■BOOK「うつくしい子ども」石田 衣良/作
私が石田衣良氏の作品に出会ったのは、多分8~9年前になるだろうか。
「4TEEN」を読んだときに遡る。
「4TEEN」は直木賞を受賞、私はその後続けて他の作品も読んでみたから、
結構良い本だと思ったんだろう。
(でも「4TEEN」もその他の作品の内容もここに書けるほどには覚えていない)
それから、久しぶりに手にしてみたのが、この「うつくしい子ども」であった。
神戸連続児童殺傷事件をもとに生み出した作品だということは、
読んでいてその雰囲気はわかるが、私の中ではっきりしたのは読んだ後に
wikipediaを見てからだった。
そういう状況で、まず言いたいのは「作家の役目って何だよ!!」ということでした。
この本は、悪い意味でわかりやすすぎる。
その上に登場人物に「アク」がなさすぎる。
わかりやすすぎる、というのは、このときに主人公が何を考えているのかが
全て文章の中に書いてくれている。
それに、ストーリー自体、全く凝った内容ではないので、おおよその見当は誰でも立てられる。
この作品のメッセージといえば、それはまさに神戸連続児童殺傷事件の問題提起と
類似していると言っていいだろうし、違うといっても
昨今巷で言われている、教育事情問題だったりするので、
誰でも一瞬は考えたことがあるようなこと。
ということなので、私はこの本を友人には勧めませんし
教科書としても、簡単すぎると思います。
そういう感想を持った上で「作家の役目」はこの本でよしとしていいものか、というのを
えらそうに考えてしまいました。
例えば、油絵でも、本物そっくりにりんごを描くことができる人はいますが、
それを見たときに、テクニック面では感動しますが、
その感動が逆にその絵の内に秘めた想いを観客に伝えることを邪魔してしまうと思います。
ミステリー映画、ミステリー小説、などは特に
テクニック面を強化することはできるかもしれないが
それは、私が読書に求めていることではない部分の比重が高くなりますので
私は観たり読んだりしたくないなと思ってしまうのです。
そして、そんなことを思い出させるほど、「きれい」に整っていた本作品。
うーん。



