皆様こんにちは。栄養を科学する抗加齢歯科医、森永宏喜です。
先月から1年間の予定で法研出版の雑誌「ヘルスアンドライフ」にコラムを執筆しています。健康保険組合加入者向けですので書店ですぐに手に取って頂くことは出来ません(定期購読は可能)が、「こんなことを書きましたよ」ということをお伝えしていきます。版権の関係もあり、内容を一部変更しています。
この特定(メタボ)検診に2018年4月から、次の3段階の確認事項が加わりました。
①何でもかんで食べることができる
②歯や歯ぐき、かみあわせなど気になる所があり、かみにくいことがある
③ほとんどかめない
なぜ「かめるかどうか」を確認するのでしょう?それは「かめること」とメタボ、肥満が密接に関係しているからです。
☆気づいてからでは手遅れ
平成29年国民健康・栄養調査によれば、「なんでもかんで食べることができる」、「20歯以上の歯を持つ」人の割合は60歳代に入ると急速に減ります。しかしそれは60歳で突然そうなったのではなく、40歳代以降に急速に、密かに増加する歯周病が大きく関わります。
しかも自覚症状に乏しいため「気づいて時には重症」というのが珍しくないのが実情なのです。
☆かめないことで食事が片寄る
歯が痛かったり、歯を抜いたりした当日は「お粥にしたよ」という方も多いのではないでしょうか。炭水化物(糖質)が主成分のお粥はエネルギー確保はできますが、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などは不足します。かめないということは摂取できる食材の種類が減り、また精製糖質の割合が多い加工度の高い食品が多くなるので、栄養の片寄りと不足を招く大きな原因となります。
☆歯周病とメタボの悪循環
過剰な糖質は体内で脂肪に変換されます。それを蓄えるのが白色脂肪細胞です。白色脂肪細胞は数は増えないもののパンパンに太ってしまいます。
肥大した脂肪細胞はTNF-α、IL(インターロイキン)-6などの「炎症性サイトカイン」という、メタボを悪化させる情報伝達物質を放出します。そして厄介なことに、同じ物質が歯周病の病巣からも全身に放出されるのです。
肥満・歯周病によって血糖値の調節が悪くなり、糖尿病が進行してさらに太り、歯周病がますます悪化する・・・。この悪循環を断ち切るには歯周病をコントロールし、咬める環境を取り戻すことが是非とも必要です。そんな訳でメタボ健診でも「かめるかどうか」を確認するようになったのです。
歯周病は「沈黙の病気」ともいわれ病状がかなり進行するまで目立った症状は出てきません。いま、かむのに不自由がなくても特定検診を機にクチもチェックし、かかりつけ歯科を持つことをオススメします。
(ふしめ検診の有効活用を)
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