台風ヨランダ被災地支援の近況報告 | ダバオ案内所

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NPO法人 日本フィリピンボランティア協会(JPVA)スタッフが現地からお届けします!

1月29日、30日でパナイ島北イロイロ州コンセプシオン町の離島、バランガイボトゥログに訪れてきました。

イロイロ市内からコンセプシオンへ向かう道から見える景色は、2013年11月25日に初めて現地を訪れたときと比べて大きく変わり、ときどき倒木や破損した家屋を見かける他は、復興が進んでいるかのように見えました。しかし、現地の人に聞くと、いまだに電気は通っていないとのこと。夜になると真っ暗な中、火を焚いて食事をつくっているというのは、被災してからずっと変わっていません。ヨランダ被災から2014年2月8日で3ヶ月となりますが、「復興のスピードはいたって遅い」というのが現地で復興にかかわっている職員の声です。

 離島のバランガイボトゥログへ訪ねるのは、2013年12月19日以来でした。前回訪問した際に寄贈したチェーンソーやテント生地をしっかり使用してくれているか不安でしたが、良い意味でその不安は裏切られました。チェーンソーもテント生地も、私の予想以上に効果的に使用されていたのです。

ボトゥログに居住している55家族のうち、35家族が、皆様からお預かりした募金でJPVAが寄贈したチェーンソーを使用し、漁のための船をつくっていました。島民は漁で生計を成り立たせているため、船は生きていくために必須のものです。バランガイキャプテンをはじめ、島民の皆様から日本の支援者に感謝の言葉をいただきました。



寄贈したチェーンソーを手に塗装中の船の前にて

組立中の船
組み立て中の船

完成し、既に漁で使用されている船
完成し、既に漁で使用されている船

また、2013年12月19日に訪問した時点では、島の上部に位置する島で唯一の医療センターへの道は倒木でふさがれ、妊婦や病人が歩いてたどり着ける状態ではありませんでした。チェーンソーを使用し、倒木が片づけられた結果、以前のように医療センターを使用できるようになりました。


以前の医療センターへの道(2013年12月19日撮影)


現在の医療センターへの道(2014年1月29日撮影)

さらに、小学校に関しては、2013年12月19日時点では薄いビニルシートで木の枠組みを覆っただけの小屋を仮設教室として使用していたのですが、生徒全員が入れるスペースはありませんでした。
頑丈な素材のテント生地を寄贈したため、それらを利用して新たな仮設教室が設営されていました。日よけになり、雨風もしのいで授業を行うことができると、子どもも先生方も大変感謝してくれていました。


仮設教室。全生徒が入りきらず、風もしのぎにくかった(2013年12月19日撮影)



以前の仮設教室周辺の様子(2013年12月19日撮影)




現在は新しくテントを設営し、教室として利用している(2014年1月29日撮影)


強風にも耐えられるよう、低めに組み立てられている(2014年1月29日撮影)



寄贈したテント生地で組み立てた教室の中の様子(2014年1月29日撮影)


生徒の親や先生たちで、子どもが昼食をとる場所を建設中(2014年1月29日撮影)

被災地はいまだ電気が通っておらず、台風被災後3ヶ月間、ずっと厳しい暮らしをしているという現実は変わっていません。学校も今はあくまでも仮設であり、雨風をしっかりしのげる本格的な校舎建設に向けて動いていかねばなりません。

これからも被災地復興に向け、現地の方々とともに力を合わせて取り組んでいきます!