この物語の教訓は、遊んでばかりいて将来困らないように、準備しておきましょうってことよね。草も生えない、雪のちらつく中で震えて氏ぬことになるからね。一生懸命に働いて働いて、働いて働いて働いた、アリさんたちのところには草があふれているね。この人たちはずっとこうやって幸せに暮らしていくんだね。

 アリっていうのはね、実は種類があるんだよ。身を粉にして働く働きアリがたくさんいる一方で、巣にこもっていいもの食べて幸せに暮らしているアリがいるんだよ。そんなアリに必死で貢いでるくせに、働きアリはワイをバカにしてくるンゴwwwww。ワイはキリギリスでニートだけど、ヴァイオリン弾いたり、歌を歌ったりして超充実してるンゴwwwww。社畜乙wwwww。

 働きアリってすごいンゴねぇ。朝起きたとほぼ同時に満員の巣穴を通って通勤して、ご飯を集めて集めて集めて、気が付いたら日が暮れてる。それでも、まだ働き続けて、食料を貯めて貯めて貯めまくるんだってよ。深夜に家に帰ったらご飯をゆっくり食べる余裕はない。食事の時間なんて栄養摂取の作業でしかないよね。それでまた次の朝は早くから働きに出る。毎日毎日その繰り返し、本当、何のために生きているのかな。人生、楽しいのかな。

 何でそんなに無駄に無駄に働くんだろうね。普通に考えて生産性悪すぎだろ。きっと頭の悪い仕切りたがり屋がいるんだろうね。ググったら働きアリの法則って出てきたンゴwwwww。「働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリとすっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。」ソースはwiki(キリ。

 要は、みんな程々に働きたいんだけど、意識高い系働きアリうぜぇwwwってことね。頑張ってる自分大好きって奴のせいで、無理なく働く奴らが悪者になっちゃう。好きで働くのは構わないからみんなに働くことを押し付けるなってことだ。秋が深まってきて、その意識高い系がワイにも働くことを強要してくる事件が起こったンゴwwwww。

意識高い系働きアリ「秋は実りの季節、今頑張れば冬に苦しまなくて済むんだ。今頑張らないでいつ頑張るんだよ!」

ワイ「食欲の秋、芸術の秋ンゴ。ご苦労様ンゴねぇ。」

意識高い系働きアリ「このまま何もしなかったら冬になって君は死ぬよ」

ワイ「おまえも所詮、使い捨ての働きアリンゴ。」

意識高い系働きアリ「とにかく、早く仕事を始めようよ。」

ワイ「ワイは遊ぶンゴ。」

働きアリって、春に生まれて、それからずっと働いてきたんだよね。厳しい日差しが照らしてくる夏を乗り越えてやっと迎えた秋。ワイも働きアリも秋が訪れるのは一生に一度きり。働きアリは楽しい夏を仕事仕事で失ったのに、秋も同じことでいいのかな。秋を逃せば、残る人生は冬を迎えるだけ。

働きアリは、巣の中で甘い蜜を吸っている奴らのコマの一つに過ぎない。どれだけ仲間に貢献しても、地位が変わることはない。生まれてから死ぬまでずっと働きアリ。ずっとずっと世のため人のために働き続けても、残るものは立派な巣と幸せな暮らしをしているアリだけ。もちろん、誰かが働かないとこの立派な巣は成り立たない。でも、立派な巣を守るために生きることが本当に幸せなのかな。そいや、ググってみたら、働きアリは生殖能力が未発達で子供を産むことはできないらしいンゴ。

働きアリは幸せな暮らしをする誰かにご飯を運ぶただのロボットでしかない。誰かに感謝されることもなく黙々と仕事をこなしているだけなんだ。働きアリは、本当はそこに気が付いているんじゃないかな。だけど、それを認められないんだろうね。認めてしまえば、自分は代わりなんていくらでもいる価値のない生き物なんだという現実を認めることになるからね。現実から目を背けるためにも、働きアリは働き続けるしかないんだろうね。意識高い系働きアリだって、結局は価値のない自分から目を背けて、意識高く働くことで、アイデンティティを保っているだけさ。本当にただ切ない存在なんだね。

だんだん山が赤くなってきたようだね。ワイはこの秋、頑張る働きアリを横目に、2chを眺めつつ、ずっとヴァイオリン弾いて、歌を歌ってたンゴ。そいや、最近、同級生がどんどん結婚し始めたんだ。結婚なんて人生の墓場なのにwwwww。わざわざ、人生の墓場に飛び込んでいくなんてすごいねぇ。せっかく大人になったのに、一生を嫁のご機嫌取りで終わらせるとか惨めすぎるンゴ。ワイの嫁は画面の中にいるけど、やっぱり嫁は二次元が一番。不細工な嫁の尻に敷かれた人生なんて絶対嫌ンゴ。

