脳脊髄液減少症について その1 | 交通事故弁護士ブログ

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脳と脊髄は、硬膜という袋の中に入っています。この袋は、"髄液"で満たされています。この"髄液"は川のように流れており、この髄液量と圧(髄液圧)は通常ほぼ一定に保たれています。

この圧が正常でない、低髄液圧症は、医学界でも、認識されていましたが、それは、本来なら一定であるべき"髄液圧""低い"状態にあることにより引き起こす症状として認識されていました。

典型的症状は起立性頭痛ですが、それに付随して、頚部痛、全身倦怠(疲れやすい)、めまい、吐き気、耳鳴り、"うつ"など、多様な症状を引き起こします。

この症状は、世界的な症状ですが、わが国では、なぜか、交通事故のむち打ち患者に多いという特有な現象があります。わが国特有な現象ということもあり、医学的には、低髄液圧症は、精神的な原因あるいはストレスからの自律神経の障害と考えられていました。

ところが、"低髄液圧症"の原因は、精神的なものではなく、脊髄における硬膜からの髄液の"漏出"ではないかという医学的な実例が散見するようになりました。

さらに最近では、一部の医師らで、交通事故により脊髄における硬膜からの髄液の"漏出"が起きていると主張されるようになりました。この医師らの意見では、低髄液圧症ではなく、「脳脊髄液減少症」と言うべきだと主張され、今では、患者の会も含めて、この医師らの考えを支持する人が急速に増えています。

その医師は、交通事故のむち打ち患者に、MRや放射線同位元素検査により、髄液圧低下を示す画像所見や硬膜からの髄液の"漏れ"を認める症例を見出し、漏れを止める治療により症状が改善したことを報告しました。

しかし、日本の医師の中には、本疾患の存在を頭から否定している方が、まだかなりいます。

確かに、本疾患に関しては未だ多くの疑問点があります。

一番の疑問は、頸椎捻挫と脳脊髄液減少の関連性が報告されているのは、日本だけであり、欧米では、多くは原因不明とされていて、頸椎捻挫と関連付ける報告はほとんどありません。なぜ、日本と欧米で差があるのか?体質の違いか?

また軽微な外傷で硬膜が裂ける症例があるのに、何故重症の頭部外傷例には発生していないのか?軽微な外傷で硬膜が裂けるが重症の頭部外傷では裂けないとしたら、それは何故か?

このあたりが、どうも合理的な説明ができません。

しかし、患者の行動を観察していると、賠償目的の詐病はありえないし、精神的な原因あるいはストレスからの自律神経の障害も、ありえないとしか思えません。あの執拗な苦しみは、やはり、単に精神的な原因とはわりきれません。

次回からは、脳脊髄液減少症の証明方法を述べます。