マラハン植林活動 | ダバオ案内所

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NPO法人 日本フィリピンボランティア協会(JPVA)スタッフが現地からお届けします!

スタディーツアーの学生と一緒に、マラハンという場所まで植林活動に行ってきました。




熱帯雨林に覆われたイメージのミンダナオですが、よくよく見るとハゲ山だらけです。

なぜかというと、ラワンという木がコンパネ(内装用のベニヤ板)などに使われるため、一時期大量に伐採されました。うち50%以上を日本が伐採したと言われています。

木がなくなってしまうということは、単純な問題でなく、

・山を支える根がなくなり土が流れ出し、農業や居住できなくなってしまう。

・森がなくなったことにより周囲の気温が上がり、生活や農作物にも影響を及ぼす。

・山が保水できなくなったことにより、水不足になってしまう。

・国鳥であるフィリピンイーグルが絶滅の危機に晒されるなど生態系を崩す。

などなど。様々な弊害が起こります。

国土の7割あった熱帯雨林は、今や2割程度だそうです。当然環境の変化による弊害も起こっています。

一部では、「日本は、戦争、環境破壊と2度もフィリピンを侵略した」などと言われていたそうです。

日本人として、とても残念で申し訳ない気持ちですね。



熱帯雨林を戻すには100年以上かかると言われていますが、次のジェネレーションのことを考え、JPVAではハゲ山を一つ買い植林活動を行っています。

同行してくださるのは、オーソリティのオベンザ先生です。80年代から学生らとともに毎週植林活動を続けて来たという方です。




実際に植林した場所を見せていただきましたが、30年前に植えたという苗が立派な木に育ち、すっかり森になっているように見えました。しかし実際には野生動物は戻っておらず、本当の意味での再生にはまだまだ程遠いとの事でした。



学生達への通訳をしながら、一言一言が胸に突き刺さります。

残念なことに、再生の最大の敵は人間だそうです。人間が入って苗を踏んだり抜いてしまったり、お金欲しさに畑にしてしまったり、またせっかく戻ってきた野生動物をハンティングで殺してしまうそうです。立ち入りを制限したとしても、周囲の環境、例えば近隣の農園などで使用している農薬の影響を受けて生態系が崩れてしまうことも多いとのことでした。



「昔は、森と人間が共存していた。しかし、人間が森を侵略し始めてから、様々な弊害が起こっている。

何であれ、いま1番大切なのは植林しつづけること。植林は、人間と環境をつなぐ大切な絆である」

と最後に仰っていました。



学生と一緒に植えた苗が一日も早く大きな木になってくれることを切に願うと共に、これらも定期的に植林を続けていく重要性を痛感した1日でした!