今日はサボり働きアリの一人とオフ会やるンゴwwwww。せっかくだから、ワイはヴァイオリンを披露しようと思ってるンゴねぇ。秋が深まってきて、働きアリが一番働かないといけない時期に企画したオフ会。これに来ちゃうなんて相当カッスな働きアリンゴねぇwwwww。こいつならニートのワイでもバカにできるンゴwwwww。待ち合わせ場所は銀杏の実がたくさん落ちてるイチョウの木の下を指定されたンゴねぇ。銀杏の実が落ちてて超臭いんだけど、何か言って面倒なことになっても嫌だし、ここは無能働きアリに合わせてあげよう。無能はこういうところの配慮が欠けているンゴね。

ワイは有能だから、待ち合わせ時刻の一時間以上前には到着したンゴ。ってか、銀杏の実がマジくさい。朝早くから銀杏の実を運ぶ働きアリがいるンゴねぇ。ワイ、こんなもの触りたくもない。そうこうしているうちに待ち合わせ時刻になった。無能働きアリは時刻ぴったりに来ンゴ。こういう時は少し早く来るのが常識だとワイは思うんだけど、初対面だし心の広いワイは文句を心の中に抑えたンゴ。

とりあえず、銀杏の実クッサってなるから、赤い紅葉の木の下に移動した。無能働きアリなんてニートのワイと変わらないから安心してお話ができたンゴ。まずは、ワイの話題から。リアルで会話するのなんて久しぶりンゴねぇ。意識高い系働きアリのせいでワイは外に出るのを控えていたンゴ。ヴァイオリンの演奏を披露したらめっちゃ褒められたからワイの気分は最高潮だったンゴ。

次に無能働きアリが喋り始めたンゴ。なんかこいつまだ銀杏くさいンゴね。まあ、リアルだしさすがに黙っておくンゴ。すぐサボる無能って本当に無能ンゴね。昨日働いたのは1時間だけ、その前も2時間も働いてないんだって。働かない働きアリってそれこそ生きる意味がないじゃん。さすがのワイも説教してやったンゴ。

「おまえは何でちゃんと働かないの?おまえが休憩している間にみんなは一生懸命に働いて、仲間が冬を越して春に新しい命を迎えられるように頑張ってるんだよ。残念だけど、おまえは子供を持つことはできない。自分の血をつなぐことはできなくても、仕事をこなすことで次の世代に貢献することはできるよね。このままサボって遊んでていいの?。」ってね。無能はニヤッとして何も言わなかった。

 秋が深まり、木の葉が落ち始めてきた。ワイの人生はこの葉っぱと同じなんだよなぁなんて思いながら眺めていたところ。生まれてからずっと遊んで生きてきたワイ。秋の終わりに気が付いたことがあるんだ。一番のゴミは、意識高い系働きアリでも、サボり働きアリでもなくワイだったんだってことにね。ネットの知識だけで人を見下して、好きなことばかりして生きて、結局は何の深みも面白みもない人生だった。ワイが何かを語っても、みんな心の中ではバカにして笑われていた。みんなは割り当てられた世の中での自分の役割を果たしている。よく考えたら木の葉もそう。周りはみんな結婚して、次の世代の卵を残して死んでいく。子孫を残せない働きアリをバカにしていたワイは卵を残すどころか相手すらもいない。ワイの人生ってなんだったんだろう。ヴァイオリンだって才能のある他のキリギリスには敵わない。いくら歌を歌っても、誰も惹き付けることはできなかった。誰かの、何かの役にすら立っていない。このままワイは死んでしまうんだ。それは虚しすぎる。ワイは神様に祈った。「神様一生のお願いです。ワイも何か世の中の役に立ってから死なせてください。」

 そうは言っても、もう身体は動かない。ワイが見下していた働きアリたちは「死ぬことが一番世の中のためになるんじゃない?」と笑う。気が付くとワイはそのまま、立派なアリの巣に運ばれていった。ワイもワイを運んだ働きアリたちも、ちらつく雪を見ながら息絶える。結果的に立派な巣の中で、ワイも働きアリも次の世代の働きアリに貢献することができた。たくさんの食べ物に囲まれた環境で冬越しするアリたちの笑い声だけが立派な巣には残った。