栄養を科学する抗加齢歯科医
森永宏喜です。
多価不飽和脂肪酸のオメガ3を
多く含む魚油が血中脂質レベル
を改善して、血栓症を減らし、
血管の機能を改善する
と言われています。
これまで多くの研究がありますが、
遺伝子タイプと血管内皮細胞の
マーカーに関する面白い研究を
見つけました。
イギリスの研究者は一酸化窒素
(NO)に対する遺伝子タイプから
心臓血管病の中等度のリスクを
持つ84人の男女を被験者とした、
魚油サプリメントを1.5g/日摂取
(0.9gの EPA、0.6gのDHA )を
摂取する8週間のRCT研究を
行った。
結果;
循環する血管内皮前駆細胞数の
増加がプラセボグループで5.17の
増加だったのに対し、魚油摂取
グループでは平均126.5増加した。
さらに、内皮細胞の微粒子数
(障害のマーカー)が魚油グループ
で平均8.75減少したが、プラセボ
では2.74の減少だった。
著者によれば
「内皮細胞の障害、健常性と修復のための細胞性マーカーはオメガ3の多価不飽和脂肪酸の摂取により有利な改変を受ける可能性がある」
とのこと。
血管内皮細胞は、血管内壁に
絨毯のように敷き詰められて
いる細胞です。
これが様々な酸化ストレスなど
で痛めつけられるところから
動脈硬化はスタートします。
血栓や梗塞がおきる最初の
一歩ですから、内皮細胞を
健康に保つのがとても大切
なわけです。
一酸化窒素(NO)は血管内皮
機能を健全に保つためにとても
大事な要素ですが、その産生能
に関する遺伝子のタイプに
よらずオメガ3は有効だった
というのが興味深いですね。
そして1.5g/日のオメガ3を継続
して摂取するのはサプリメントを
使うのが一番簡単と思われます。
WebでFull Textが入手できます。
専門家の先生方はご参照ください。
Fish-oil supplementation alters numbers of circulating endothelial progenitor cells and microparticles independent of eNOS genotype
Szu-Yun Wu, Jordi Mayneris-Perxachs et al;
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