小泊海岸森林鉄道

第3回

探索日   2024.08.17

公開日   2025.02.05

所在地   青森県北津軽郡中泊町


素掘り隧道

2024/8/17 13:01

我々の目の前に現れた素掘りの隧道。

仮称して七ツ滝第二隧道と呼ぼう。

え?なんで第二かって?

 

ふふふ。あなたは鋭い。

わからなかった人もその理由は後々わかるので安心してほしい。

 

さて、いまはこの隧道を堪能しよう。

 

七ツ滝第二隧道は昭和25年(1950)の小泊海岸林鉄開通とともに生まれ、以後1968年の廃止まで使われ続けた数少ない隧道の一つである。

素掘りの隧道であるが、鑿の跡などは見受けられなかった。考えられる要因はやはり天井の崩落だろう。

藪が濃く、入り口付近の写真はとることができなかったが、かなり路盤から高い位置に口を開けていたため、隧道はこれでも下半分が土砂で埋もれている。

それでも隧道が口を開けていたのは下部が埋もれるとともに上部が崩落することによってその形をとどめているからではないだろうか。

 

実際この現象は全国の素掘り隧道で見られるものであり、さほど珍しいことではない。

ただ今回誤算だったのが昔よりも水没化が進んでいたことだろう。

過去に訪れた先人たちのものを見てもほとんどは泥濘状態だったが水はなかった。

今回初めて水没していることが確認されたため、私は長靴という必須アイテムを持っていなかった。失念。。

道内は人一人が立つのが精一杯の高さであり、あまりいい居心地ではない。

いかにも林鉄隧道といえる大きさであり、ここをトロッコが通っていたと思うとなかなかロマンがある。

反対の南口は私のいる北口よりも土砂の堆積が進んでおり、光の見える量が少ない。

ふさがってしまうのも時間の問題かもしれない。

 

反対側にいけなかったのは悔しいがここは引き返すしかない。

私は第二隧道に別れを告げ、ここを後にした。

 


生還。そして・・・

2024/8/17 13:02

 

ニョキ。

 

もりひろ 生還。

隧道に別れを告げ、坑口から滝方面をのぞいた画像である。

この場所から対岸の岩場あたりに路盤が伸びていたらしい。

隧道方面を振り返るともうそこに隧道の姿はなく、私がたどってきた踏み跡がかすかに見えるだけとなっている。

ズームで近づけるとかすかに坑口の上部を拝むことができる。

本来なら中央を一直線に路盤が続いていたのだが、長い年月を経て土砂でかなり埋まってしまっている。

ここは七ツ滝をわたる橋の跡地だ。

前回も出てきた古写真によると、正式名称は七ツ滝橋梁。

橋脚1本を持ち合わせた木造橋だったようだ。

(写真中央の人物がナニをやっているかはおいといて・・)

 

多少のずれはあるだろうが当時の姿を再現したものである。

この滝を眺めながら乗車していた作業員はさぞ気持ちよかっただろうな。

 

今でこそこの滝は名所として名が知れるようになったが、当時はまだまだ無名の滝に過ぎなかったのだろう。

そうでもなければ橋もかけれないしね。

橋台に回り込んでのぞいてみるといかにも林鉄のものである。

石を交互に積み上げた橋台は一見もろそうに見えるが、林鉄には十分な強度を発揮する。

現に今でもそのほとんどが残っているのはそういうことだろう。

 

ほかにも何か、、なにか、、、

なんだよおい。

いいもん残ってんじゃねーか (ニヤリ

 

つづく。