「どうやったらうまくやっていけると思う?」友人のこの言葉に、正直少し違和感を覚えた。彼女の旦那さんは半年に一度ブチギレて、最近では子どもにまで手が出るようになっている。それなのに「うまくやっていきたい」という考えに、私の中でモヤモヤが広がった。


私だったら、そんな状況になった瞬間に子どもを連れて実家に帰る。安全第一だし、それ以外の選択肢なんて考えられない。けど、彼女はそう簡単には動けないらしい。実際に一度、実母に相談したことがあるらしいんだけど、「家庭で起きたことは家庭で解決しなさい」「耐えるのも妻の役目」と言われたんだとか。その言葉が彼女の心をさらに縛っているように感じた。


「実家に帰れないなら、せめて第三者に相談を」と言ってみたけど、彼女はまだ旦那さんを信じたい部分もあるようで、話をはぐらかす感じだった。「爆発することもあるけど、普段は優しいの」と言われると、何も言えなくなる。


でも、やっぱり一番心配なのは子どもだ。髪をつかむ程度で済んでいるうちに、何とかしなきゃいけない。これ以上エスカレートしたら取り返しがつかないかもしれないのに、「耐えなさい」という母親の言葉が彼女を動けなくさせている。


友人としてどこまで踏み込むべきか分からないけど、彼女が本当に動き出す時には力になりたいと思う。だけど、それが遅すぎることにならないよう、もう一歩何かできる方法を探さなきゃいけないのかもしれない、と自分自身にも問いかけているところだ。


大学からの友人から久しぶりに連絡があった。最初は他愛ない話をしていたんだけど、ふとした瞬間に彼女の声が沈んで、「実は相談があって…」と話し始めた。その内容に、正直言葉を失った。


彼女の旦那さんは普段は穏やかだけど、半年に一度くらいの頻度で爆発するらしい。些細なことがきっかけで怒りがコントロールできなくなって、時には大声を上げたり物に当たったりするんだとか。そして最近、いよいよ子どもにまで手が伸びることがあると言う。髪をつかむ程度で終わったとはいえ、彼女の不安は明らかだった。


「どうやってこれからもうまくやっていけばいいんだろう?」という彼女の問いに、私は答えられなかった。正直、これ以上続けることが彼女や子どもにとって本当にいいことなのか、心の中でずっと考えていたから。でも、彼女にそれを直接言うのは違う気がして。


「まずは信頼できる人や専門家に相談してみない?」と伝えるのが精一杯だった。自分が彼女の立場だったらどうするだろう、と考えたけど、簡単な答えなんて見つからない。家族の問題は、外からは見えにくい部分が多いし、彼女自身がまだ「うまくやっていきたい」と思っている以上、無責任に「やめた方がいい」とは言えなかった。


それでも、子どもの安全は何よりも優先されるべきだと思う。友人として彼女を支えたい気持ちはあるけど、最終的な決断は彼女自身に委ねるしかない。



4歳の妹は今でこそ健気に幼稚園に通っているけれど、実は彼女も行き渋りがあった時期があった。朝になると「幼稚園行きたくない」と泣きながら抱きついてきて、全然準備をしようとしない。兄が「学校行きたくない」と泣いている横で、妹も「行かない!」と主張する日々。あの頃は、もう本当にカオスだった。


兄も妹も泣いている中、私一人でどうにかしなきゃいけない朝の時間。仕事のことも頭をよぎるし、時間はどんどん過ぎていくしで、心がパンクしそうだった。二人の涙に向き合いながら「私が泣きたいんだけど」と何度も思った。誰にも頼れない感じが、余計に追い詰められた原因だったのかもしれない。


それでも、何とか一日一日を乗り越えてきた。妹は少しずつ「ママと一緒なら行ける」と言いながら幼稚園に向かうようになり、今では「お兄ちゃんが休んでても、私が頑張る」と言えるまでに。だけど、その言葉を聞くたびに、健気な妹に甘えすぎていないか心配になる。


あの「カオス期」を振り返ると、うまくやれていたとは思えない。でも、親だって完璧じゃないし、全てに正解を出せるわけじゃない。だから今は、兄も妹もそれぞれのペースで進んでいけるよう、見守ることを自分に許している。たまには自分も泣きたい日があっていい、そう思えるようになったのは、あの混乱の時期があったからかもしれない。