聞く能力は、話す能力と同じぐらい大切である。私と弟妹は、ごく小さいころから、口喧嘩をするたびに「お互いに相手の鏡になりなさい」と母に教えられた、いや、命じられた。つまり反論する前に相手の言葉を繰り返し、理解したことを示さなければならない。
例えば、妹と私はある日キャンディーのことで喧嘩になった。「シェリルが最後のキャンディーを食べちゃったの!」と妹が泣き叫ぶ。「だって昨日あなたはキャンディーもらったでしょ。私はもらわなかったわ」と私が妹に怒鳴り返す。これがまさに「鏡」になるべき瞬間だ。母は私たち二人を向い合せに座らせる。そして私は、妹の気持ちを認めるまでは、キャンディーの配分が不公平だったという反論をしてはいけない。「最後のキャンディーを私が食べてしまったのでがっかりしたことはよくわかるわ。あなただって食べたかったんだものね」。これをいうのは確かに苦痛だし、不面目でもある。だが相手の論点を繰り返すことで、彼我の意見の違いが明確になり、それが議論の出発点になる。誰だって自分の意見を聞いてもらいたいと思っている。そして、こちらがちゃんと聞いていることを示すだけで、誰もがよい聞き手になれるのである。
問題の存在に気付くことは解決の第一歩である。自分の行動が他人にどう受け取られているかを知ることは、まず不可能だ。他人がどう思っているかを推測することは可能かもしれないが、直接聞くほうがずっと手っ取り早い。本音が聞ければ、大事に至らないうちに自分の行動を修正できるだろう。それがわかっていても、人間はなかなかインプットを求めようとしないものである。

仕事と家庭の両立は難しいというメッセージは巷に溢れている。これが「work life balance」と名付けられていること自体、両者が真っ向から対立するという印象を与える。この二項対立で、誰がlifeを捨てられるだろうか。となれば必然的にworkが押し出される。

だが、シャロン ミアーズとジョアンナ ストローバーが「50:50を手にいれるには」を出版した。同書には、両親が家計と育児の責任を半分ずつ負担すれば、、、子供たちは力強く成長することをデータがくっきりと示しているのだ。

by SHERYL SANDBERG, "WOMAN, WORK, AND THE WILL TO LEAD"


本日の名言

ものを貰えばありがとう。お世話になったらすみません。とりちらかしたらあと かたずけ。別にむつかしい理屈も何もない。
ところがこれに理屈がつく。手前勝手な理屈がつくと、いつのまにやら片付け不要。平凡なことが何やらむつかしいことになって。

そんなことが、今日このごろはあまりにも多すぎは しないか。
それもこれも、つまりは自分なりの都合のよい道を求めてのことであろうけれども、自他ともの真の繁栄への道は、本当はもっ と平凡なところにある。みんなが納得するしごくあたりまえのところにある。別にむつかしく考える必要はないのではないか。

by松下幸之助 道をひらく


本日の名言

非常な水泳の名人から、いかにすれば水泳が上 達するかという講義をきくとする。かりに 三年間、休まず怠らず講義を受る。 それでめでたく卒業の許しを得たとする 。だがそれだけで実際に直ちに 泳ぎができるだろうか。講義をきくだ けでは泳げないのである。
やはり実際に身体を水につけねばならない 。そして涙のこぼれるような不覚の水も飲まなけれがならない。ときには、死ぬほど の思いもしなければならないであろう。
そうしてこそ水に浮けるし、泳ぎも身につく。体験の尊さはここにあるわけである。
単に教えをき くだけで何事もなしうるような錯覚をつつしみたい。

by松下幸之助 道をひらく


本日の名言

 私たちは、よい結果に狙いを定めながらも、その結果と調和しない思いを巡らすことによって、その達成を自ら妨害する傾向にあります。

例えば報酬が少ないことを理由に仕事をサボる、即ち雇用主を騙す人がいます。
例えば、暴飲暴食を辞めず、結果として慢性病を患っている裕福な人がいます。健康を取り戻すために莫大なお金を費やす一方、自分の異常な欲望は押さえようとしません。
例えば自分の繁栄を願い、従業員の正当な給与を削減する雇い主がいます。自分の会社が信用を落としたりすると、それを従業員や環境のせいにする人がいます。


本日の名言

気高い思いばかり巡らしている人が、邪悪な道に落ち、苦悩する、などということは決しておきません。
同様に、邪悪な思いばかりを巡らしている人が、気高い目標を達成して真の幸せを感じる、などということも絶対に起こりません。

by JAMES ALLEN, AS A MAN THINKETH