第3回


探索日 2024.06.01

公開日 2024.07.03

所在地   青森県五所川原市


鉄橋跡を後にした私は時間もあることからもう少し山の登りを続行することにした。

目指すは藤の滝である。

さあ、山登り再開だ。


途中で車の方から声をかけられた。

一人でのチャリ登山に心配してとのことだった。申し訳ない、、

事情を説明し、激励の言葉をいただいた。

どうやらこの方も私と同じ道を行く”同士”だったらしい。この先も藪が濃すぎて沢に降りるのは危険だという情報をいただいた。

さすがにあの藪をかき分けてまで沢に降りれる自信もなかったのでいい判断材料となった。

ありがとうございました。

そんなこんなで別れを告げて藤の滝を目指して歩みを進めるのであった。


山奥の滝

2024/6/1 8:20



滝を目指して10分ほど走り続け滝に到着した。

藤の滝は五所川原市金木町に位置し、奴踊りで知られる小田川の上流にある2段の滝で、上を男滝(分岐瀑14m)、下を女滝という。

この滝は太宰治の「魚服記」の舞台として登場しているらしい。

5月には一面に藤の花が咲き、大変きれいで一見の価値があるそうだ。

この地に来る前からかなりの範囲で滝の轟音が聞こえており、その迫力は並大抵のものではなかった。

写真だけでは迫力が伝わりにくいと思うので動画をご覧いただきたい。


一歩降りればそこは崖。降りる猶予も道もないため、滝上部にやってきたところ、祠があった。祠には日本国旗とお供え物があった。それも新しいの。
誰かが定期的に手入れをしているのだろう。
それほど地元住民にとって、この滝は大切なものなのかもしれない。

ここには展望台があるのだが、こちらは長年の放置によりあまり滝は見えない。この木々が自然の柵になっているのかもしれない。

ただ迫力はとてつもないものだ。

実は高所恐怖症である私は少し後ずさりを、、

べつに、怖いわけじゃないぞ!、


正面から見るとこうなるらしい。

写真:五所川原観光協会

二つに分かれたその轟爆は、迫力の中にも美しさを感じさせる、そんな滝だった。

見入ってしまい、しばらくその場から離れることが出来なかった。


ふと本来の目的を思い出し、路盤の捜索を始める。


しかし、

この場所に遺構は存在しなかった。


どうやら小田川林道を整備する際に、遺構がすべて埋もれてしまっているのだ。

こればっかりはどうしようもなかった。


遺構というものは“いま”の形を維持し続けることは人の手が入らない限りは不可能なのである。

そんな“いま”しか見れないものを見て書き記すのが我々オブローダーの務めである。

今あるものもいつかはなくなってしまう。そうなる前にこの目で確かめ、身体で感じ、文字に起こす。

私はこれからもオブローダーとしての務めを全うしていく。


話が脱線したが、この場所に遺構は存在しなかった。実の所は小田川ダムまで行ったが、遺構を見つけることが出来ず、このレポではカットした。

小田川ダムの奥には遺構があったらしいが、今回は探索を断念し、下山することにした。


〈次回、下山編〉



ちょっとだけ!もりひろの宣伝。

・五所川原立佞武多には忘れ去られた団体が存在した。そんな団体の復活に向けて起こしたアクションとは!?もりひろ最初のレポをとくとご覧あれ!


・JR五能線には幻の駅があったことをご存知だろうか。たった数年で勤めを終えた駅には一体何があるのだろうか?

初のミニレポシリーズである。


・津軽森林鉄道のレポを読んだ方なら分かるだろう。
写真のみが残された謎多き馬車鉄道。
それは我々が想像しているよりも奥の深いものであった。