宮沢賢治の替え歌
私が勤めていた時代は、旧デジタル時代であったが、社内での人間関係は古き良き時代の良さがあった。いじめをする者は皆から疎外された。飲み会も、ゴルフ、麻雀、親睦旅行も課単位、また全店でそれぞれ最低年一回は行われて、旅行先では暴飲暴食をしたものだ。そんな部内親睦会には決まって世話役を買って出る者がある。もちろん皆からも好かれ者で、幹事に内緒に反対の口をきく者もいない。平和な仲良しクラブである。そのまとまりが会社の業績を下支え、向上させた時代であった。今から思えば懐かしい時代であった。そんな世話役を皮肉った詩がある。宮澤賢治の替え歌である。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
朝カラ晩マデ会社以外ノコトヲ考エズ
仕事ニスグ役タチソウナヒトノホカトハ付キ合ワズ
地域ノ相談事ヤ運動会ナドニモ
仕事ガ忙シイカラトイツテ顔ヲ出サナイ
東ニ社内コンペガアレバ音頭ヲトリ
ダレトダレトヲ組ミ合ワセルベキカト勤務中モ頭ヲヒネリ
西ニ飲ミニ誘ウ部下ガアレバココハマカセテオケト
ナケナシノ財布ヲハタイテ大人ブッテ
南ニ社内旅行ガアレバ
サバケタ奴トイワレタイバカリニ
真ッ先二バカ声ヲハリアゲテカラオケヲ歌イ
北ニ評判の経営書ガアレバ
タトエ目次トアトガキグライシカ読マナクテモ
スグニ買イニ出カケ
サモ読ミ通シタゴトクダレカレニ吹聴スル
会社ガ全宇宙トイウ
ソウイウフクラミノナイビジネスマンニ
ワタシハナリタクナイ