さてパリも3日目。今日からはすんなりと出かけられます。
まずは以前から行きたかった念願の場所へ。滞在先のホテルからメトロで3駅先のパリ18区の「バルベス」へと向かいます。
バルベスは以前より興味のあった所で、今から14年前の1994年にギターデュオの「ゴンチチ」の二人がイタリアとフランスを訪ねるというテレビ番組があって、その中で「アラブ系住民の多い地区」としてバルベスが紹介されていました。

バルベス・1994年
もとよりヨーロッパの文化もさることながらアラブの文化にも関心があったので、ヨーロッパにいながらにしてアラブの文化が味わえるという、1カ所で2度おいしいバルベスのあるパリに一度は行ってみたかったのです。実は今回の海外旅行でパリに行こうと思い立ったのも、そもそもはこのバルベスに一度は行ってみたいと考えていたからです。
そんなにアラブ文化が好きならどこかアラブの国に行けば良いじゃないかと思われるでしょうが、残念ながらアラブ諸国はとある「ユ」で始まる民族の「イ」で始まる国と「ア」で始まるとある合衆国との共犯関係によって日常的に紛争の絶えない地域になっておりますので…カネと時間に余裕が出て、さあどこか海外にでも行こうかな☆ということになると「イ」がガザ地区に侵攻したり、「ア」がバグダッドを爆撃したりして、中東諸国の外務省の渡航危険地域レベルがグッとアップして「渡航自粛」「ビザ発給不可」なんて事になってしまうのです。そういったこともあって比較的安全なヨーロッパでアラブの雰囲気が味わえるバルベスのような場所は、アラブ好きにとって貴重な存在といえます。
滞在先のホテルからすぐ近くのジョレス駅から3駅先がバルベスの最寄駅の「バルベス・ロシュシュアール駅」です。10分ほどメトロに揺られるとバルベス・ロシュシュアールに到着します。

バルベス・2008年
さて、到着したバルベスは一見すると普通のパリの下町のように見えるのですが…一歩街に入ると道を往く人たちのアラブ人率がグッと上がります。

それとともに商店もアラブ風の雑貨や衣服を扱う店が多くなります。何に使うのかよく分からないアラブ特有と思われる雑貨や、故郷のアルジェリアやチュニジアのテレビを見るためであろう、巨大なパラボラアンテナを扱う店が目立ちます。
ブログUP用にそんな商店の写真を撮ろうかと思ったんですが…アラブの人たちは商売熱心なので、うっかり写真を撮る素振りを見せようものなら「写真撮るんだったら代わりに何か買っていって~な☆」的なオーラを放ちながらこちらの様子をニコニコしながら見守るので、正直な所「珍しいものはあるけれど、特に買いたいものはない」といった品揃えで、なおかつその前日おみやげを買うためにひと散財した後で財布のヒモがワイヤー状態であったので、シャッターを押す指がどうしても固くなってしまって、遠巻きの写真しか撮る事が出来ませんでした。その点ご容赦を…。

それでも何か買うものは無いかと、14年前のゴンチチの番組で訪れたのとは違う店だったんですが、アラブ系音楽ばかりを扱っている現地の音楽ショップを見つけて入ってみたりしてみたんですが。

私はアラブの古典民族音楽がけっこう好きなのでそういうCDは無いかと探したのですが、どうにもライミュージック(現代アラブのポピュラー歌謡)とおぼしきCDばかりで…私はライミュージックはそんなに好みではないので何も買わずに店を出ました。まあ日本でも普通のCDショップにあまり雅楽や義太夫のCDが売っていないのと状況は同じようなものなんでしょうけれど。

バルベス・2008年
それでも発見といえば、日本では既に音楽ソフトの主力がCDに移行して久しかった1994年当時、バルベスではまだカセットテープしか売っていなかったのが、現代の2008年にはついに主力がCDに移行していたということでしょうか。ただ、一般家庭でもパソコンを使えばCDはおろかDVDも作れるこのご時世、当然と言えば当然なのでしょうけど。
アラブ社会は昨今のアルカイダ関連のニュースなんかで見るところ、かなりネットが普及しているようなので、あるいは我々日本人の知らぬ間に一気に「MP3ダウンロード」まで状況は進んでいるかもしれないです。

バルベス・1994年
それでもやっぱりバルベスに来た記念だから何か買わんとイカンと思い、あるアラブ衣装屋さんに入ってみたら、「アラビアのロレンス」みたいなキラキラと金の刺繍が入ったベドウィン(アラブの遊牧民)の礼服が売ってまして。

Thomas Edward Lawrence (1888~1935)
日本でもそうなんですが、世界的にこのテの店で男性用の民族衣装が売っているのは非常に珍しい事で、なおかつ価格も89ユーロ(約14,000円)と思ったよりお手頃だったので、ひとつ自分用のおみやげに買っていこうかな~と思ったのですが、ふと
「買ったはいいけど、どこで着るんだ…?」
というシビアな考えが頭をよぎり、急に冷静になって何も買わずに店を出ました。…結局バルベスでは何も買わず、写真だけを撮って次の目的地に向かいました。
10数年来憧れ続けて今回実際に訪れてみて、行く前は19世紀の画家ドラクロワの描いた異国趣味の絵のようなエキゾチックな場所を想像していたのですが、実際にはやや薄汚れた感のあるフランスの下町といった風情だったので少々不満は残りました。ただ「移民大国フランス」のある一面を見る事が出来たのでその点では良かったです。
さて次回はバルベスから歩いて約10分のところにある名刹「サクレクール寺院」にたむろする謎の男たちについてのネタです。
あとがき☆
ちなみに…このブログで使用した1枚目と2枚目の画像は、角度は違うのですが偶然にも両方とも同じ場所が撮られています。
1枚目は14年前の例のゴンチチの番組からキャプチャーしたもの、2枚目は今回の旅行で私が撮影したものですが、ともにバルベスのメトロの駅から出てすぐの場所の画像です。2枚目の画像の右端に赤い文字で「VANO」と書かれた看板が出ている建物が見えると思いますが、それが何と1枚目の画像の左手に見える「VANOPRIX」という文字が見える建物と同じ建物だったのです。
「VANOPRIX」というフランスのチェーン店のスーパーなのですが、1枚目の画像の右手に見える鉄骨むき出しの建物がメトロのバルベス・ロシュシュアール駅で、2008年の画像はそのメトロの駅から出てすぐの場所から撮ったもの、1994年の画像はその「VANOPRIX」の横から伸びている横断歩道から撮られたものです。
このブログに使う画像を探して14年前のビデオを引っ張り出して見ていたら、「あッ」てな感じで発見してしまいました。偶然とはいえ奇妙な嬉しさが込み上げました☆