門店みたいな店を発見したので、新規開拓の意味合いもあって入ってみました。


そこは小さな個人経営の酒屋で内装はけっこう綺麗なのですが、肝心のワインは床の上に置かれた木箱の中に特に整理されずに雑に置かれていて、産地にこだわる私としてはどこ産のワインがどこにあるのかよく分からずちょっとウンザリしていたのですが、ワインのラベルを一本一本見ていくと「Shumen」というどこか見覚えのある文字が目に入ってきました。


「Shumen」って何だったっけ…とワインのラベルを見ながら考えていると、ふともう一つ「Bulgaria」の文字が目に入ってきました。


Bulgaria


ああ、そういえばブルガリアの東部にそんな地名があったなぁ。それにしてもブルガリアがワイン産地であったとは!この時初めて知りました。思えばワインの原料である葡萄はもとはといえば中東が原産。その後現在のトルコやエジプトを経由してギリシャから他のヨーロッパに伝わったので、むしろギリシャに近いバルカン半島のブルガリアでワインを産するのは不思議では無いのかもしれないです。しかし話はブルガリアだけでは終わらなかったのです。


シュメン市


木箱に雑に入れられたワインを一本一本見てみるとその産地の多様さには感心するほどでした。ざっと挙げてみるとヨーロッパではフランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ポルトガル、ブルガリア、ギリシャ、ルーマニアのワインを見つける事が出来ました。…でもなぜか甘口高級ワイン「トカィ」で有名なハンガリーのワインは無かったですが。
あと最近おなじみの「新世界ワイン」は有名どころのチリや米国カリフォルニアは言うに及ばず、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチンのものがありました。中でも驚きだったのは葡萄の栽培には適さないはずの熱帯多雨気候の国、ブラジル産のワインを発見できた事でした。中東原産の葡萄の木は温暖かつ乾燥した土地を好むはずなので、果たしてブラジルにそんな土地があるのかと思ってラベル裏の産地を見てみると、ブラジル最南端のリオ・グランデ・ド・スル州が産地だと記されていました。確かに、彼の地・リオ・グランデ・ド・スル州(通称・ガウショ)はブラジルでも比較的涼しい過ごし易い気候だと知ってはいたのですが、葡萄の生育にも適している土地だったとは!ひとつ賢くなりました。


ブラジルワイン裏ラベル


あと飲酒を禁じられているはずのイスラム教の国、チュニジアやトルコのワインがあったのにもオドロキでした。確かにワインを醸造するだけなら禁酒の戒律には触れないと思うのですが、出来上がったワインのテイスティングはどうしているのでしょう?味を確かめずに出荷しているのでしょうか?それともテイスティング専門の従業員としてフランスなどワイン大国出身の異教徒を雇っているのでしょうか?謎は残ります。


と、いうわけで…小さな店内で1時間ほどワインで巡る世界一周を愉しんで、あまり長居するのも何なのでそろそろワインを買い付けて帰る事にしました。折角なんだし他では手に入らないモノを…と考えて、アタリマエに入手できる西欧や「新世界ワイン」でも有名どころのチリやカリフォルニア、オーストラリア、南アフリカはこの際避けて、今回は東欧諸国やチリ以外の南米など「第三世界ワイン」を主に購入しようと考えました。


まずはブラジルと聞いては居てもたってもいられない「ブラジルマニア」の私なので、ブラジル産ワインは即ゲット決定です。続いて「東欧萌え~」の気分も昂じたので、ちょっと高めでしたがルーマニア産のオシャレ目のラベルのワインを一本ゲット。あと最初に発見したブルガリアのシュメン産のワインにシャルドネが2種類あったのでこちらを両方ゲットで合計4本購入しました。


第三世界ワイン
ブルガリア(前列2本)・ルーマニア(後列左)・ブラジル(後列右)


4本まとめて正規の値札の値段で買うと、人件費とネームバリューの少ない第三世界ワインといえどもさすがに4,000円は超えます(それでも平均1,000円ぐらい…)。しかしレジにいた店長とおぼしき男性のところで勘定を済ませようと思うと、


「あぁ~、変わった産地をお選びですね~」


と、ひとこと。私は南米と東欧が好きなので、珍しいので買ってみたんですという旨を伝えると


「でもねぇ~、ちょっと年式の古いのもあるし、白だと味がへたってるかもなぁ…」


と、ぽつり。確かに、シュメン産の2本は1998年と2000年製で、赤だったら熟成が進んでイイ感じなんでしょうけど、私はワインは白しか飲まないので、当然今回購入の4本はすべて白なのです。白ワインというのがそもそも長期熟成には向かない(※1)と言われており、こんなに古い年式の白というのがまず店頭に出回ることが珍しいので、果たして味はどうなのか試してみたいという思いもあったのです。


「おいしくなかったら悪いから少しまけますわ」


と言って電卓を取り出して、値札を見ながら1本ずつ値段を決め直してくれて、結局2,500円ぐらいまでまけてもらいました。これはうれしかったですヽ(^▽^)ノ。


何でも店長さん(?)曰く、10年ぐらい前にチリワインブームやらの影響で、旧来の良く知られたワイン産地以外のワインも一部のワイン好きの間でブームになったそうで、シュメン産ワインはその時に入ってきたものらしい、という事です。こうやって世界のいろんな国の物品が日本で簡単に買えるというのも「自由貿易」の恩恵ではあるんですが、「自由貿易」は現在の世界経済を混乱に陥れている「新自由主義」と双子のような関係にあるので~経済的に強い国が経済的に弱い国と「自由貿易」の関係を結んで、互いの国の商品を自由に流通できるようにして、徐々に経済的に強い国が「新自由主義」による圧倒的な経済攻勢で経済的に弱い国の産業を浸食し、経済の自立性を失わせて間接的に支配下に置く、という図式~素直には喜べないですがね。まあそれはともかく大量の「第三世界ワイン」を購入してその日はご満悦で帰宅したのでした。





京都の街角





…さて、肝心の購入したワインの味なんですが…





う~ん、年代のせいか雑味が出て白のフレッシュさがだいぶ失われている感じでしたね。もう6~7年早く飲めばもっと美味しかったかなという感じです。まあ安かったんだしあまり言ってもしょうがないですか☆



さてフランスの事を書く、書く、と言っておいてだいぶ間が空いてしまってますね。予定外に国内をあちこち行っているのでその事も書きたいのですが…それはひとまず後回しにしてまずはフランス関係を優先させる事にしましょうか☆



註)

※1 ドイツや北フランス、ハンガリーで造られる、冬場に野外で凍らせたあと自然解凍させ、水分を減らして糖分を多くした葡萄を原料にして醸造した超甘口の「アイスワイン」や、「貴腐菌」と呼ばれる菌で変質させて同じく糖分を多くした葡萄を原料にして醸造したやはり超甘口の「貴腐ワイン」など、長期熟成に耐える白ワインもあるにはあります(少々お高いですが…)。