TPPって何のこと?? | エリオット波動とフィボナッチ比率で相場を綱渡り

エリオット波動とフィボナッチ比率で相場を綱渡り

エリオット波動とフィボナッチ比率を利用して、相場の転換点をピンポイントで狙っていきます。エリオット波動については、基本から応用まで書いていく予定です。

【TPPの発足から現在までの経緯】

TPPとは、『Trans-Pacific Partnership』の略であり、環太平洋連携協定と訳されています。
内容としては、加盟国間の関税を撤廃し、サービス貿易、政府調達、競争、知的財産権、国民の移動の取り決めを含んだFTA、EPAのひとつです。
こちらが、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国で結ばれた協定の原文でですが、全部読もうとすると160頁あるので大変です。最初の数ページにこの協定の目的が載っているので、そのあたりだけでも目をとおすといいかもしれません。
www.sice.oas.org/Trade/CHL_Asia_e/mainAgreemt_e.pdf

その後、2010年3月には、米国、豪州、ペルー、ベトナムを加えた8カ国での交渉が開始されました。
2010年10月には、これにマレーシアも参加し、現在は9カ国での交渉が行われており、2011年11月にハワイで行われるAPEC首脳会議で妥結することを目指しています。
来月のことなので、日本でもこの参加に是非が急いで問われている状況です。
APECでの妥結ということですが、タイやインドネシア等、APEC加盟国でTPPに参加してない国との軋轢は生まれないのでしょうかね?

【日本における貿易協定】

日本は、2000年頃より、二国間協定であるFTA(Free-Trade-Agreement 自由貿易協定)を進めてきました。
現在では、シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ等の13ヶ国と結んでおり、現在でもGCC,豪州との交渉を進めています。詳しくは外務省HPを参照してください。
それを考えると、何故これほどにTPP参加が話題になっているのか?
それには、今まで日本が協定してきたFTAにTPPのいくつかの違いがあるからです。
FTAでは、農産物等の重要品目については、関税撤廃の除外とした協定を結ぶことができました。
しかし、今度のTPPについては、元々除外品目がほとんどない上に、多国間で同じルールを用いる必要があり、参加国の中に農業輸出国である米国、豪州、NZがあるので、農産物の除外ということを日本が提案しても受け入れられる可能性がないことです。

【TPP参加表明国の経済状況とそれぞれの思惑】

参加表明国のGDP及び輸入額、輸出額の一覧です。
データは、外務省の2009年のものを使っています。




外務省APEC関連統計資料
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/apec/tokei/index.html


米国のGDPは、全体の88%にも及び、輸出額は58%、輸入額は69%という状況です。
米国の貿易赤字を減らすための策略ではないかと思う程です。個人的にはですけどね。

米国、豪州等の農業輸出国が貿易赤字になっていますね。
シンガポールについては、輸出額がGDPを上回るという面白いことになっていますね。

参加表明している国には、それぞれに参加の意義や目的があるものと思われます。
それぞれの利害を調整しているところですが、アメリカによる安全保障と引き換えにアメリカに有利な貿易協定が結ばれるのでは?と思ってしまうのは自分だけでしょうか。

【日本の農産物貿易の現状とTPP参加について】

日本の農産物の平均関税率は、10%前後と言われています。米については778%です。
つまり、日本に輸入された米が10,000円だったとすると、関税がなくなると、1300円位ですね。
おいしいコシヒカリ一万円と、激安輸入米1300円です。
どちらを買いますか??
牛丼が100円になる日も近いかもしれません。

こちらに農水省がTPPに参加した場合の各種試算があります。
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/renkei/fta_kanren/sisan.html

この試算によると
TPPを結んだ場合
農林水産物の生産減少額 4兆5千億円
食料自給率 40%⇒13%
GDP減少額 8兆4千億円
失業者増加数 350万人
となっています。

試算の方法をみると、33品目について、輸入品と競合する品目と競合しない品目に分類し、
競合する品目については置き換わるものとし、競合しない品目については値段が下がるものとしています。
農水省の試算なので、被害額が大きくなるようにはされていると思いますが、それでもTPP参加によって、日本の農林水産業界に大きな影響を与えるのは間違いないように思います。

【TPP参加による日本経済全体への影響について】

こちらに内閣府国家戦略室の包括的経済連携に関する資料があります。
http://www.npu.go.jp/policy/policy08/archive02.html

8頁の試算総括表を見ると、
韓国の動向に左右されるようですが、TPPを結ばないことによって、日本の基幹産業(自動車、電気電子、機械産業)において、GDPが10.5兆円の減少、81.2万人の雇用喪失となります。

【為替における影響】

とりあえず、TPPがどんなものか?まとめてみました。
TPPを結ぶことを農林水産業界が反対し、結ばないことを工業界が反対するという背景が見えてきたのではないでしょうか?
もしもTPPに日本が参加した場合にどうなるかを考察してみると
農産物の輸入が大幅に増えて、工業製品の輸出が少し増えるということだと思います。
農産物を輸出する、米国、豪州、NZの対日輸出額が増えることになるので、日本企業は円を売って米ドル、豪ドル、NZドルを買う事が増えます。円が下がり、他通貨が上がる構図ですね。
また同時に、工業製品の輸出も増えるわけですが、輸出に関しては、アジア各国には既にFTA結ばれている上、TPPによって撤廃される米、豪、NZの工業製品に対する関税率の低さを考えると、輸入ほどの影響がないように思います。

TPP参加は、円安方向の要因となり得ますが、参加までのマーケットへの織り込み具合も不明の上、デイトレ程度の短いトレードでは関係ありませんね。