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高次脳機能障害の論点の一つに、症状固定時期はいつか、という問題があります。
同じ高次脳機能障害でも脳溢血や脳梗塞等の疾患を原因とする場合は、症状固定どころか、時間の経過で悪化傾向を示すことが報告されていますが、逆に、頭部外傷を原因とする高次脳機能障害は時間の経過とともに改善傾向を示すとされています。そのため、症状固定がテーマになるからです。
そこで、いつ症状が固定したと言えるかですが、怒りっぽくなったとか、簡単な計算ができないとか、そういう症状の固定時期っていつかと問われると、なかなか難しい問題があります。ある意味、当初から症状が固定したとも考えられるし、永久に固定しないとも考えられます。
ただ、リハビリで症状が多少は改善することは知られており、実際に医療記録で、症状が若干改善という記載に出会いますから、やはり、症状固定という時期が問題になります。
[成人の場合]
急性期の症状が回復し、リハビリを継続している。事故から1~2年ほどたった。まあ、だいたい、このあたりが症状固定と考えられます。というのは、リハビリの効果は、1~2年程度と言われているからです。
もっとも、1年もすれば症状は安定するから原則1年だという意見と、「身体リハビリに半年程度かけ、2年程度は高次脳機能の回復が期待できることから、その時点、つまり2年程度で判断することが妥当」という意見があります。
[未就労の児童の場合]
児童の場合、これから、どんどん成長していきます。その成長に伴い障害が軽減する可能性があります。学校などでの経過観察を経て、集団生活にどの程度適応できるか等を確認して症状固定を判断する必要があります。
[乳幼児の場合]
乳幼児は、未就労児童よりも、さらに脳に可塑性があり、症状固定の判断は慎重になります。またか家庭環境の影響も非常に大きい。乳児の場合は幼稚園などで集団生活を開始する時期まで、幼児の場合は就学期まで、症状固定は判断できないでしょう。