皆様こんにちは。
栄養を科学する抗加齢歯科医
森永宏喜です。
このブログをお読みの方は
「タンパク質の重要性」については
理解されている方が多いとは思い
ます。.
でも臨床の現場で患者さんの
食事指導にたずさわっていると、
よほど勉強された方でない限り
十分な量のタンパク質は摂取
できていないのが現実です。
その原因のひとつは
「タンパク質の役割」
が十分ご理解頂けていない
からだろうと感じています。
どうしてタンパク質は大事
なのでしょうか?
改めて考えてみたいと思います。
☆タンパク質でなければ出来ないことがある
・構造タンパク質
→肉体を作るのはタンパク質です。皮膚、
爪、歯や消化管上皮、筋肉を作る
コラーゲンもタンパク質。
骨の基質(骨組み)もコラーゲンです。
これらが不足すれば身体の構造体は
減少し、萎縮していきます。
カロリーオフダイエットが不健康に
やつれるのはこのためです。
・運搬タンパク質
→ビタミンやミネラル、各種ホルモン、
そして薬剤も血液中には単独では
存在しません。
それらの分子構造を守りつつ身体の
必要な場所まで運び役割を発揮させる
のには、それらと結合して運搬する
タンパク質が必要です。
代表的なものは身体全体に酸素を運ぶ
ヘモグロビンがありますね。また各種
ホルモンにも特異的な運搬タンパクが
あり、それと結合することでホルモンは
不活性化するので活性化度の調整役
でもあります。
・機能タンパク質
→小腸で分泌されるタンパク質分解酵素
などはタンパク質です。タンパクを吸収
するのにもタンパクが必要ということですし
、ホルモン(血糖値を下げる作用がある
インスリンンなど)・抗体(粘膜の一次免疫
の主体であるIgAなど)の材料にもなります。
またホルモンの作用部位で結合して効力を
発揮する受容体(レセプター)もタンパク質
であることが多いです。
脳内の神経伝達物質の原料もタンパク質
(アミノ酸)なので、不足すると集中力の
維持・情緒の安定・認知機能などへの
悪影響も心配されます。
☆食事の中心に「動物性タンパク」を置こう
「ではどのような食材を摂ればいいのでしょう?」
という疑問がわいてきますよね。
食物によってタンパクの種類は異なります
ので、それを構成するアミノ酸の種類と
量は異なるわけです。
理想的なアミノ酸組成という点では、
植物性より動物性タンパクのほうが
優れています。
さらにビタミンB群で野菜類に豊富なのは
葉酸だけで、他は肉・魚類に豊富です。
特にB12は動物食品以外からの摂取は
非常にむずかしく、菜食主義者の人は
欠乏しやすいと言われています。
また吸収のよい有機鉄(タンパクと結合
している鉄、ヘム鉄)は肉や魚からしっかり
摂ることができます。植物性の無機鉄の
吸収率よりずっと高いです。
このあたりの知識を分かりやすく
「腑に落ちる」ようにお伝えすることが
出来れば、タンパク質をしっかり摂って
くださる方がもっと増えるのではと
期待しています。
ますます工夫が必要ですね。
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