■MOVIE「ブラック・スワン」
今日はブラックスワンを観てきました。
たまたま今日は「映画の日」で一律1,000円! ラッキー。
ただし、やはり土曜日ということもあり混んでいて、前方の端っこの席でしたが。
この映画、私は「良い映画だった」と思います。
ただし、私みたいに暗い人間ドラマ系映画が好きな人にとってはいい映画かもしれませんが、
観ていてそれなりのストレスもありますので、精神的にくったくたな人とか、
明るい、ドンパチやるような映画しかご覧にならない人には、ちょっと合わないかもしれません。
なぜいい映画かというと、最近は、映画の構造的に「きれいな」映画……つまり、現実に起きたことを
時系列に並べてストーリーを組み立てていくような映画……が多いが、
久々に、これはストーリー構成が現実通りのきれいなものではない。
それに、この映画は一貫してバレエの世界を一歩も出ない。
しかし、そこに込められたメッセージは、いかなる場面にも共通しうるものであって
「家」「バレエの稽古」「本番のステージ」が90%占めるような狭い世界をのみ映像化したことによって
人間の深みを表せていたと思う。
そう、例えば、映画観覧者の中でも、私たちの中でも話題になっていたことの一つに、
主人公とその母は「変人」だったのか、という点がある。
私の個人的な意見は、両者も「変人」ではない。
狭い家の中においては、各人の特異な部分が冗長されていただけのように思う。
でもこの映画を観ると、あらためて親のあらゆる意味で「重要性」を認識せざるを得ない。
(無機質な表現ですみません。)
また、人を大きくするのは、やはり経験なんだろうなとも思う。
主人公のニナは、残念ながら、自分を大きくするには歳をとりすぎてしまった。
実際に私が自分に対してそう思うこともあるし、おそらく多くの人が頭をよぎったことがある感情ではないかと思う。
例えば、
スポーツの上達の限界を感じたとき。
記憶力が子どもの頃よりも衰えたのを実感したとき。
何かやりたいことがあっても、やる前からあきらめたとき。
多分自分で自分を悔やむときの感情が、最後のニナの涙と共感したのだと思う。
私は、ニナの涙にすごく共感してしまったのだけど、一緒に観た人は、なぜ泣いたのかわからなかったそうだ。
多分私よりもその人の方が、いい人生を歩んでいるような気がしてならない。
みなさんはどうでしたでしょうか。
ちょっとハード的なことを加えると、
最後の、一種の「種明かし」のようなニナが涙を流すシーン。
そして幕を閉じてそのまま映画も閉じるという構成がすばらしい。
なかなか辛いストレスさえ感じる映画であるが、それでもこの「勢い」を感じさせるラストによって
きちんと終止符を打って、きれいに終わりにしている。
それに、下手にもうワンシーン付け加えるとしても、それは蛇足だったと思うように、
必要最低限で、余韻に浸りながら内容を確認しながら回顧できるような、本当に良い終わり方だと思う。
そして、そういった作り手の思惑にはまって、何度思い起こしても、
この映画には「矛盾」がない。
ニナの育ち・考え方・親のしつけ、など、一貫している。
最近の映画は、平気で客を裏切ったストーリーにしてしまったりするから
まあ、当たり前なんだけど、矛盾がないことは、一言いいたい。
本作でアカデミー賞・主演女優賞をとったナタリー・ポートマンの演技はさすがであった。
子役から大成した数少ない大女優。あめでた結婚も合わせて祝福して、
今後の活躍も応援したいと思います。