皆様こんにちは。栄養を科学する抗加齢歯科医、森永宏喜です。
Xの投稿に力を入れていたため、こちらは久しぶりです。この記事もXとリンクしています。
お酒好きには見逃せない論文が、スペインから発表されています。UKバイオバンクのデータを使用して、高齢者におけるアルコール摂取パターンと12年間の死亡率との関連を調査したものです。
具体的には、60歳以上の飲酒者を対象とし、1日あたりの平均アルコール摂取量に基づいて、飲酒パターンを分類しました。
研究の目的:
- アルコール摂取パターンと12年の死亡率との関連を調査し、健康や社会経済的リスク要因による影響を確認すること。
研究デザインと対象者:
- 前向きコホート研究(スタート時点から未来へ対象者を追跡)
- UKバイオバンクに登録された60歳以上の飲酒者(135,103人)。
アルコール摂取の分類:
- 機会飲酒:1日2.86g以下
- 低リスク:男性2.86g~20.00g、女性2.86g~10.00g
- 中リスク:男性20.00g~40.00g、女性10.00g~20.00g
- 高リスク:男性40.00g以上、女性20.00g以上
主な結果:HR(危険率HRは機会飲酒を1として比較)
- 高リスク飲酒者は、全死亡率(HR 1.33)、がん死亡率(HR 1.39)、心血管疾患死亡率(HR 1.21)が有意に高い。
- 中リスク飲酒者でも、全死亡率(HR 1.10)とがん死亡率(HR 1.15)が高い。
- 低リスク飲酒者でも、がん死亡率(HR 1.11)が高い結果となった。
- 健康や社会経済的リスク要因がない場合、低リスクや中リスク飲酒者と機会飲酒者との間に明確な関連は見られなかったが、リスク要因がある場合には、これらの飲酒パターンが死亡率に影響する。
- 特に健康関連リスク要因がある人では、低リスク飲酒ががん死亡率(HR 1.15)に、中リスク飲酒が全死亡率(HR 1.10)とがん死亡率(HR 1.19)に関連。
- 社会経済的リスク要因がある人では、低リスクおよび中リスク飲酒が全死亡率とがん死亡率を高める。
- ワインを好んで飲む人(摂取アルコールの80%以上がワイン)や食事中に飲酒する人は、特にリスク要因がある人において、死亡率が若干低い傾向が見られた。
結論:
このコホート研究では、健康や社会経済的リスク要因を持つ高齢者において、低リスク飲酒であっても死亡率が高まることが確認された。ワインを好んで飲むことや食事中の飲酒が死亡率を低下させる可能性があるが、これは健康的なライフスタイルやアルコール吸収の遅さ、あるいは飲料の非アルコール成分による影響である可能性があるため、さらなる研究が必要である。
原著論文はこちら;
飲酒は食道がんのハイリスク因子として知られていますが、食事と一緒なら消化器粘膜への刺激も柔らぐでしょうし、赤ワインのポリフェノールは当然健康にいいでしょうからね。
ちなみに、ビール350mL(レギュラー缶)で14g、ワイン120mL(グラス1杯)で12gとのことです。
ワイン4杯飲んだら高リスクか・・💦吞兵衛の皆様、気を付けましょう!
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